|
第５話中編 （作：青大将） 前夜海鳴港倉庫街午前２時 「おい、今度は上手くいくやろな。」 「任しておけ・・・今度は確実だ。この前押収されたものよりも多く仕入れてある。」 深夜の倉庫の中で、２人の男が目の前にしたコンテナの蓋をあけなにやら話をしていた。 「ほぅ・・・これはええやないか。カラシニコフのほかにＲＰＧ−７、代えの弾頭に弾丸、戦争を起こせるな。」 「戦争みたいなものだろ？この計画は？」 男たちは暗闇の中でにやりと笑うとコンテナの扉を閉め鍵をかけた。 「所でアリシア、協力者の目星は付いているのか？」 「ええ大体は。そうでなければ私が日本まで来るはずは無いでしょ？もう捜査も詰め段階よ。」 藤木とアリシアは署の廊下を歩きながら双方の持っている情報を聞きだしていた。 「で藤木？貴方の方でわかっている事は？」 「ああ…協力者を追ってる監理官が秘密裏に動いてること位か。」 「やっぱり、内部の協力者の件はほぼ確定なのね……でなんで貴方の胸元には大型拳銃が入ってるわけ？日本の警察官の使う拳銃じゃないわよね？」 アリシアは藤木の少し膨らんだ左脇腹付近を見ながらニヤリと笑みを浮かべた。 「ああ、出所は教えられんがな。そういうお前さんはまだＰＰＫ使ってるのか？」 「ええ、未だに使っているわよ。」 アリシアはスーツの左胸の部分を少し捲り、藤木に見せた。 「あまり使うなよ…色々と問題になっても困るからな。」 「あら？使わせない状況にすればいいじゃないの？」 アリシアは藤木の言葉にニヤリとしながら意地悪く答え、藤木はため息をつきながら部屋のドアを開けた。 「えー今日からうちで一緒に動くICPOから派遣されたアリシアくんだ。」 「ICPOから派遣されたアリシア・ブラックフィールドです。日本は初めてで不慣れですがよろしくお願いします。」 「因みに彼女には逮捕権が無い。藤木と葉弓くんのチームに入って行動してもらうから頼むぞ。」 課長は紹介が終わると自分の席に戻り机に置いてあった茶をすすり始めた。 「藤木、貴方のパートナーを紹介して。 」 「ああ、神咲葉弓くん。俺のパートナーだよ。」 「神咲葉弓ですよろしくお願いします、アリシアさん」 「こちらこそ神咲さん。でも神咲さんが３人いるのねここって。」 「私の従姉妹ですから私のことは葉弓でかまいませんよ？」 「そう？じゃ葉弓…貴方藤木と付き合ってる？」 アリシアは葉弓にニヤリとしながら質問すると葉弓は真っ赤になって俯いた。  「アリシア…そういうプライベートなことは聞くな。」 「あら？良いじゃないの、私と貴方の仲じゃない。」 「アリシア。そういう勘違いされる発言をするな……視線が痛い。」 藤木は頭を抱える仕草を見てアリシアは周りを見るとニヤニヤする顔、引き攣った顔等さまざまな視線が注がれていた。 「あら？そうなの？だって私、藤木のア〜ンナコトやコ〜ンナコトも知ってるのに♪」 「意味深に言うな…。」 「あら？そうなの。」 アリシアは意地悪そうな顔をするが藤木はアリシアにしか聞こえない声で話しを続けた。 「Ich wurde mit Alicia im ehemaligen Uberseetraining hereinbekommen.Weil das Training von deutschem GSG9 das Geheimnis wird, seien Sie vorsichtig.」 （アリシアとは以前の海外研修で知り合ったことになってる。ドイツGSG9の研修は機密になっているから注意してくれ。） 「Ist es eine Schuld?Es ist damit.Ich war auch nachlassig.Ich bin jetzt angeschaltet davon vorsichtig.」 （あら？そうなの。私も迂闊だったわ。これからは注意するわ。） 「藤木…コソコソ話するとさらに怪しいぞ。以前なにやらかしたんだ？」 真雪はニヤニヤしながらその様子を眺めていた。 「別に何もしてませんよ。以前の海外研修の仲間ですから。」 「そうですよ。それだけの仲です。」 「藤木さん。今日はアリシアさんを連れて県警に行くんですよね。早く行かないと怒られますよ。」 葉弓は不機嫌そうな声をすると足早に部屋を出て行いった。 「そういうことだ行くぞアリシア。」 