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第五話「夢幻バスターえんじぇるななか」 prev * index 〜第一部「愛戦士」〜 茜屋「今回の旅のテーマは『愛』だ」 夕凪「イキナリなんやねん」 潮騒「似合わないですねーー、果てしなく」 ＵＲ特急『うまなみ』は休日なのに空いていた。 昨今、不景気なのか行楽人口も減り、数年前ならば指定席の予約で長蛇の列をつくっていた駅の窓口も今は閑散としている。新幹線はもっ ぱら郊外に住居を求めた通勤サラリーマンのものとなり、行楽列車のはずの特急『うまなみ』も、この通り、暇をもてあましている茜屋達の 貸切状態となっている。 椅子を回転させて、夕凪、潮騒のふたりと向かい合う。 駅弁を食べつつ、これからの旅の目的について確認しているのだ。 茜屋「俺は先のＭｒ．Ａの事件で思い知った。やはり最後に勝つのは『愛』なのだとな」 潮騒「あれは、そういうお話じゃなかったような……」 『Ｍｒ．Ａ、愛の迷宮事件』 後の好事家によってそう呼ばれるようになった一連の事件については、すでに語られているのでご存知の方も多いだろう。 支配獣なる異界の魔物のつくったゲーム空間、その中で起こった珍事。 結果的に、Ｍｒ．Ａと美王の絆の深さを知らしめるような形にはなったものの……あれはお世辞にも愛の物語とは言いがたかった。 茜屋「そこで、だ。私の友人であり、現在進行形で彼女とラブラブ状態の男のところを尋ねる」 夕凪「意外やね、茜屋さんの友達にそういう人がいるとは」 茜屋「何を言う。私の友人は皆、愛に殉じている猛者ばかりだ」 潮騒（……殉じていないのは茜屋さんだけ…？） 列車は東へ。 窓の外に夜景が広がる。 着くのは夜中になるだろう。 茜屋「とりあえず、着いたらホテルに部屋を確保して食事にしよう。行動は明日からだ」 『愛』を目的とした旅――― 目的の選定理由がわからない。 いや、よそう。 練馬区としまえん事件のときの行動理由は、『世界征服』だったではないか。この男の行動形式に理由などありはしない。 夕凪と潮騒は、苦笑した。 翌朝は快晴だった。 茜屋「さて……このあたりにいるはずだが……おや？ あそこを行くのはトシヤさんじゃないか」 早朝の公園を散歩している二人連れ。 トシヤさんの隣にいるのはいうまでもなく椎名ゆうひ嬢である。 潮騒「茜屋さん、愛の観察対象としてなら、あの二人でもいいんじゃないですか？」 茜屋「いや、あの二人はもう完成してしまっているからな……」 夕凪「完成しててもええやん。完成してこそ愛やで？」 茜屋「ちっちっち、愛を確認するには成果品だけでは難しい。生成過程を見てこそだ」 潮騒「……生成過程って……なんか嫌なヒビキ」 茜屋「このへんにいるはずなんだがな……」 夕凪「そろそろターゲットを教えてくれへんと困るんやが」 潮騒「そうですね。こんなビデオカメラまで持たされても……誰を撮っていいのか」 茜屋「おっと、そうだったな」 茜屋は、鞄をごそごそと掻き回すと、一枚の写真を取り出す。 いかにも仲の良さそうな男女が映っていた。 『珊瑚＆ななか』 写真にマジックインキで書いてある。 潮騒「えっと、この二人って……あそこにいる二人ですね」 茜屋「おお！ 潮騒でかした！」 公園のはじのほうのベンチに、ターゲットはいた。 公園での一部始終を撮る。 茜屋「………」 夕凪「………」 潮騒「………」 映画館での一部始終を撮る。 茜屋「………」 夕凪「………」 潮騒「………」 レストランでの一部始終を撮る。 茜屋「………」 夕凪「………」 潮騒「………」 夕凪「茜屋くん……ちょお思ったこと言うてええかな……」 茜屋「なんだね、聞こう」 夕凪「うちらって……情けなくあらへん？」 茜屋「むぅ」 潮騒「なんだか微妙な二人ですよね。喧嘩ばっかりしているようだけど、どこか繋がっているような……」 夕凪「現在進行形というのは分かるんや。それだけに……それを覗き見してるうちらが情けない」 茜屋「なにをいうか、観察者たるもの、行動に情けないもくそもない。だいたい……」 珊瑚「……誰が観察者ですか」 喫茶店の窓の外、ビデオカメラ片手に店内を覗き込んでいる不審者。 見咎められて、これほど言い訳できない状況も珍しい。 茜屋「これはこれは珊瑚さん、お久しぶりです」 珊瑚「茜屋さん……」 茜屋「中東でのアメリカ大使館爆破事件以来ですかな」 珊瑚「俺はそんなのにかかわった覚えはないです」 茜屋「あれ？ おかしいな」 珊瑚「しらばっくれないで下さい。いったい、そのビデオカメラは……って、この娘たちは？」 同じ顔がふたつ。 しかも、どこかで見たような…… 珊瑚「さざなみ寮の美緒ちゃん……？」 夕凪「ちゃうでー」 潮騒「違います〜〜♪」 茜屋「ああ、この娘たちは美緒のクローンなんだ。夕凪と潮騒。ほかにもたくさんいるけど、とりあえずこの二人は紹介しておこう」 夕凪「よろしゅうなー」 潮騒「よろしくです〜〜♪」 珊瑚「あ、どうも……珊瑚っす」 怒っていたのも忘れて、自己紹介を始める珊瑚さん。基本的に人がいい。 ななか「珊瑚さん、どうしたんですか」 珊瑚「あ、ななか、いや、実はこの娘たち……」 可愛い女の子は場を明るくする魔法を持っている。 茜屋（ふぅ……とりあえず、ごまかせたか） 夕凪と潮騒はななかに誘われて店内に姿を消した。 珊瑚もあとを付いていく。 茜屋「あれ？」 トシヤ「や（汗）」 ゆうひ「茜屋くん、お久しぶりやな〜〜〜（汗）」 自分たちが隠れて盗撮していたのとちょうど反対側の植え込みに、デジカメを持った男女の姿があった。 場所を移して、珊瑚のアパート。 ゆうひ「え…うち？うちは…そうそうデートの途中でちょっと通りかかっただけやがな」（;＾＾Aｱｾｱｾ トシヤ「そーゆーこと…（にしといたる）」ｗｗ 珊瑚「ゆうひさんはデートでしたか…そうですか…ふ〜〜ん（￣ー￣）ま、そういう事にしておきましょうか。 ――で、茜屋さんは？」 茜屋「私か？ 私は路上観察学の研究のため、高度な観察対象を追っていたのだ」 夕凪（凄い言いようやね） 潮騒（基本的に嘘をつくのが嫌いな人ですけど……） 珊瑚「ほー……観察……」 茜屋「記録と報道は観察者の義務である」 潮騒（茜屋さん、てきとーなこと言う前に逃げたほうがいいんじゃ） 夕凪（うち、逃げ足速いでー） 場の空気は緊迫している。 ななかのお蔭で一時はまったりした雰囲気にもなったのだが、さすがに誤魔化しきれなかったようだ。 珊瑚「で、茜屋さん、観察者って誰の観察ですか…（＾＾；」 あさってのほうを向いて、露骨に口笛など吹いている茜屋。 珊瑚「……あ〜〜そこそこ、大阪弁の子が夕凪ちゃんでよかったのかな？ 翠屋のシュークリームは嫌いか〜〜い？(*´▽｀)ノ○」 夕凪「うち、シュークリーム好きや〜♪」 茜屋「おい！ 気をつけろ、毒入りかもしれんぞ！」 潮騒「茜屋さん、それはいくらなんでも酷い言い方です」 夕凪「そうやー。だいたい悪いのは茜屋」 茜屋「うっ……」 珊瑚「うむうむ、夕凪ちゃんの好物か（＾＾* なら早く食べないと数に限りがある、他の子に取られるかも知れんぞ？ インスタントな紅 茶しか無いのがアレだがな…」 懐柔成功。 珊瑚の顔にこれ以上ない笑顔が浮かぶ。 茜屋「う……」 夕凪「茜屋くん、こじれるまえに謝るのが吉やで（ﾓｸﾞﾓｸﾞ」 潮騒「そうですよ、なんたって悪いのは茜屋さんなんですから！（ﾓｸﾞﾓｸﾞ」 茜屋（貴様ら……シュークリームごときであっさり寝返りやがって……しかし、困った。謝るのはいい。謝るのはいいんだが、貴重なデータ であるビデオテープを没収されるのは如何にしても回避しなければならん。さて……この状況でビデオテープを如何にして隠すか……） ななか「あのー……」 珊瑚「はい、ななか、発言を許す」 ななか「さっきから珊瑚さん、怒っているように見えるのは何故？」 珊瑚「うむ、良い質問だ。実はな、茜屋さんたちは外に居た時にビデオカメラを持っていたのだよななか君」 ななか「窓の外で……ビデオ〜〜〜〜？？」(#-_-) 珊瑚「せめてテープの中身を確認させて貰わないと……ななかも収まりが付かないんで、覚悟の方はもう良いですかね（＾＾#）」 茜屋「う、茜屋ぴんち」 ちらりと横を見ると、隣では、ゆうひと夕凪、潮騒が和やかに談笑している。 ゆうひ「は〜い、夕凪ちゃんこっち向いて〜♪」 夕凪「はい？」（くるっ ゆうひ「（パシャ！）」（ −納 ○] 夕凪「わわっ！急になにするんですかー！」 ゆうひ「自然体なええ顔してたで〜♪」 ゆうひ「次〜〜、ななかちゃん〜〜♪」 ななか「きゃっ」 ゆうひ「（パシャ！）」（ −納 ○] デジカメの画像を確認する。 