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〜第４話〜 （作：鷹） 神咲家の居間で、和音と恭也がテーブルを挟んで向かい合いの形で座っていた 和音「恭也殿、遠いところからよく参られた」 恭也「いえこちらこそお招き頂きありがとうございます」 和音「いやかまわんよ、那美がいつもそなたの事を話しておるし、薫にも話を聞いておったからな、一度見てみたかったんじゃ」 そこへ薫達が居間に入ってきた 薫「婆ちゃん話は済んだね？」 和音「ああ挨拶はな、お主等もこしかけんね」 それぞれ正座をしていく 久遠「く〜ん」 久遠は恭也の膝の上に乗る 那美「こら久遠、あなたまた恭也さんの膝の上に…こっちにいらっしゃい」 羨ましそうに久遠に注意する それを見ていた北斗 北斗「なんか娘に旦那を取られる嫁だな（ぼそっ）」 ボンッ（赤面） 那美「ななななっ！？」 真っ赤になりながら北斗に叩きにかかる 和音「北斗、那美をからかうのはそれ位にしとかんね、それよりも恭也殿の流派は何処なんじゃ？」 恭也「小太刀二刀御神不破流です」 和音「御神不破流？」 雪乃「何処かで聞いた流派ですね」 和音「たしか…あの男がその流派だったな、雪乃よアルバムを出してくれんか」 雪乃「はいお義母さん」 部屋の奥からアルバムを持ってくる １ページ毎確認し 和音「あったこの写真じゃ…」 雪乃「ああ…懐かしいですね」 和音「恭也殿この写真の者を知っておるか？」 その写真は神咲家の玄関前で撮られており 和音さんや一樹さん雪乃さん達 和音さんの着物の裾を掴んでいる、４歳位の薫さんと一樹さんに抱き上げられている１歳位の和真さん 薫さんの頭を右手撫でながら中腰になり、子供のような笑顔でＶサインをしていた男性がいた 恭也「父さん！？」 雪乃「なんと父親か！？」 恭也「ええ間違いなく俺の父の士郎です」 雪乃「ならこの赤ちゃんは恭也君なの？」 雪乃は自分が写っている箇所を指差す そこには雪乃に抱き上げられている赤ん坊がいた 恭也「そうなりますね、小さい頃から父さんについて旅をしてましたから…」 薫「それじゃうちらは小さい頃に会っとたんじゃね」 和真「そうなるね、全然覚えてないけど」 他の写真には俺を抱き上げている薫さん達の姿や、一緒に昼寝をしているものもあった 和音「もう２０年位になるかの…今思うと凄い男じゃった…」 パタパタ〜 薫が和音のいる縁側に走ってくる 薫「婆ちゃん大変じゃ〜」 和音「どげんしたんじゃ薫」 薫「玄関前で人が倒れとる」 慌てて確認しに行く そこには赤ん坊を背負った男が俯せに倒れていた 和音「しっかりせんね、どうしたんじゃ」 士郎「………腹…減った…」 ガツガツ バクバクバクバク ズズズ〜 家に連れていき飯を食べさせるが 和音「凄い勢いじゃな」 士郎「（ゴックン）…ふぅ…なんせ金が底をついて、１０日ぶりのまともな食事なもので…申し訳ない」 雪乃「それじゃ赤ちゃんの食事はどうしたんです？」 士郎「粉ミルクの缶を持っていたから、それは大丈夫」 缶をカバンから出す 士郎「と言ってもさっきそれも無くなったんだがな」 和音「危なかったな…しかし、これからどうするつもりじゃ？」 士郎「知り合いの男が、仕事でこっちに来ているから、連絡をとってみる、ガードの仕事をよくしているから」 和音「ならいいが、赤ん坊はどうするつもりじゃ？」 士郎「恭也は連れていきたいが、危険だからな…」 雪乃「なら家が預かりますよ」 士郎「いやしかし…迷惑をこれ以上かけるわけにも」 和音「かまわんよ、それに薫や和真も、弟が出来たみたいに嬉しそうじゃからな」 ２人は座布団に横になっている恭也に興味津々になっている 士郎「それならお願いします、出来るだけ早く仕事を片付けますから」 雪乃「任せてください」 ２週間後 仕事を終え神咲家を後にする日 士郎「お世話になりました、この礼はいずれ伺います」 和音「いやよかよ、そんなこと楽しかったからの」 士郎「そういう訳には…そうだ、礼として恭也が成長したら婿に送る！！」 和音「………」 雪乃「まぁそれは楽しみ」 一樹「ちょっと待て、それは恭也君の意志が大事だろ」 士郎「まぁそれは、恭也が大きくなって話をつけておくよ」 士郎は笑いながら言っていた 恭也「はぁ〜」 和真「恭也君気を落とさんで」 恭也「いえ…父がこちらでも迷惑を掛けていたのかと思うと…それにそんなことは何度もありましたから」 一同「………」 恭也「本当に申し訳ありません」 和音「いや気にすることはない、それよりも恭也殿」 恭也「はい？」 和音「明日は薫と那美達と行ってもらいたい場所があるんじゃが」 薫「何処に行けばよかとね？」 和音「この小太刀が納められていた社じゃ」  続く ▼next ▲prev |