「いいけど後でちゃんとフォローしておきなさいよ。」 アリシアの言葉に、藤木は再び頭をかきながら二人で部屋を出て行った。 「久しぶりだな、アリス。変わりないか？」 「ええ。貴方も元気そうね聖人。」 県警の一室。アリシアと聖人は久々の再会を喜んでいた。 「しかし、この3人が一同に会するとは。なんだか懐かしいな。」 「そうね何年も前に顔あわせてたまに連絡取り合っていた程度だったし。」 藤木達は出された珈琲を飲みながらお互いの過去を懐かしんでいた。 「一つ聞きたいけど昔、聖人と藤木は警察学校同期って聞いたけどなんで出世が違うの？」 「それは…高志（こいつ）は問題ばかり起してるからな。何人病院送りにしているか。」 「なるほどね。昇級試験に受からないって所ね。問題児過ぎて。」 「二人してそれを言うな…結構気にしてるんだぞ。」 藤木は二人のニヤリとした振り向きにガクリと首を落としていた。 「ＩＣＰＯ実働部局直々に日本に来るとはまあ国際的な事件に発展したんだな。」 「ええ。書類の通りだけど。手配犯は消されてるわ。そしてこの警察内部に協力者がいるのもほぼ確定よ。」 「そうか。となると俺のつかんでる情報も出さざるを得ないな。ただ内偵中だから外に聞かれるのは不味い。ここからは言葉を変えて話をするぞ。日本の言葉に壁に耳あり障子に目ありというしな。」 アリシアの説明を受けながら書類を読んでいた聖人は徐に自分の持っている情報を話し出した。 「Zuerst bekomme ich fast das Ziel uber einen cooperator in die Polizei.Wie fur einer, leitender Offizier, ist noch eine eine der prefectural-Polizei Chief bei Teil 4 der Berufung der Meeresstation.」 （まず、警察内部の協力者についてほぼ目星は付いている。一人は県警の幹部、もう一人は海鳴署の四課課長だ。） 「Ist es damit?Das das Oberhaupt in Teil 4 von alten Tagen ein schwarzes Gerucht hatte, aber der leitende Offizier der prefectural-Polizei fing Streit an…」 （そうなのか。４課課長は昔から黒い噂があったが、県警の幹部が絡んでいたとは…） 藤木は聖人の言葉を聞きまた一口珈琲を流し込んだ。 「Aber haben die Informationen nur es nicht?Im allgemeinen verstehen Sie auch die Aufbewahrungsstelle von der Waffe und dem Zweck nicht?」 （でも、持っている情報はそれだけではないでしょ？武器の保管場所とその目的も大体わかっているんじゃない？） 「Wie erwartet wird, ist Alice scharf.Mein Team wird morgen einen wilden Angriff auf die Aufbewahrungsstelle machen.Aber ich mache den Zweck eindeutig noch nicht, aber wahrscheinlich ist es Terrorismus.Eine internationale Konferenz sollte von nachst Woche in einem Hotel aufgefuhrt werden.」 （さすがアリス鋭いな。保管場所は明日俺のチームが強襲する予定だ。ただ目的はまだはっきりはしていないが、多分テロだろ。来週から国際会議がホテルで行われることになっているからな。） 「Ich verstand es.Sogar ich sammele Informationen, wenn ich Kommunikation bekomme, sobald ich einen Zweck verstehe.」 （判ったわ。目的がわかり次第連絡貰えれば、私の方でも情報を集めてみるわ。） 