ゆうひ「大漁や〜♪」 珊瑚「ゆうひさん…何でカメラなんか持ってんですか…（￣▽￣；）」 ゆうひ「ん？これは決定的瞬間を撮るためや。ウチは普段よぉ冗談言うから、そんな事あったって言うても信じてもらわれへんねん」（つд Ｔ） 珊瑚「それは大変ですね…（＾＾；」 ゆうひ「でも、こ〜ゆ〜の持ってるときに限ってな〜〜んもあれへん…」（・д・）-3 珊瑚「で、そんなカメラでななかを撮るのは何でですか？」 ゆうひ「今回のは成長記録ってやつや〜〜♪」(*＾▽＾) 珊瑚「は？ななかの…ですか？」 ゆうひ「そや♪大人の階段を一歩上った記念や〜〜♪」 珊瑚「な、何ですか、大人の階段って…(///)」 ゆうひ「ん〜〜〜〜？ウチに言わせたいんか〜〜？」（￣ー￣） 珊瑚「わ、私には何の事だかさっぱり…(///)」 ゆうひ「ふ〜〜ん…惚けるか…ま、ええわ、見守る事はしても引っ掻き回すのはウチの趣味やない。そんな初々しい珊瑚くんにアドバイスや 」 珊瑚「何でしょうか……」 ゆうひ「はやる気持ちを抑えるんも大切やで？ 『押してダメなら引いてみな』…って言うやろ？他にも『急がば回れ』とも言うな。 必要以上に結果を求めたらオカシな事になるで？ ななかちゃんの事が大切やったら尚更。 大切な物ほど壊れ易い…って言うのは世の常や… ななかちゃんの方も満更では無いけど、押しの一辺倒ってのはアカン 強引な所を求めつつも、優しさも求める、女ってのはそんなもんや、 そのバランスを巧い事とれたらさっき言うてた”きゅ〜〜きょくむてきな二人”ってのも夢や無いで？」(*＾▽＾) これは今日の二人のデートの一部始終を見ていた者でしかできない発言である。 果敢にアタックする珊瑚に、それをいなすななか。 茜屋がビデオカメラに納めていたように、ゆうひはデジカメに納めていたらしい。 珊瑚「……はい、解りました…有難う御座います……(///)」 行為は同じなのに、ゆうひに言われると、盗撮の追求ができなくなる珊瑚。 茜屋に対するのとはえらい違いだ。 ななか「あの〜〜二人で何を話してるんですか？」 珊瑚「え〜〜っと…何って言われても…」 ゆうひ「さて何やろな〜〜♪」(*＾▽＾) 珊瑚「その……応援してくれるって事で良いんでしょうか？」 ゆうひ「ん？そやな〜〜そんなとこやね〜〜♪」 ななか「な、何ですか？応援って？！」(///) ゆうひ「二人の仲以外に何か有るんか〜〜？」（￣ー￣） ななか「なっ？！何ですかそれわっ？！」(///) 茜屋「さすがはゆうひ先生。いいこと言うなぁ。ということで、そのデジカメ映像、私にもください」 潮騒「茜屋さん、ビデオ持ってるじゃないですか」 茜屋「あー、これ使うと１８禁になっちゃうし」 夕凪「なにに使うつもりなんや、いったい……」 まさに、ゆうひマジック。 室内は明るい雰囲気に包まれた。 ゆうひが軽く歌など歌い始める。それだけで、先ほどまでの諍いが嘘のようだった。 ♪風に乱れた〜髪を〜や〜さしく〜撫でる〜♪ ♪貴方の〜瞳見るのが〜怖い〜♪ ♪ひざの震えが〜どうか〜お〜さまる〜までは〜♪ ♪ぬくもりの中甘えさせていて〜♪ ♪夢じゃない〜ゆ〜めじゃないの〜 あ〜ぁ も〜う♪ ♪くちびるで〜変〜わるの〜 今まで〜のふ〜たりが〜♪ ♪はなさない〜 は〜なさないで〜 あ〜ぁ も〜う♪ ♪心ごと〜抱〜きしめ〜て〜い〜て〜……♪ ゆうひ「…な〜んてな（笑 覚えてる人居るんやろか？（爆」 珊瑚「( ﾟдﾟ)/ ゆうひ先生！ 聞いたことがある様で、無い感じもするので答え合わせをおねがいします！」 ゆうひ「コレはやね…『ママレ〜ド・ボ〜イ』の挿入歌の『ＭＯＭＥＮＴ(Sings By Mariko Kohda)』やね♪」 茜屋「なんという素晴らしい空間だ。これもビデオに撮っておこう」 珊瑚「って！そこっ！！だからそのビデオは何なんですかっ！！ 大体ななかの肖像権は俺に有るんですから勝手な事は…」 ななか「一番勝手な事を言ってるのは珊瑚さんでしょうっ！！」（#｀□´）=●)`νﾟ)･∵; 潮騒「茜屋さん、逃げるなら今のうちじゃないですか」 茜屋「逃げたいのはやまやまだが、またとないシャッターチャンスが」 夕凪「悪趣味やねー」 茜屋「お前の遺伝情報の元は、嬉々として写真を撮っているようだが？」 夕凪「ゆうひさんはええのんよ。なんたって、うちにとってはお姉さまみたいなもんやもん」 ゆうひ「お〜お〜なぎちゃんは可愛えなぁ♪」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ（ ⌒▽⌒)／⌒(･ω･ ) 珊瑚「む？何やら羨ましい絵が…よ〜〜し、こっちも…」 茜屋の手からビデオを取り上げるべく向かって行くななかの後ろに回りこみ、左手で腰の辺りを抱きとめる。 珊瑚「うむ、この腰の細さがまたなんとも…」(//▽//) ななか「えっ？！珊瑚さん何やってんですかっ？！」 珊瑚「や、ちょっとコレをしたくて…ﾅﾃﾞﾅﾃﾞﾅﾃﾞﾅﾃﾞ…」 空いた右手をななかの頭に沿え、髪を梳かすように優しく撫でる… ななか「なっ、何を…って分かってます頭を撫でてるのは…何でこのタイミングで…」(///) 珊瑚「うん、むこうに対抗してみた」 ななか「しなくてイイですよそんな事〜〜」(///) 顔を赤く染め、俯きながらもなすがままにされるななか… ゆうひ「なんや、部屋の温度が上がっとるなぁ…お〜熱い熱い♪」(⌒ ⌒) トシヤ「ま、好き合ってるんならえーんでないか？」(−ｏ−)y―〜〜〜 珊瑚「…ﾅﾃﾞﾅﾃﾞﾅﾃﾞﾅﾃﾞ…ﾊｯ?!Σ(￣□￣； ≡ ；￣□￣) 私は何を？」 ななか｢さっきから人の頭を撫でてましたけど…憶えてないんですか？」(///) 珊瑚「いや、そんな事は…これは…うん、ななかが悪い」 ななか「なんでですかっ？！」 珊瑚「簡単に後ろを取られるなんて何事ですかっ？！ そして何よりナデナデしたくなるほどカワイイのがイケナイ」 ななか「そんな事言ったって誤魔化されませんよ」 ﾍﾟﾁ(//_//)つ）*＾▽＾).｡oO 珊瑚(痛くな〜〜い♪) 茜屋「見ろ、これを撮らずにいられようか、いやいられない」 夕凪「反語まで使うて表現せんでも……」 珊瑚「え〜〜っと何をしようとしてたんだっけ、ななか？（＾＾；」 ななか「あっ、そうですよ茜屋さんっ！！ って、今のもビデオに撮ってたんですかっ？！」Σ(￣□￣；) 珊瑚「だ〜〜〜っ！！忘れてた〜〜っ！！ こうなったら力ずくで…って人数的に勝ち目が無い（＾＾；」 ななか「たかが、２対３じゃないですか！」 茜屋「よーし、連携だ。潮騒、パース！」 ひょいと、ビデオを投げる茜屋。 潮騒「ほいっと、じゃあ、夕凪ちゃん、ぱす！」 夕凪「え〜〜、これ持ってんのいややなぁ。真緒ちゃん、パス！」 真緒「はい、ななかさん、パス！」 茜屋「え？」 潮騒「あ……」 真緒「うふふふ。悪いことは出来ないですねぇ」 茜屋「え？ え？ え？ お前、いつのまに現れた？」 いつのまにか部屋の密度があがっていると思ったら、人数が増えていた。 美緒美緒団の精鋭、真緒、奈緒までが部屋に入り込んでいる。無用心だぞ、珊瑚さん。 真緒「いつのまにって……いつでしょう？」 奈緒「ぐーぜん通りかかったんですよぅー♪」 茜屋「あ！ 奈緒まで！ 偶然なんてそんなわけあるか！ ここをどこだと思っている！！」 珊瑚「鍵……かけてあったはずなのに……」 奈緒「偶然ですよ、恐ろしいほどの偶然です。世界は狭いですねぇ……」 茜屋「お前ら、つけてやがったな」 珊瑚「いや、だから、つけていようがいまいが、鍵……」 真緒「盗撮していた人にいわれたくないです」 茜屋「う……」 珊瑚「………」 悔しがってももう遅い。 ビデオはななかの手に渡ってしまった。 ななか「取り合えず今以外の所の内容を確認しましょう…(-_-；)」 珊瑚「どれどれ……？……うっ？！(///) ななか「…………」(///) 珊瑚「真緒ちゃんありがとう…君は命の恩人（？）だ。この際、不法侵入の件は目を瞑ろう」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ(///)つ(*＾▽＾) ななか「……茜屋さん……ノゾキが犯罪だって…知ってます？」 真っ赤な顔のななか…それは怒りなのか恥じらいなのか… そして茜屋さんの運命はっ？！（ぉ 茜屋「真緒の裏切りものーッ！！」 ゆうひ「まあ…そんなん（ビデオ）なんかなくても仲ええのはさんざ見せてもろーたしなぁ…ビデオも今更って感じやもんな」ｗ トシヤ「まあ…そういう意味では確かに今更だよなぁ…」（苦笑 ゆうひ「頭なでられてたり、映画館で押し倒されてたり…やもんな？」（にやりんぐ） トシヤ「いっその事このまま一緒に住んじゃったらどや？」（爆 ななか「なななななな！何を言うんですかっ！」 ゆうひ「あはは…ななかちゃん真っ赤になって照れへんでも」（笑 トシヤ「初々しいねぇ」（笑 珊瑚(*＾▽＾).｡oO(一緒に住む…か、よいですな〜〜♪) ゆうひ「お？あれはまた何か考えてる顔やね〜〜♪」 ななか「ゆうひさんが余計な事言ったからじゃないですかっ！！ 大体そんな事これっぽっちも考えてませんよ？」 ゆうひ「ん？なんでや、らぶらぶな二人が一つ屋根の下ってのは流れから言うたら何もオカシナ事は無いと思うけど〜？」 ななか「ゆうひさん…ほんの少し冷静になって想像してみてください…帰ってきたらアレがいるんですよ？」 ゆうひ「……疲れるな……」(＾▽＾；) ななか「でしょう？」 珊瑚「二人して酷いや…」（つдＴ） 茜屋「ここはひとつ、シミュレーションしてみたらどうだろう」 夕凪「どないするんや？」 茜屋「キテ○ツ大百科の発明に、ままごとハウスみたいなのなかったっけ？」 潮騒「あったっけ？」 奈緒「知らない」 真緒「あったらどうだっていうんですか？」 茜屋「作る」 ゆうひ「いやぁ…そら確かに最初はアレかもしれんけど…」 トシヤ「そんなんはそのうち慣れるやろーよ…きっとな」ｗ ゆうひ「うんうん」 トシヤ「人の順応力ってのは結構早いよ？」 珊瑚「とは言えさっきまでは二人っきりだったんだぞななか？」 ななか「うっ…そう言えばそうでした…」 珊瑚「そんなに嫌だった？」 ななか「イヤと言うか何と言うか…私は映画につきあっただけで、二人っきりになりたかった訳では……」 茜屋「うむ、これこそ『愛』の育まれる過程だな」 真緒「悪趣味きわまれりですね」 ゆうひ「……ま、とりあえずなんだかんだ言ってても意識しあってるよーにしか見えんわなぁ…」ｗ 茜屋「ともあれ、ななかちゃんには、タヌキ耳をプレゼントしよう」 夕凪「話がぜんぜんつながっておらへんよーやけど」 茜屋「や、素晴らしいものを見せてくれたお礼だ」 真緒「すっごい迷惑ですね」 ゆうひ「じゃあ、うちからは次のコンサートのチケットのペア券を…」 トシヤ「俺は裏から行けるし…」（ぇ？ ななか「ムキーーーーーーーーーッッ！！ヽ(#｀□´)ノ 茜屋さんまで私の事タヌキ呼ばわりするんですかッ！！」 珊瑚「ま、待てななか、落ち着け…（＾＾； ほ、ほら、ゆうひさんのコンサートチケットもあるぞ！」 ななか「え？えええーーーーーーーーー？！良いんですか本当に？！」 珊瑚「良かったじゃないかななか♪」 ななか「じゃ、珊瑚さんとは別の人と行かせて貰いますね♪」 珊瑚「な〜な〜か〜〜〜〜（泣」 ななか「じょ〜〜だんですよ、冗談」（つдＴ）＼（＾＾；） ゆうひ「でもななかちゃんプレス側から入れんかったっけか？」 トシヤ「まだ例の局のバイト続けてるんだっけ？」 茜屋「タヌキ、とぉーーーーっても可愛いと思うんだが…」 真緒「それにしても、女の子にタヌキはないでしょう」 茜屋「うむ、反省」 真緒「あれ？ いやに素直ですね」 茜屋「まー、な」 珊瑚「ま、ななかの場合は随分と豆ダヌキって馬鹿にされて来ましたから…」（＾＾；） ななか「そ〜〜ですね大輔さんのアレにはカワイイって意味合いが全然無かったですからね〜〜」(-_-；) ゆうひ「どっちゃにせよ『タヌキ』はなしってことでな？」（苦笑 トシヤ「ななかちゃんも可愛いんだから…」（笑 茜屋「ななか、好きなんだけどなぁ」 夕凪「を？ 爆弾発言？」 茜屋「しかし、珊瑚さんも好きだからな。愛と友情の板ばさみというやつだ」 真緒「……イマイチ真剣みが感じられませんが…」 茜屋「愛っていう光に、友情っていう影があるから、とても美しい木漏れ日が出来るのさ」 真緒「……ちょっと……大丈夫ですか？」 奈緒「あーーー、熱あるよ、茜屋さん！ ３９度超えてる〜〜〜！」 ななか「ええっ？！茜屋さんってそんな人だったんですか？？」Σ(ﾟдﾟ；ノ)ノ 珊瑚「んな訳無いだろ」ﾂｯｺﾐ!!!!(；^_^)／★(；´▽｀) ななか「そ、そうですよね…いくら珊瑚さんがエロエロ大王って言ってもそこまでは…（＾＾；」 珊瑚「何だよその大王って」（＾＾； 珊瑚(*＾▽＾).｡oO（ま、相手が真くんなら喜んで相手をさせて貰うがね〜〜）（ﾏﾃw ななか｢……珊瑚さん……その顔……まさか相川先輩の事……｣(-_-；) 珊瑚「よせやい…真くんは良くてもさくらさんが許す訳ないだろう…ななかは知らんだろうが怒らせると……」(((( ；ﾟДﾟ)))ｶﾞｸｶﾞｸﾌﾞﾙﾌﾞﾙ ななか「怒らせた事有るんですね…」(´▽｀；) 珊瑚「生きてるのが不思議なくらいだ…二度とあんな事は御免だ」（つдＴ） ゆうひ「ちなみにななかちゃんはさくらちゃんのことは『綺堂さん』って呼んでるよな？」 トシヤ「そうだな…意外と忘れがちだけどなｗ」 珊瑚「そ〜〜言えばそうだな…同い年だろ？何か他人行儀な気がするんだが…？」 ななか「や〜〜最初の印象が中々抜けなくて…今でもつい…（＾＾；」 珊瑚「ま、俺も年上なのについさくら”さん”って呼んじゃう時が有るしな」（＾＾； ななか「そうさせる雰囲気を持ってますよね〜〜 別にソレを悪いと言うつもりも無いですけど…何て言うんでしょうか……固有結界？」 珊瑚「それは言いすぎだろう…（＾＾； ま、持って生まれたものってヤツだろうから今更どうにもならんだろう…」 ななか「急に呼び捨てってのも変だし…鷹城先輩とかはさくらちゃんって呼んでるんですけどね〜〜」 珊瑚「唯子たんは先輩以外大抵がチャン付けだろう…」 ななか「……その”たん”も如何かと思いますけど？（＾＾；」 珊瑚「そうは言うがアレはナニをどうしても”たん”だろう…」 ななか「言及は避けさせて頂きます（＾＾；」 ・ ・ ・ 唯子「はぁーーーーーーーーくしょんっっっっ！！！！！！」 真一郎「……唯子……くしゃみをするときはちゃんと手で押えろッッ！！！！！」 唯子「だって〜〜〜〜〜急だったんだもん…」 さくら「鷹城先輩…風邪ですか？」 唯子「あぁ…さくらさちゃんは優しいね〜〜〜〜 しんいちろ〜〜？ど〜〜して君にはこの優しさが無いのかな〜〜？ 普通、付き合ってたら少しは似てくるんだけどね〜〜」 真一郎「唯子に優しくしてど〜〜する…それに馬鹿は風邪引かないって言うしな」（￣ー￣） 唯子「ひっど〜〜〜〜〜いっっ！！！教師の唯子に対してソレは暴言だよ？！」 小鳥「そーだよ真くん言いすぎ！」 唯子「あぁ〜〜〜〜小鳥も優しいよ〜〜〜〜〜」 小鳥「唯子は馬鹿じゃなくて元気が取柄なんだよ？」 さくら「……あの〜〜野々村先輩…… フォローがフォローで無くなってる気がするのは私の気のせいでしょうか？」（＾＾； 小鳥「え？私何か変なこと言った？さくらちゃん？」 真一郎「なあ、小鳥…”元気が取柄”ってのは平たく言えば馬鹿って事じゃないのか…？」(-_-；) さくら「……私もそんな気がします……」（＾＾； 小鳥「え？え？え？え？そ…そうかな？違うよね唯子？（＾＾；」 唯子「シクシクシクシクシクシクシクシク（つ-Ｔ）」 Σ（￣□￣；） 真一郎「泣〜〜かした泣〜かした、こ〜〜とり〜が泣〜〜かした」 さくら「せんぱいっ！！」 真一郎のほっぺをつねるさくら(；-_-)つ)Ｔ∀Ｔ）＜い、痛いよさくら… ・ ・ ・ 茜屋「ワタシ、変か？」 真緒「なにやら妙な誤解を受けているようですが……」 奈緒「ありていにいえば、茜屋さん、ホモ疑惑？」 茜屋「ぶッ！！」 夕凪「いやや〜〜〜、茜屋さん、そっち系やったん？ 近づかんといて〜〜」 茜屋「待て！ 俺がホモなわけないだろう。ロリが好きだけど、巨乳も好きで、ちぃちゃい娘や妹や、ロボ子も、狐も、幽霊だってなんでも アリのオールラウンドプレーヤーだぞ？」 真緒「でも、基本的に最初嫌われたり冷たくされたりするのが好きなんですよね」 茜屋「そーなんだよ。徐々になついていくよーな感覚がまた……」 真緒「やっぱ、変態」 奈緒「いいわけ聞かないね〜」 ゆうひ「茜屋っち…要するにあんたがにゃんこ系が好きってのはわかったわ…」（苦笑 茜屋「にゃんこ系か……なるほど」 美緒「なに納得してるのだ」 茜屋「を、本家ひさしぶり」 もう、いつのまに誰が現れても驚かない。ドイツ軍人はうろたえない。（謎） 美緒「偽者ばかり出てるから腹にすえかねたというやつなのだ」 真緒「ひどい……偽者だなんて」 茜屋「お前たち、初期は偽美緒とか名乗ってなかったか？」 珊瑚「にゃんこ系か…良いな…」（＾＾* ななか「あ、美緒ちゃんいらっしゃ〜〜い♪」 珊瑚「ん？え〜〜っと…これだけ同じ顔があると、たとえ本家本元であっても有り難味に欠ける…ってのは言っちゃダメだよな？」（＾＾； ななか「言っちゃってますけど」（＾＾； 美緒「スゴク失礼なヤツがいるのだ」(-_-#) ゆうひ「美緒ちゃん引っ掻いてもええで？