「Ich bestelle es.」 （それは頼む。） 聖人はアリシアに渡された書類を返すと今度は藤木の方を見た。 「Es und die Bewegung des Aufsehers scheinen, beschaftigt geworden zu sein auch, aber warnen den Punkt.」 （それと監察官の動きも慌しくなってきたようだが、その点も注意しろよ。） 「Ich nehme, warum ich bin.」 （なぜに俺を見る。） 「Der Grund ist, weil Sie jederzeit am irgendwo ein Problem verursachen.Es ist dieses Mal ein Hals oder eine entfernte Stelle.」 （何時でも、何処でもお前が一番問題起すからだ。今度こそクビか僻地だぞ。） 「Wenn es und unverantwortlich haben Sie Sie nicht reicht eine Promotionsprufung, ich werde gestort」 （それといい加減お前も昇進試験に受かってもらわんと困る。） 聖人の言葉に藤木は再び項垂れた。 「あら？もうお話し終わったのですか？」 丁度３人の会話が終わった頃、葉弓は別の用事を済ませ部屋に戻ってきた。 「ああ終わったぞ。そっちの用事も済んだようだならこいつを慰めてやってくれ。」 「聖人に色々と言われて落ち込んでいるのよ。」 「藤木さん項垂れてどうしたんですか？」 項垂れる藤木を見て葉弓は覗き込むように藤木を見た。 「大丈夫だ葉弓さん。」 「ならいいですけど。兄様も藤木さんをあまり苛めないでください。」 「葉弓。苛めてはいないぞ。現実を藤木に言ったまでさ。」 葉弓はムッと膨れながら聖人を見た。 「あら？聖人。今、神咲さんが貴方のこと「兄様」と言ったけど貴方達って兄妹なの？」 「ああ。事情があって俺は違う苗字を名乗っているが、俺と葉弓は実の兄妹だ。」 聖人は葉弓の頭に手を乗せて2回ほど軽く手を上下した。 「兄様。私を子供扱いしないでください。私だってもう色々できるんですから。」 「ほー葉弓お前彼氏でもできたか？」 「兄様!!」 葉弓は聖人の言葉に反応し大きな声を上げた。 「藤木、あんたどうするのよ。葉弓が聖人の妹さんだって。知ってた？」 「知ってるわけ無いだろ。今はじめて聞いた。」 「そう。で神咲さんとは何処まで進んでいるわけ？」 「健全なお付き合いをしてるだけだ。そんなに勘ぐるな。」 「あら？貴方達付き合っていたの？私知らなかったわ。」 アリシアの誘導尋問にかかった藤木は自分の言った言葉を思い出し冷汗をかいていた。 「まあ彼氏ができても良いが、節度ある付き合いをしろよ。」 「兄様、私だってもう大人です。それくらい判ってます。」 聖人の言葉に葉弓はそっぽを向きながら答えた。 「それと、彼氏ができたらもちろん俺に紹介してくれるよな。葉弓の選んだ男がどんな人物か見てみたいし。」 「兄様。それは兄様の良く知っている人物でもですか?」 「それはそうだろ。もしかしたら俺の義弟になるかもしれないんだからな。」 「兄様、なんか話が飛躍していませんか？」 「そんなこと無いだろ。まあ手を出した時点で責任を取ってもらうつもりではいるがな。」 「兄様!!」 葉弓は今度は赤くなり、聖人の方を向いた。 「聖人。さっきから藤木が冷汗流しながら固まっているんだけど、心当たりある？」 「いや？そんな心当たりは無いが。アリシアなにかキツイからかい方でもしたか？」 「いいえ。ただ藤木に男女交際のこと聞いたら急に冷汗流して固まったわよ？」 アリシアの言葉に聖人は首を傾げ藤木に話しかけた。 「高志、どうしたんだ？」 「聖人…もしもだぞ。もしも神咲さんの彼氏がお前の知り合いだったらどうする？」 「それは知り合いでも変なやつなら許さないが。そうだな…俺たちの訓練に突っ込んで苛めるかな。」 「そうか。それならまだ良いがな。」 「ああ高志言い忘れた。妹を泣かせたらシバクから覚悟しとけよ。」 「あらら聖人には、ばれてたのね。」 「それはこの挙動不審振りを見れば判るだろ。俺も警察官だぜ。」 聖人はアリシアの言葉に苦笑し藤木をじっと見ていた。 