うちが許したる（ｗ」 ゆうひ「とはいってもすでに各個に意識が芽生えてるから見分けられる人は見分けられるみたいやけどな〜…愛さんとか」ｗ トシヤ「見分けられるのか…愛さん」（＾＾Aｱｾ 茜屋「一度、偽ななかちゃんとか作ってみるか？」 真緒「いいかげんにしてください」 珊瑚「美緒美緒団の見分けか……うぅ…大阪弁の夕凪ちゃんしか判らない…（つ-Ｔ） 後は…茜屋さんの傍に居る子が…真緒ちゃん…だっけ？ ほかにもいるんですか？」 茜屋「ざっと２０人ばかり」 珊瑚「にじゅ……」 ななか「ま、これから憶えていけば良いじゃないですか、今日会ったばかりで解る方が怖いですって（＾＾；」 珊瑚「つまり長い付き合いになると？」 ななか「さっきの台詞のせいで美緒ちゃんとは険悪なムードですが（＾＾；」 珊瑚「そんな時は、これ〜〜〜〜〜(*´▽｀)ノ□ ななか「何ですかその箱…こっ、これはッッ？！”海のルビー”イクラ？！」 珊瑚「ふふふ〜〜母親からの北海道土産だ（￣ー￣）。ほかほかご飯の上にたっぷりのせていくら丼〜〜これで機嫌を直してもらえないかな 美緒ちゃん？（＾＾；」 ななか「いくら美緒ちゃんがにゃんこ娘だからって、そんなに簡単にいきますかね〜〜（＾＾；」 珊瑚「む、無理か？」（＾＾； 美緒「まー、騙されてやらないこともないこともないのだ♪」 茜屋「美緒、涎が垂れているぞ」 美緒「そういうこともあるのだ」 ゆうひ「ま，そのうち判別できるようになるやろ」ｗ トシヤ「そうかぁ〜？」（爆 茜屋「えっと、それでなんのお話をしてたんだっけ？」 真緒「『愛』についてじゃないんですか」 潮騒「そうだよ、今回はその探求だったはずなのに……」 夕凪「いきなり盗撮なんかするから話がこじれるんや」 茜屋「うむ、茜屋失敗した。素直に反省する。愛は奥が深いな……私はまだ修行が足りないようだ」 奈緒「まだまだですね」 旅の目的は達しつつあった。 これだけの収穫があった旅は、いままでなかった。これからもそうはないだろう。 茜屋「さて、そうと分かれば探求の旅は終了だ。お茶でも飲んでまったりしよう」 美緒「じじむさいのだ」 真緒「お付き合いしましょう」 珊瑚「そ〜〜ですね、寒くなってくると美味しいですよね〜〜、お茶♪」 ななか「言ってる暇があったら用意してくださいよ」 珊瑚「にゃにおぅ？！私が煎れるのか？気の利かない…ってななかはウチは初めてだったな…スマン、用意してくる…」（￣▽￣；） ななか「お茶請けもよろしく〜〜」（＾＾* 珊瑚「煎餅しかない…苦情は受け付けないぞ？」 ななか「いやいや、お茶にはせんべいでしょう♪」 珊瑚「それならいいんだ…ささっ、皆様どうぞ…（￣ー￣）＿旦~~ あ、美緒ちゃんは猫舌でしょ？ 冷たい方が良かったかな？それとも冷めるまで待つ？」 ゆうひ「( ⌒Ｏ⌒)ヾぼりぼり…」「あ〜、これななかちゃんちのおせんべいやん」 トシヤ「ほんまやな…「井上屋」と包みに書いてある」 茜屋「おお、なんと香ばしく味わいぶかいおせんべいか！」 真緒「ホント、美味しいですねー」 ななか「え？！まさか珊瑚さんウチの親にッ？！」 珊瑚「ん？会ったぞ…客としてだが…」 ななか「え〜〜っと…それは…私との事は…」 珊瑚「知り合いだとも言ってない、本当に普通の客として行っただけだ」 ななか「何でまた…両親って言ったら外堀どころか本丸ですよ？」 珊瑚「本丸って…（＾＾； なんだ？イキナリ会いに言ってななかを嫁にくれとか言うのか？ そんなの間違いなくオカシな人だろうが…」（＾＾； ななか「そりゃそうですね（＾＾；」 珊瑚「どうせならななかからきちんと紹介して欲しいな、うん」 ななか「っっ？！……ま、何時になるかは分かりませんけど…」(///) 珊瑚「ま、俺も必要以上に急ぐのは止める… なにせきちんと届いてるしな……き・も・ち・♪」（＾＾* ななか「ーーーーーーーーーーっっ？！」(///) 珊瑚「平和でまったり…」 （＾＾*（(⊂(//_//) ななか「珊瑚さんのは平和ボケです！」 ゆうひ「はぁ…らぶらぶっとるねぇ…」( ^^) 旦~~ トシヤ「まあ…いいんじゃないか？」( ^^) Ｕ~~ 茜屋「美緒を嫁にするには、陣内パパに了解を貰わねばならんのだなぁ」 美緒「無理なのだ。茜屋なぞ会うことすら出来ないのだ」 茜屋「やれやれ……お前らの場合は？」 真緒「え？」 茜屋「美緒美緒団を嫁にするには誰に了解を取ればいいのか？」 夕凪「そんなん……やっぱ、美王さまかなぁ」 潮騒「美皇さまでは？」 茜屋「あの二人にか……。そういえば、Ｍｒ．Ａは美皇から認められたんだっけ」 奈緒「そんな話題もありましたね」 珊瑚「何かみょ〜〜に羨ましい台詞が聞こえたのは気のせいか？」（＾＾； ななか「は〜〜〜〜……身近にそんな人が居たんですね〜〜」 珊瑚「嫁か……真くんはやっぱりさくらちゃんなのかな？」 ななか「さ〜〜、千堂先輩も狙ってる感じがしますけどね〜〜」 珊瑚「瞳ちゃんか……アノ人カワイイの好きそうだもんな〜〜」（＾＾； ゆうひ「うちは…やっぱ故郷（くに）のお父ちゃんやねぇ…」 トシヤ「何の話や？」 ゆうひ「うぅ〜ん、いけずやなぁ…」 茜屋「そういえば、美王の姿が見えないな」 夕凪「Ｍｒ．Ａもしばらく見ないやね」 珊瑚(´-｀；).｡oO（……駆け落ち？） ななか「人の恋路に係わり過ぎると怪我しますよ？（＾＾；」 珊瑚「馬に蹴られるのは嫌だな…って、ここに蹴られずに居る人たちが…」（＾＾； ななか「応援に変わったったので無事…って事でしょうか？」 珊瑚「まあ、それならそれで心強い…のか？」（＾＾； ななか「さ〜〜、どうなんでしょう？（＾＾；」 甘い話題に華が咲く。 独り暮らしの男のアパートに男女数人が寄り集まって恋愛談義。さながら風景は修学旅行。 ゆうひ「おぉ？枕の下にゴム製品が…」（えﾞ トシヤ「家捜しすんなっ！」 珊瑚「見つけてしまいましたか……では、試しましょうか？」 ななか「な〜〜に〜〜を〜〜で〜〜す〜〜か〜〜？」（＾＾# 珊瑚「本当に安全かどうか……嘘ですゴメンナサイ」ｍ（_ _）ｍ 茜屋「ここはひとつ、水を入れて膨らませてみよう」 珊瑚「寒いから水使うのいや〜〜…」 ななか「そんな事言ってたらクリスマスケーキを売るアルバイトなんか出来ませんよ？ あ、寒いのとか苦手なら、着ぐるみって手もありますね♪」 珊瑚「臭いのはもっと嫌〜〜」（つ-Ｔ） ゆうひ「おお？うちのカバンにうちが以前使ったサンタ服が…」(マテ 茜屋「ケーキ売りのアルバイトなら昔やったな」 真緒「へぇ」 茜屋「なかなか空しいものがあるんだ♪」 潮騒「嬉々として言われても……」 珊瑚「サンタ服……やっぱり既に自前の物になっていたか…(-_-；)」 ななか「他にも色々と持ってそうですね〜〜（＾＾；」 珊瑚「ま、ナース服なんて当たり前すぎて聞くまでも無いだろう…(-_-；)」 ななか「ゆうひさんってセーラー服が似合いそうです♪（＾＾* …って、学生の頃はどんなの着てたんでしたっけ？（＾＾；」 珊瑚「俺も聞いた覚えがあった気がするんだが……忘れた……(-_-；)」 ななか「あーーーっ！！あーーーっ！！あーーーっ！！ そうだ、サンタ服って言えばニャン子たちにも何かさせたんですよね？」 珊瑚「なんだっけ？トナカイのまねをさせたんだっけ？」 ななか「私も見てみたかったな〜〜〜〜（＾＾；」 ……ニャン子達？？……（美緒美緒団の面々に目を向ける） 珊瑚(´-｀*).｡oO（キャラも微妙に違うし…戦隊モノとか出来そうだな…？） トシヤ「あ〜…たしかお前のところは…」 ゆうひ「うち？うちんトコはセーラーやったねー」（笑 茜屋「制服談義に華が咲いてるなぁ」 真緒「なんか、嫌な笑顔ですね、茜屋さん」 茜屋「制服こそ我が究極の夢」 奈緒「そういえば、茜屋さん、運動会にこだわってたよねー」 潮騒「ぶるま信者なの？」 茜屋「そんなことはない！ スクミズだって好きだぞ！！」 夕凪「威張っていうなや」 珊瑚（セーラーなゆうひさん(´-｀*).｡oO む…激しく見たいかも…） ななか「……珊瑚さん……考えてる事顔に出すぎ……(-_-；)」 珊瑚「Σ（・∀・；）あっ…いや…その…」 (´-｀；).｡oO（愛さん所に落とした【Break Cat's】の事はななかにばれちまうし…） ななか「こそこそしてるからバレるんですよ(-_-；)」 珊瑚「はっきり言ったら言ったで殴るじゃないか（＾＾；」 ななか「…………はぁ…………」(；-Д-)-3 珊瑚「うわっ！めっちゃ呆れられてる…（＾＾；」 トシヤ「ななかちゃ〜ん…『あ、あの娘いいなぁ』ってくらいは許してやってや」ｗｗ ゆうひ「なんでや」（怒 トシヤ「怒るなって…（苦笑 最終的に一人に向いてればいいんじゃないかな？」 ゆうひ「なんか納得いかん…」 トシヤ「俺にとってはゆうひは一番だからな？」（微笑 珊瑚「まあ、なんだ…違いを知ってこそ良さが分かるというヤツだ（＾＾；」 ななか「珊瑚さんの場合…ものすご〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜く、奥の方まで比べないと気が済まないんですよね〜〜〜〜〜〜〜〜 〜」（＾＾#） 珊瑚「ななかさん…目が怖いです（つ-Ｔ）」 トシヤ「男女の関係はな…お互いが『好きでいてもらえる』努力もせんとな…」 ゆうひ「そーやねー…うちも頑張らんとなー」 トシヤ「いや…お前は今のままで充分だ…」 ゆうひ「え、なんでや？」 トシヤ「充分頑張ってるじゃないか…」 茜屋「さすが、トシヤさんいいこというなぁ」 真緒「重みがありますね」 珊瑚（『好きでいてもらえる』努力か……） はうっ？！Σ（￣▽￣；） ななか「じ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」（・-・*） 珊瑚「ナ、ナンダななか…その視線は？（＾＾；」 ななか「じ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」（・-・*） 珊瑚「うぅ〜〜〜〜〜〜」（つдＴ） ななか「ま、頑張ってください（＾＾；」 珊瑚「わかりました〜〜〜〜……（つдＴ）」 トシヤ「あと、庇ったりしすぎるのもほどほどに…一緒に歩いていくなら隣でお互いが支えあわんとな」 ゆうひ「ふむふむ」( 茜屋「ワタシは自分を好きでいられるよう努力してるぞ」 真緒「できればしてほしくない努力ですね」 『自分を好きになれない人に他人を好きになることは出来ない』 珊瑚「良く聞く台詞だがななかはどう思う？ 俺は自らを好きになれなくても、好かれる事で少しずつそんな自分でも好きになっていく… そんな風に変わっていく事だってあると思うんだ… 何を好きになるにせよ、切っ掛けはさまざまだと思うんだが…」 ななか「”嫌い”が”好き”に変わるのって結構簡単だって聞きますけど… それは本当に些細な切っ掛けでそうなりそうですけど…」 ななか「好きになるってのは結構力が要るって言いますね… そのせいとはちょっと違うとは思いますけど、『惚れるより惚れられろ』なんて言葉も聞きますね（＾＾*」 珊瑚(´-｀；).｡oO（その言葉には同意かな…俺、思い切り惚れちゃってるし…） ゆうひ「つまりやな…好きな人を好きでいると同時に『好きな人に好かれる』努力をせぇと…そーゆーことやね」 トシヤ「そうだな」 珊瑚「……あのさ、ななか……」 ななか「？何ですか改まって…」 珊瑚「俺はななかの事好きだけど…その…」 ななか「わたしは…ですか？……さ〜〜、どうなんでしょうね〜〜♪（＾＾*」 珊瑚「Σ(ﾟДﾟ)＜ゑ？！それって…」 ななか「くすくす…どういう意味でしょうね〜〜♪（＾＾*」 茜屋「これはアレだな。珊瑚くんとななかちゃんには刺激的な危機的状況をプレゼントしてみたいと思うがどうだろう」 真緒「余計なお世話だと思います」 茜屋「そうだろう！？ うん、やはり人は危機的状況に遭遇してこそ真の人間性が現れるのだ！！」 真緒「………」 茜屋「そうだな……平行宇宙に飛ばしてみるか……。幸い、すぐ隣の次元に謎の宇宙人に侵略を受けている世界がある。ここの、前線基地に でも……」 真緒「夕凪さん、金属バット」 夕凪「はいな♪」 ぼこぉおッッ！！ 茜屋「………」 真緒「ちょ…ちょっと強く殴りすぎたかな」 潮騒「茜屋さん、動かないですねー…」 ゆうひ「い、いや、大丈夫やろ…二人とも茜屋っちがこれっくらいでくたばると思うか？」（ぇ トシヤ「そういうのもなんだかなぁ…」（苦笑 珊瑚「いくら茜屋さんと言えど動かないってのは…」（＾＾； ななか「取り合えず横にして、患部冷やしましょう」（；＾＾）つ□←ア○スノン 奈緒「……あ、あれ……え〜と、これは、かなり危険な状態なのでは……」 皆がいっせいに青ざめた。 さきほどまでの甘露な空気が一気に吹き飛ぶ。 真緒「う、うそ。だって、いつもは……」 加害者である真緒は、焦燥を隠せない。 それもそのはず。茜屋といえば不死身の代名詞。いままで、崖から落ちようが、車に轢かれようが無事だった男なのだ。一説には人魚の肉 を食ったとも言われている。それが、金属バットの一撃くらいでくたばる道理がない。 だが、足元でぐったりしている男は、ぴくりとも動かない。 これは新たなギャグか？ それとも、シリアスへの方向転換か？ 判断がつかぬまま、時間だけは非常にも刻々と過ぎていく。 アイスノンや濡れタオルを用意する者、電話帳で緊急病院を探す者、空き部屋に布団を敷く者、茫然自失して息をするのも儘ならない者。 そして、物語は意外な方向へと移っていく――― 〜第二部「少女はたぶん魔法を使う」〜 茜屋（……あ、あれ？） 茜屋（なんか……宙に浮いてないか、俺？） 神無（茜屋さん、茜屋さん） 茜屋（へ？ あ、美緒……じゃない、えっと） 神無（神無です） 茜屋（ああ、俺はいったい……） 神無（茜屋さん、幽体離脱しています） 茜屋（へ？） 神無（私は霊感というか、そういうのが強いので分かりますが……他の方には見えていないはずです） 潮騒「神無ちゃん、どこ向いて喋ってんのー？」 茜屋が昏倒してから、ほんの数分。 真緒から連絡を受けた美緒美緒団の一行は瞬間移動装置『ヒカリちゃん』であっというまに集まった。便利♪ ひとみ「それで、様態は？」 潮騒「とりあえず出血は止まったです」 美月「患部を冷やしてるのね。脳震盪の危険もあるからあまり動かさないで……」 美緒美緒団のなかでも、比較的精神年齢の高いひとみや美月がてきぱきと処置をしていく。 翼「救急車……呼んだほうがいいんじゃ……」 月詠「でも、茜屋、ほとんど人外だよー？ 医者に見せたらまずいんじゃ」 離音「うむ、解剖されてしまうかもしれんな」 物騒なことを言う奴もいる。 ゆうひ「お〜い、そろそろ寝たふりやめて起きなあかんで〜」ｗ トシヤ「いくらなんでも、なんか様子がへんやないか？」 珊瑚「む、トシヤさんでも様子が変だと思うということは…ヤバイ？（＾＾；」 ななか「え〜〜っと……呼吸……してません……脈……ありません」 珊瑚「と、言う事は……？（＾＾；」 いままで触れないでいた事実が突きつけられ、全員が息を呑んだ。 全員『死んでるーーーーーーーーーーーーーー？？？？？！！！！！』 珊瑚「姉さん事件ですッ！て言うか、全員動くなッ！！この中に犯人が居るッ！！」 ななか「や、真緒ちゃんだし…（＾＾；」 真緒「私ですかッ？！」 全員『他に誰が居る（＾＾；』 真緒「夕凪ちゃんが殺人幇助です」 夕凪「何言うとんのやーーーーーーー？！」Σ（ﾟДﾟ；） トシヤ「俺でもってのはなんか気になるが…」ｗ ゆうひ「どーゆー意味なんやろーか？」 トシヤ「まあそれはあとで珊瑚くんを小一時間問い詰めるとして…」 ゆうひ「今は茜屋っちやね」 そんな様子を空中から眺める茜屋霊。 茜屋（困ったな、どうすれば戻れるんだろう） 神無（こういう場合、現世との絆を強めるとか言いますが） 茜屋（を！ なんかそれっぽい♪） 神無（そういう態度はいけないと思います） 真緒「……なんか、微妙に死んでいないと私の感覚が訴えているんですが」 夕凪「でも、死んでるやん」 潮騒「誰も悲しまないというのも、ナンですねー」 奈緒「普段の行いがあるもんねー」 夕凪「つまりは誰一人、茜屋さんが死んだとは思ってないわけやね」 珊瑚「え？だってトシヤさん俺より茜屋さんとの付き合いは長いでしょ？ だからより理解が出来てる人の言葉から今現在の茜屋さんがどういった状態にあるのかをですね…」 ななか「金属バットで殴られたら状態もクソも無いと思うんですけど（＾＾；」 珊瑚「いや、俺には他にもやっちさんという知り合いが…」 ななか「アノ人を引き合いに出したら誰もが正常です（＾＾；」 珊瑚「…ま、今は茜屋さんだ…（＾＾；」 ななか「おもい切り話を逸らしましたね（＾＾；」 珊瑚「心停止の状態ならやはり…」 ななか「どうするんですか？」 珊瑚「この、コタツ用の電源コードをばらして…」 ななか「ちょ…何を…」 珊瑚「100Ｖ電気ショックによる心臓マッサージだろう（￣ー￣）つ━☆ﾊﾞﾁ」 ななか｢あ、危ないですよ！！｣ 珊瑚「心配するな、ゴム手袋は絶縁体だ」 ななか「珊瑚さんの心配なんて誰もしてませんよ！！」 珊瑚「ふふふふふふふ……やってみたかったんだ〜〜」 ななか「止めろッつってんだろ！！」(#｀□´)＝●)`νﾟ)･∵; ななか「はい！