「兄様大丈夫ですよ。藤木さんは私のことも良くしてくれますし。それに桜ちゃんも私好きですから。」 「藤木、何故貴方子供がいるの？」 葉弓の言葉にアリシアは疑問符を投げかけた。 「ああ。聖人も知っているがアリシアと知り合う前に結婚していてな。娘がいるんだわ。」 「そう。それで奥さんはどうしたの？」 「研修に出る前に亡くなったよ。」 「そう、御免なさい。」 「気にするな。知らなかったことだからな。」 藤木は煙草を咥えると、どこか寂しげな目をした。 「それで高志。俺の妹と付き合うんだからもちろん変なことするなよ。それと葉弓、浮気の兆候が有ったらスグに連絡しろ。シバいてやるから。」 「兄様、大丈夫ですよ。藤木さんはそんなことしませんから。可愛い桜ちゃんもいますし、良いパパですよ。」 「そうか、じゃあ高志には次の昇進試験には必ず合格してもらって階級を上げてもらわないとな。」 聖人は微笑むと藤木と葉弓を見た。 「問題を起さないようにしないとな。」 「そうですよ。問題起すとまた昇進試験を受けれませんよ。」 「問題を起すより、問題を起させないようにして欲しいが…。」 「藤木さんそれは我侭という物ですよ。」 葉弓は藤木に微笑みながら話しかけた。 「真雪さん。事件の資料置いて置きますよ。」 藤木は署に帰ると真雪の机に聖人から渡された紙袋を置いた。 「藤木、帰って早々悪いけど、今日の夜歓迎会やるからアリシアに何か嫌いなものが無いか聞いてくれ。」 「判りました。」 藤木はアリシアの意見を聞くためアリシアの机の近くに着た。 「アリシア、歓迎会をするそうだが何か苦手な物あるか？」 「私は特に無いけど、今の所暇よね……いつもここはこんな感じなの？」 「ああ。いつもこんな感じさ。ただ事件が一度起これば皆腕が立つ人々さ。」 「そう。真雪に歓迎会楽しみにしてるわと伝えてね。」 アリシアとの会話が終わると藤木はまた真雪の席に戻ってきた。 「真雪さん。苦手な物はほぼないそうですよ。」 「そか、じゃあ久々にどんちゃん騒ぎと行きますか。」 「そんなこと言ってるとまた怒られますよ。」 藤木は真雪の言葉に苦笑した。 「真雪さん。課長が呼んでますよ。」 「いっけね、呼ばれてたの忘れてた。藤木、アリシアを何時もの所へ時間になったら連れて行ってくれ。」 耕介の声に真雪は藤木の置いていった封筒を取ると部屋を出て行った。 「ねえ藤木、ちょっといい？」 「どうした？アリシア。」 「ねえこのＡＫって何処に行けば見れるの？」 「ああたぶん署内にあるぞ。でどうした？」 「ちょっと見てみたいのよね。葉弓も一緒に…って彼女は？」 「ああ今日は用事があるそうで半休取ってるそうだ。で見に行くのか？」 「ええ。それとこれ分解できるわよね？確認したいことがあるのよ。」 「……俺が分解するのかよ・・・…場所借りないとな。」 「あら？ＡＫぐらい分解整備できるでしょ？訓練で散々やったじゃない。」 アリシアの言葉に藤木は少し憂鬱になりながらドアを開けるとアリシアはそれに続いた。 「やっぱり本当だったのね…藤木さんになんて伝えよう…。」 「神咲さん、正直に言えば高志も判ってくれるわよ。」 その頃、半休を取った葉弓は夏美と病院の前にいた。 「高志は普段はぐうたらしてる様だけど、〆るところはきちんと〆るし。責任感は強いわよ。」 「そうですけど、もう３ヶ月になっていたなんて。兄にも私何も言ってないですし。」 「ほら、心配しないの。お母さんがそんな事でオロオロしていたら御腹の赤ちゃんも心配しちゃうわよ。」 夏美は葉弓を励ましながら駐車場に向かった。 「神咲さん。まず自分が落ち着いて高志に話しなさい。事実は事実で受け止めてくれるわよ。」 「ええ。後は兄にも話をして、両親にも……。」 「ふふふ。桜ちゃんも懐いているし、神咲さんは良いお母さんになるわよ。それに桜ちゃんにもお母さんが必要だと私も思うし。そんなに神咲さん心配しない、大丈夫だって。今の事件が終わったらゆっくり二人で話しなさい。」 「ええ。夏美さん有難うございます。」 帰りの車の中、夏美と葉弓は会話を交わしながら帰路を進んでいた。 「そうそう。これからはお酒とかは控えないと。赤ちゃんにも悪いわよ。今日歓迎会があるそうじゃない。」 「ええ、ＩＣＰＯから着た方の歓迎会が。