そこ！コンセント抜いて！！ まったく…バカだバカだとは思ってましたが、ココまでバカとは…」 ……〓■●＿ 珊瑚「…はっ？！Σ(￣□￣； ≡ ；￣□￣)…私は何を？」 ななか「覚えて無いんですか？」 珊瑚「ふむ、あれは何とかして助けようとしたけれどパニックになってて訳が解ってないまました行動やった…ってことかな？」 ななか「ま、憶えてないならそれでも構いませんけど…」 珊瑚「ん？誰だ電源コードをこんな風にしたのは？！ コタツが無くて日本の冬が越せますか？！」 ななか「あ〜〜もう、少し黙っててください」(#｀□´)＝●）Д´) ……〓■●＿ みな、軽いパニック状態に陥っているようだ。 ゆうひ「…ここにこうして美緒ちゃんのぶるまぁ置いてみるとか…」(マテ ＝□○＿▼←【美緒ちゃんのぶるまぁ】 トシヤ「あのなぁ…大体ソレどこから持って来てん…」（＾＾Aｱｾｱｾ 茜屋（ゆうひさんは私をなんだと思っているのか） 神無（『変態』では？） 茜屋（……） 真緒「……本当に死んでるの？」 神無「え〜と、とりあえず、死んでます」 奈緒「うそ」 真緒「……許しません。生き返らせて下さい。神無、専門家でしょう？」 神無「自分で殺したくせに……」 真緒「償いはします。だから、とにかく生き返らせて！！」 夕凪「……真緒ちゃん」 茜屋（なんか、戻りにくくなってきた） 珊瑚「……何やら話は纏りつつある様だぞだぞ、ななか？」 ななか「ここは大人しくしておいた方が良いかも知れませんね…」 珊瑚「神無ちゃんは専門家のようだしな…」 ななか「でも、その神無ちゃんが『とりあえず』って言ったのが気になるんですが…」 珊瑚「つまりは”完全”には死んではいない…って事じゃないのか？」 ななか「ま、私たちがこうして話した所でたいした意味はありませんから…」 珊瑚「うん、大人しくしていよう（＾＾；」 ゆうひ「じゃあうちは…よいしょっと（ゴソゴソ…）」（ ￣▽￣)ノ□|―――| | トシヤ「おい…何してる」ｗｗ（＾＾Aｱｾｱｾ ゆうひ「いやこの本棚の後ろにある珊瑚くんが撮った『井上ななか盗撮写真集』ｗ(ただのアルバムやけども)を…」 珊瑚「ゆうひさ〜〜ん…『ほっぺたうにゅ〜〜の刑』と『ほっぺたむに〜〜の刑』…どっちがお好みですか〜〜〜〜（#￣ー￣）」 ななか「その刑を受けるのは珊瑚さんですよ〜〜」（#^^)つ）；´д｀） 珊瑚「いひゃい、いひゃい…」 ななか「何ですか？！盗撮写真集って！！ヽ（#｀□´）ノ」 珊瑚「違う、違う！これは唯子たんにメシを奢ったり色々して譲ってもらったモノとかで、決して盗撮などでは…（＾＾；）」 ななか「鷹城先輩何やってるんですか〜〜（Ｔ-Ｔ；）」 茜屋（あれ？） 神無（どうしました？） 茜屋（俺の死体……起き上がってるぞ） 神無（起き上がってますね） 茜屋（俺はここにいるのに、なんでだ？） 神無（さあ……？？？） さきほどまで、布団で死んでいた茜屋がゆらりと起き上がっている。 目は死んだ魚のようだが……この異常に、誰一人として反応できていない。 茜屋「……」 潮騒「あ、茜屋さん生き返りました〜♪」 いち早く反応したのは潮騒だった。 奈緒「ほんとだー☆」 茜屋「………（きょろきょろ）」 夕凪「でも、なんか様子が変やね」 珊瑚「を？…茜屋さんが生き返ったぞ？」 ななか「え？あ、本当だ……でも……」 珊瑚「神無ちゃん…何かしたっけ？（＾＾；」 ゆうひ「ふむ…盗撮は言いすぎやったか…スマンな」ｗ トシヤ「人ん家、物色するお前が悪い」 ゆうひ「だって〜」 茜屋「ななかちゃんの盗撮写真集……（はぁはぁ）」 真緒「あ！ 茜屋さん！ いけませんッ、そんな……」 夕凪「写真集にかぶりついとる…」 茜屋（……なんだ、あいつは） 神無（なんか動物みたいですねー） 茜屋（俺のピュアなイメージが台無しではないか） 神無（……） 茜屋（困った。いったいどこのどいつが入っているんだ？） 神無（……もう、この話も長いですから、このまま諦めて成仏してしまったら如何ですか？ 代わりもいるみたいですし） 茜屋（お前、可愛い顔して、めちゃくちゃ酷いこと言うなぁ） 珊瑚「……真の敵はここに居ましたか……(-_-#)」 殺気。 ゆらりと、珊瑚の周囲に禍々しいオーラが纏わりつく。 珊瑚「問答無用で鉄拳制裁ッッ！！！！！！！！」 ＿ _ - ― ＝￣ ￣`:,,・','(;:)ﾟ∀ﾟ);:+,，* ,( ,,`д)￣ ――＝' ……〓■●＿〜□○0 ななか「…あの〜〜…また色々と止まっちゃってるんですけど…（＾＾；」 珊瑚「ん？！なら日干しにして水分飛ばせばすぐには腐らんだろう(-_-#)」 ∧||∧ （ ⌒ ヽ ぷら〜〜ん… ∪ ﾉ ∪∪ ななか「あの、ですからほったらかしはヤバイですって（＾＾；」 珊瑚「心配はいらんだろ…さっきだって心臓止まってたんだ。にゃんこ達と付き合って、魂が九つ位に増えてるんじゃないのか？(-_-#)」 ななか「そんな無茶苦茶な(＾＾；).｡oO（後でこっそり下ろしておこう…）」 ななか「えと、あの…神無ちゃんは専門家なんだよね？如何すればいいのかな？ 早く正しい処置をしないと戻ってこれなくなっちゃいそうなんだけど…（＾＾；」 ゆうひ「っていうか…茜屋くんとちゃうみたいな…」ｗ トシヤ「う〜ん…確かに」 茜屋（なんか、俺の身体が吊るされてるんだけど……） 神無（みっともないですね） 茜屋（頼む、神無、助けてやってくれ。あまりにあわれだ） 神無（そんなこと言われても） 茜屋（なんとかなるだろう？ 稀代の陰陽師、天才的呪術師、未来から来たワイズマンといわれた神無様なら） 神無（そんなことは言われてません） 珊瑚「ん？確かにそうだな、茜屋さんなら美緒ちゃんにﾊｧﾊｧ(;´Д｀)する筈…」 ななか「でも、あの身体は茜屋さんに間違いありませんよ？」 珊瑚「さっきは死んでいた…それを魂が抜けていた状態だったとして、空の入れ物になっていた茜屋さんの身体に何か別の物が入った…と言 う仮説を立ててみたがどうだろう？」 ななか「となると今の茜屋さんの息の根を止めないと元の茜屋さんが戻って来れない…って事になっちゃう気がするんですけど…」 珊瑚「たとえ方法の為の手段だとしても俺の手で殺すのは嫌だな…（＾＾；」 ななか「ほかに誰がするんですか？」 珊瑚「真緒ちゃんにもう一回金属バットで…」 ななか「誰に何をさせようとしてるんですか…却下です（＾＾；」 ゆうひ「只トドメ刺すんなら瞳ちゃんとか真雪さんとかなー♪」(マテ トシヤ「をい…」(^^; ゆうひ「特に真雪さんは〆切間際で気ぃ立ってるからきっと完膚なきまでに…」(ダカラマテ トシヤ「なにをサラリと怖いこと言ってる」ｗｗ 珊瑚「や、それだと体の方がどうにかなって、結局茜屋さんが戻って来れないような…（＾＾；」 ななか「本末転倒？（＾＾；」 珊瑚「この場合は薫ちゃんだと思うけど…って、こないだ神無ちゃんが専門家だって話をしてた筈なんだけど？」 ななか「あ、そうでした…で、その神無ちゃんは…」 珊瑚「ありもしない方向向いてるし…あの雰囲気は本物のにゃんこだな（＾＾；」 ななか「何か見えてたりするんでしょうか？」 珊瑚「あの方向に？……まさか……(-_-；)」 ななか「……まさか……ねえ？(-_-；)」」 茜屋（あれ？ なんかみんなこっち見てるぞ？） 神無（気づいたんでしょうか？） 茜屋（俺の姿は見えないんだよな） 神無（声も聞こえないはずですけど） 茜屋（どれどれ……） 神無（あ、不用意に生きている人に近づいては駄目です） 茜屋（え？ なんで） 神無（浮遊霊はその性質上、生きている人に取り憑き易くなっています） 茜屋（お前、大丈夫じゃん） 神無（私は専門家ですから） 真緒「茜屋さん……じゃない？」 奈緒「わかるの！？」 真緒「なんとなく…だけど…」 夕凪「さすが！ 伊達に一番長く漫才やってないね！」 真緒「な！」 潮騒「相方がいるって素晴らしいですね〜」 真緒「な、なんで、私が……だいたい相方なら巨大獣さんがいるじゃないですか！」 美月「ああ、彼なら旅に出ている」 離音「なるほど、茜屋を救えるのは真緒だけ、ということだな」 奈緒「殺したのも真緒ちゃんでしたけどね」 珊瑚「相方がいるって素晴らしい、まったくだな、ななか♪（＾＾*」 ななか「何でそんなネタをこっちに振るんですか（＾＾；」 珊瑚「ん〜〜？そんなの決まってるじゃないか（＾＾*」 ななか「…あぁ、そういう事ですか…では…ﾂｯｺﾐ!!」(*＾＾)=●)Д｀)･∵. ……〓■●＿ .｡oO（それは違うだろななか…）( ゆうひ「ふむふむ…珊瑚くんはななかちゃんの『人生の』相方と…」φ（。。）めもめも…ｗ 神無（……！） 微動だにせず、落ち着き払っている神無の瞳がふいに動いた。 神無（……大変です、茜屋さん） 茜屋（どした？） 神無（あんまり長いこと霊でいるんで、存在が希薄になってきているようです） 茜屋（幽遊白書でもそんな感じのネタがあったな） 神無（早く肉体に戻らないと……） 茜屋（でも、俺の死体は……あれ？） 神無（……どこ行ったんでしょう。吊るされていたはずですが） 茜屋（おいおいおい） 珊瑚「まったくななかときたら手加減も何もあったもんじゃない…やはりここはななかに茜屋さんのトドメを…あれ？おい、ななか…」 ななか「何ですか？……って…あれ？」 珊瑚「茜屋さん……居ないな…(-_-；)」 ななか「居ませんね…(-_-；)」 珊瑚「あんなﾊｧﾊｧな茜屋さんが街にでたら？！」 ななか「誰彼構わずﾊｧﾊｧする人として一躍有名に？！」 珊瑚「そしてその噂を聞きつけた真雪さんに成敗…って、丁度イイじゃん（＾＾*」 ななか「だから真雪さんじゃ肉体の損傷が激しくなるからダメだって行った所じゃないですか！」 珊瑚「何にしろ茜屋さん的には何一つプラスにならん、早く見つけ出すんだ！」 ななか「珊瑚さん、こんな時こそ」 珊瑚「ん？そうか…よ〜〜し…」 『美緒美緒団出動だ！！』（ﾏﾃｗ ゆうひ「お〜、じゃみんな頑張ってな〜」（ヒトゴトモードｗ）（マテ 潮騒「幸い『美緒美緒団』は全員ここにいるし……」 真緒「こういう時に役に立つのは……」 ひとみ「月詠ちゃんとか眷王ちゃんとかかな？」 月詠「はぁ〜い♪ 呼んだ？」 眷王「潮騒さん、二人をセットで考えるの止めてくれません？」 潮騒「だって、なんかいつも一緒にいるし♪」 眷王「好きでいるんじゃありません。このアーパーが暴走しないように見張っているんです」 月詠「あによぅ。眷王なんて嫌いだー」 眷王「好きになってくれなくて結構です」 真緒「……役に……立つの？」 夕凪「身体能力は美緒美緒団いちやもん。きっと茜屋さん、見つけてくれるで」 月詠「茜屋っち、見つけるんだね？ うん、わかった、やる」 眷王「まったく安易な……（ぶつぶつ）」 月詠「いっくよ、眷ちゃん♪」 眷王「眷ちゃん、呼ぶなーーッ！！」 珊瑚「何か早く見つかりそうだな（＾＾*」 ななか「何か他人事の様に聞こえるんですかど…(-_-；)」 珊瑚「だってあの面々よりも活躍できる自信が有るか？」 ななか「む…そう言われると…（＾＾； でも、丸っきりの他人事じゃ無いんですから少しは協力しないと…」 珊瑚「…んん〜〜…まぁ…そうだよな…で、どうする？中身が違うと茜屋さんの行動パターンは使えないぞ？」 ななか「あ、そうですね…なら、やっぱり人海戦術ですね…さ、行きましょう…ゆうひさんもね（＾＾#」 ゆうひ「しゃあないなぁ…協力しますか…」 トシヤ「こらこらｗ」 月詠「よぉ〜し、行くよー♪」 眷王「私は上から探します」 眷王は音も立てずに跳躍すると、配電柱の上に飛び乗った。 そのまま、信じられないバランスで電線の上を疾駆していく。 月詠「むむ、負けないよー」 負けじと月読も細い身体を撓らせ、屋根から屋根へ飛び移っていく。 ふたりとも、目的を覚えていてくれればいいのだが。 夕凪「相変わらずやね……」 奈緒「あんまり期待できないような」 真緒「私たちも行きましょう。手分けして探さないと！」 神無（どうしますか？ 茜屋さん） 茜屋（そうだなー。このまま見てるのも面白そうだが……） 神無（ほとんど他人事ですね） 茜屋（ん？ 他人だろ。俺はここにいるんだし） 神無（身体はあなたのでしょう？） 茜屋（まー、そうではあるんだが） 神無（ともかく、自分のことなんですからもっと真面目になってください。私たちも行きますよ？） 珊瑚「凄いな…」 ななか「ほらほら、ぼ〜〜っとしてる暇なんてありませんよ？」 珊瑚「ああ…だが外へ出たは良いがドコへ行けば良いのやら…」 ななか「ん〜〜…人の多い所、少ない所…どっちでしょう？」 珊瑚「そ〜〜だな〜〜…ﾊｧﾊｧキャラだから多い方じゃないか？」 ななか「では私達は駅の方へ行きましょう！」 ななかと共に駅の方角に走り出す……走りながら…… 珊瑚(-_-；).｡oO（しかしそうなると色々手遅れになってそうな気がするんだが…） そんな事を思う珊瑚であった… 月詠「茜屋、発見！」 眷王「危ないです！ 小学校校門前で、校庭の幼女たちを物色中と推定！」 月詠「犯罪発生確率８７％！ ただちに捕獲に入るッ！」 眷王「了解！」 真緒「なんだかんだ言って、仲良いようね、あの二人」 夕凪「茜屋さんも年貢の納め時やね」 真緒「中身は違う人です。いくらなんでも茜屋さんはあれほど節操ナシじゃありません」 夕凪「うん、そうやね」 真緒「……生あったかい眼差しで人の顔を見るの、止めてもらえません？」 ななか「珊瑚隊長！茜屋さんが見つかったとの事です（*ﾟдﾟ）ゝﾋﾞｼｯ!!!!」 珊瑚「うむ、了解したななか隊員…で、場所は！」 ななか「……小学校だそうです……」 珊瑚「堕ちる所まで堕ちたか茜屋ーーーーーーーーー？！Σ（￣□￣；）」 ななか「や、だから中身は違いますからね（＾＾；」 珊瑚「こら、最後まで合わせんか、俺が本気でそう思ってるみたいじゃないか（＾＾；」 ななか「…でも、美緒ちゃんって中学ｓ…」 珊瑚「言うな言うな（＾＾；」 ゆうひ「いや美緒ちゃんは『２』時期ではｓｙ[雑音]三やから…」 トシヤ「行った先は合ってるな」(滝汗 珊瑚「み、美緒ちゃんって、ｓｙ[雑音]三だったのか？！Σ（￣□￣；）」 ななか「知らなかったんですか？（＾＾；」 珊瑚「セーラー服だし、バックパック（ｗ）も背負っていなかったから、てっきり中だと思ってたぞ？（＾＾；」 ななか「ま、ちょったした勘違いってことで」 珊瑚「ん？だとするとＤＶＤのオマケのアレで…中？」 ななか「ま、その話はまた後で、今は茜屋さんですよ」 珊瑚「おっと、そうだった小学校へ急ぐぞ！…間に合えば良いけどな（＾＾；」 ななか「縁起でも無い事言わないで下さい（＾＾；」 月詠「茜屋、そこまでやーーーッ！！」 眷王「おとなしくお縄につきまさい！！」 瞳を赤く光らせ、やはり赤い爪をむき出しにする月詠。 右腕に装着した巨大な火器『オストワルト砲』を突き出し、こめかみから冷たい汗を流している眷王。 ともに尋常ならざる雰囲気だ。 茜屋「………ふっ…」 月詠「――余裕ね。なにが可笑しいの？」 茜屋「……そのようなもので私は滅ぼせぬ」 眷王「なっ！」 茜屋「ここに幼女がいる限り、私は無敵なのだ」 茜屋に寄生したもの、が初めて声を発した。 その声は、同じ声帯器官を経ているというのに、重く、暗い。 真緒「……中身は別人だと割り切ってはいても、なんか許せないものがあります……」 夕凪「真緒ちゃん、金属バット握り締めんのはよしたほうがええ。また、間違いを犯しかねんで？」 茜屋「病んだ想いを胸に秘め、愛こそ全てと人の言う。幼女変態『アカネヤー』ここに参上！」 ごめん、間違った。 重く暗くない。これは、馬鹿だ。 月詠「……」 眷王「……」 月詠「えーと、想像の外にあるね」 眷王「なんか、戦うのも、逃げるのも、黙って見てるのも嫌なんですけど」 真緒「……殺るしかない？」 夕凪「うわー、うわー、真緒ちゃん、落ち着いてやー」 茜屋（イカン、ものを考えられなくなってきた……） 神無（茜屋さん？） ななか「あ〜〜〜…あっ？！あぁ、茜屋さんです！」 珊瑚「すでに手遅れか…」 ななか「何でイキナリ諦めモードなんですか！」 珊瑚「ん？いや、随分話し込んだ気がするんだ…」 ななか「美緒ちゃんたちが私たちの事待ってるかもしれないんです、そんな台詞は却下です！行きますよ！」 珊瑚（う〜〜ん…体を動かし始めるとななかのやつ止まらないみたいだな（＾＾；） ゆうひ「ななかちゃん、体育会系やからねぇ…」(苦笑 珊瑚（＾＾*）.｡oO（そんなななかがＨなことを憶えたら…むふ♪） ななか「珊瑚さん…今何を考えてます？」 珊瑚「な、何だ藪から棒に？（＾＾；」 ななか「またオカシな事を考えてる顔をしてたような気がしたんで…」 珊瑚「そ〜〜か、そ〜〜か、ななかはそんなに俺の事が分かる様になったか♪（＾＾*」 ななか「なっ？！何を言ってるんですかッ！(///) そんな緩んだ顔してればろくでもないこと考えてるなんて、すぐに分かりますよ…ねえ、ゆうひさん？」 ゆうひ「え〜〜？ウチには分からんかったけど？（´▽｀*） そないな事が分かるやなんて流石はななかちゃんやね〜〜」 ななか「ななななな？！何を言ってるんですか？！」 ゆうひ「あぁ、急いで来たらもう着いても〜たで？」 珊瑚「あ、ほんとだ…」 少し遅れて場に到着した珊瑚たち。 彼らの耳に、いきなり茜屋の台詞が飛び込んだ。 》「病んだ想いを胸に秘め、愛こそ全てと人の言う。 