何でも藤木さんの知り合いらしいですけど。」 「そう、私もその方から依頼を受けててね。近いうちに合うことになってるの。」 「なにか外国からの方が来るなんて大きな事件になっているんですね。」 「そうね…。これからどう転ぶか判らないわね。」 夏美は車を運転しつつも、葉弓と同じように厳しい顔をしていた。 「さあ藤木…腕のほど見せてもらうわね。」 「ああ久々だが何処までばらせばいい？」 「とりあえずフィールドストリッピング程度までお願い。それと写真撮るわ。」 アリシアがカメラを構える中、藤木は会議室のテーブルの上でＡＫをばらし始めていた。 「相変わらず構造が簡単すぎるものだな……これは。」 「ええおかげで今や色々な組織で密造されて御用達になってるわね。ああそこの部品貸して。 アリシアは藤木から部品を受け取るとそれを写真に取り始めメモ帳を開きスケッチを始めた。 「アリシア写真やメモ見て何してるんだ？」 「ええ密造銃なら作り手によって特徴があると思ってね。それに過去に使われたとか、何処の工場で作られたかとか判ればいいと思って。」 「なるほどね…で向こうに写真送って調べてもらおうかと。」 「そういうこと。さあチャッチャと分解して。」 「へーい…ていうか又俺が組み立てるんだよなこれ…。」 「そうよ、頑張ってね。早くしないと飲み会に遅れるわよ。」 藤木はぐったりすると、再び並べられた部品を組み立て始めた。 「隣いい？」 「ああ構わんぞ。」 藤木はさざなみ寮で行われた宴会の後、縁側で一人ウィスキーの入ったグラスを傾けていた。 「ねえ藤木、アンタ変わったわね…。」 「そうか？」 「ええ。あの頃は何だか荒んでように見えたわよ？」 「ああ…当時は色々有った後だったからな。」 アリシアは隣に座るとグラスに入っていたウィスキーを傾けた。 「今は少しは落ち着いたようね。」 「まあな。アレから色々有ったからな。 」 「でも葉弓の影響が一番大きいかしらね。」 「アリシア…お前酔ってるだろ。」 藤木は再びグラスを傾けると中の琥珀色の液体を流し込んだ。 「今夜の聖人達の仕事で大体全容がわかるだろ…今回の事件は。」 「そうね。後は内部の悪人を何とかしないとね。」 「一番の面倒だな。」 「あら？監察官が動いてるんでしょ？藤木も目を付けられない様にしないと。」 「大人しくしてるから大丈夫だろ。」 藤木は空になったグラスを持ち立ち上がった。 「さて俺は帰るよ。アリシアは派遣中此処に泊ってるんだろ？」 「ええ。毎日楽しいわね此処は。毎日真雪の晩酌につき合わされそうだけど。」 「まあ、いいんじゃないか？アリシアも昔に比べれば丸くなったと思うぞ。昔はトゲトゲしてたからな男でも出来たか？」 「いいえ？藤木言葉にきをつけないと唯でさえ低い鼻が折れるわよ。」 「手を出してから言うな…。」 藤木はアリシアの突きを左手で受け流した。 「明日は科捜研だからな。二日酔いにならんようにしろよ。」 「ええ藤木もGute Nacht（おやすみ）」 「Gute Nacht（おやすみ）」 藤木は後ろ向きでアリシアに手を振ると寮の玄関に向かった。 第五話中篇 了 あとがき こんにちは今晩は。 えー前回から約1年半もかかってしまいました。 ちょっと自分の生活で色々ありまして延び延びになり、やっと書きあがった次第です。 前回今年中に終わるかななんて思ってましたが年を越え続編も年を越しそうです。 ちょっと内容の説明になりますが、此処で出てくるＩＣＰＯですが実際は捜査官に拳銃所持や逮捕の権限は無いそうです。扱い的には結構アバウトになってますので突っ込みは勘弁してください。 またところどころ独逸語を使っています。 翻訳サイトで確認しつつ書きましたが…多分大丈夫だと思います（マテ でわ最後に今回出てきた拳銃の注釈を…某対戦車兵器は次回ということででわでわ。 注釈 ワルサーＰＰＫ ドイツのカール・ワルサー社が開発した小型セミオートマチック拳銃である。警察用拳銃として開発されたワルサーPP（Polizei Pistole）を私服刑事向けに小型化したもので、名称のKは「短い」を意味する「クルツ」という言葉の頭文字とされる。日本の警察でもSPや皇宮警察で要人警護用にワルサーPPKが使われていた。又007のジェームス・ボンドの銃としても有名。 ▼next ▲prev |