》幼女変態『アカネヤー』ここに参上！」 ななか「…………」 …ぷちっ… からかわれ堪（たま）りに堪ったものが、『幼女変態アカネヤー』の台詞によって爆発… ななかの理性が吹き飛び、禁じられた技を発動させる（ぇ？ ななか「八極拳：猛虎ッ！！！！」 どぐわしゃぁあああああんん！！！ 珊瑚「ななかっ？！何時の間に八極拳を？！Σ（￣□￣；）」 ななか「いえ、あの…この間マンガを読んではまっちゃいまして色々と…で、思い切り吹き飛ばしてしまったんですけど…どうしましょう？ 」（´▽｀；） ゆうひ「パンピーに被害がなくて無問題（もーまんたい）でない？」 トシヤ「そんなことよりさっさと撤収した方がええんとちゃうんかい！」 しかし、そうは問屋が卸さなかった。 派手に吹っ飛ばされて、粉みじんのはずの茜屋’（ﾀﾞｯｼｭ）だが、高らかな笑い声と共にむくりと起き上がった。 茜屋’「幼女パワー充填！ 復活！！」 夕凪「イカン……小学校の前では奴は無敵や！」 真緒「ななかちゃんの攻撃が利かないなんて……」 ななか「……そんな……＿|￣|○||| 」 珊瑚「あぁっ？！ななかの心が折れてしまったΣ（￣□￣；） オマケにヤツと敵対する（？）のは美緒美緒団…それではヤツにパワーを注ぐ結果に？！」 潮騒「やっぱり、あっさりさっくり殺るしかない？」 珊瑚「誰がヤルのさ…（＾＾；」 ゆうひ「ウチかて無理やで…（＾＾；」 珊瑚「いや、ヤツは幼女が力の源…ゆうひたんの大人な色気には拒絶反応を起こすかも…」 ゆうひ「それはそれで傷つくんやけどな…（´▽｀；） 結局、どーなってんのや…あれは茜屋っちであって茜屋っちやない…くらいしかわからんで〜」 トシヤ「とりあえず…アレを止めんとな…」（ちゃきっ！）(/−_−)/ 珊瑚「を？！トシヤさんがヤル気だ…ここは任せてみよう……な、ななか？」 ななか「……＿|￣|○||| 」 珊瑚「まだ……まだ、ダメなのか…ななか…（＾＾；」 心が折れてしまったななかを後ろに下がらせ、いつのまにやら鋭利な刃物をもったトシヤが茜屋’に相対した。 いつもとオーラが違う。 ゆうひと乳繰り合っている様子しか見ていない者は、その豹変振りに息を呑んだ。 トシヤ「でぇぇぇりゃぁぁぁぁ！！」 (☆ｘ☆ )＿＿「斬！」＝＝＝／ヽ( ￣□￣)/＼（ぇ 茜屋（あーー……） 神無（茜屋さんの身体が１７つに） 茜屋（トシヤさん、手加減しないなぁ） 神無（真祖の姫君じゃあるまいし、さすがにアレじゃ生きていませんね……） ――ところが、だ。 茜屋’「ふしゅるるるるるるるる……」 真緒「そんな！？ １７つの肉片が１７人の二頭身ちびキャラに？」 夕凪「化け物、ここに極まれり、やな」 茜屋’１「ふっふっふ」 茜屋’２「ふっふっふ」 茜屋’３「ふっふっふ」 ・ ・ ・ 茜屋’１７「ふっふっふ」 珊瑚「ななか〜〜…離れておいた方がイイと思うぞ〜〜（￣▽￣；）」 ななか「…ええ、いま確実にしっかりと離れている所ですよ〜〜（￣▽￣；）」 トシヤ「う〜む…」 ゆうひ「１７個か……いっそのこと美緒美緒団員一人づつに持たせてみたら？」 トシヤ「は？」 ゆうひ「いやちび茜屋っちを美緒美緒団の誰かが一個づつ持つってことでな…」 茜屋（なぁ……俺、帰っていいか？） 神無（どこに帰るんですか、どこに。あなたの帰る体はあれです） 茜屋（悲しい事実だなぁ） 神無（茜屋さん……また薄くなってますよ。そろそろ限界です） 茜屋（むう、こうしてはおれん。神無、なんとか具現化できないか） 神無（誰かに取り付けばいいんですが……） 茜屋（この場にワタシが取り付いて無事でいられる人材は？） 神無（いませんね……） 茜屋（やむをえん。存在力を凝縮して、霊のまま実体化しよう） 神無（そんなことが出来るんですか！？） 茜屋（十六夜さんとかもやってただろう。ふんッ！！） ぽわわわ〜〜〜〜ん 茜屋（………） 神無（……茜屋さん） 茜屋（あ、あれ？ あれれれ？） 神無（精神集中が足りないのか、それとも存在力が足りないのか……） そこには、魔法少女のお供になるような、小さくて白くてむくむくの謎小動物が鎮座していた。 茜屋（これは、いったい……） 神無（……茜屋さん、可愛い。肩に乗ります？） 珊瑚「……しかし、よくよく考えると”肉片がちびキャラ”ってのはアレだろ…」 ななか「いくら茜屋さんでも…ねえ…？（＾＾；」 珊瑚「何か別の力が働いているとか…？」 ななか「…幼女パワー…ですか？（＾＾；」 珊瑚「そんなのを力にしてあんな事ができるんだとしたら…茜屋さんの中に入ったのってトンデモナイやつなんじゃ…（＾＾；」 ななか「そんな事言ったらソレに出て行ってもらって茜屋さんに戻ってもらうのって…無理？」 珊瑚「滅多な事を言うな（＾＾；」 ななか「ところで専門家さんはどうしました？」 珊瑚「神無ちゃんなら…ほら、あっちで……何だ…あれ…？」 ななか「…はぅ〜〜♪カワイイです〜〜♪ナデナデしたいです〜〜♪(//▽//)」 ……(-_-#)←ちょっぴりジェラシー（ｗ 茜屋（むむむ……全身に魔法力が満ちている……、頭に天の声が響いている……、これは、『魔法少女の従者として生きろ』ということか？ ） 神無（茜屋さん、可愛い……） 茜屋（神無） 神無（はい？） 茜屋（なりゆきだが仕方がない。お前を魔法少女に任命する） 神無（はい？？？？） 茜屋（それ！ メタモルフォーゼ！！） ぽわわ〜〜〜〜ん だぶっとした巫女風の着物に、蒼い行灯袴。左手に握った破魔矢はハートの形をあしらった可愛らしいフォルム。頭の両側には大きな呪符 がひらひらと棚引き、背中には小さな羽根が生えている。どこかの民族衣装に見えなくもないが、蒼と白を基調とした装いは和風魔法乙女と いうに相応しい。 神無（こ、これは……（ｱﾀﾌﾀ）） 茜屋（よぉおおおし！！ カッコいいぞうぅ。戦闘開始だ！） 珊瑚「うをぅっ？！物凄い事になってるぞななかっ！！Σ（￣□￣；）」 ななか「これはもう私達が関われるレベルじゃ有りませんね…（＾＾；」 珊瑚「しかし、そんな俺達にも出来る事がある！」 ななか「ありますか？」 珊瑚「応援だ！」 ななか「私としてはソレより名前を決めてあげた方が良いと思いますよ？」 珊瑚「ん？ああ、そうだな変身した時点で最早神無ちゃんではないのだからな…」 ななか「どんなのがイイでしょう？」 珊瑚「ミコミコナース？」 ななか「違うでしょ！」(；^_^)=●)Д｀)･∵.あん♪ ゆうひ「え〜と…なにがおこったんや？」 神無「な、何故にこんな格好に……」 茜屋「うろたえるな、神無！ すべては必然だ。神があの悪い茜屋を倒せと言っているんだよ」 神無「う〜〜〜〜、恥ずかしいですー」 茜屋「しかし、不思議だ……ワタシのこの身体、お前の手となり足となり、悪を倒せとささやいている」 神無「電波じゃないんですか？」 ななか「あぅ、名前を決めるって言っちゃいましたけど、よくよく考えたらそんなスキルありませんでした（＾＾；」 珊瑚「ななかなんて『豆ダヌキ』なんて呼ばれるし、瞳ちゃんは『瞬殺の女王』だし…さくらちゃんは…『保健室の主』だっけ？（＾＾；」 ななか「最後のは違うと思います（＾＾；」 珊瑚「えと…気を取り直して…カラーから連想してみようか？ 白と朱ならＬＥＤミ○ージュのカラーリングなんだよな〜〜」 ななか「『幻像騎士団』から貰いましょうか？…幻……夢幻…はヤバイですね（＾＾；」 珊瑚「 ○ﾞァリスか？確かに…幻に巫女をたして…難しいな…(-_-；)」 ななか「難しいですね〜〜(-_-；)」 微妙に現実逃避を始める二人なのであった… ゆうひ「とりあえず…歌うか？」（ぇ トシヤ「歌いだしてどーする」ｗ アカネヤ「アカネヤー、合体！」 真緒「ああ！ １７つに分解していたのがひとつに！」 夕凪「もー、どこをどうとっても人間やないなー」 奈緒「真緒ちゃん、何かが茜屋さんに取り憑いているのは確実だねー」 真緒「い、いったいどうしたら……」 潮騒「真緒ちゃん、ほら、あの台詞、あの台詞」 真緒「え？」 潮騒「『お兄ちゃんからでていけー』」 真緒「言いません！」 神無「えっと」 夕凪「あれ、神無ちゃん、なに、そのカッコ」 神無「え〜〜と……」 茜屋「皆のもの案ずるな！ 悪は栄えはしないのだ！」 奈緒「な、なに？」 夕凪「白むくがなんか喋っとる……」 茜屋「さぁ！ 神無、どうどうと名を名乗るのだ！」 神無「えと、まだ決まってないんですが……」 珊瑚「ををっ？！これはイカン！！名乗れない主役なんて主役じゃないぞ！！Σ（￣□￣；）」 ななか「あぁ…それなら問題ないと思いますよ〜〜（＾＾；」 珊瑚「むっ？！すでに思いついたのか！！」 ななか「いえ、こういった場合主人公の頭の中に浮かぶってのが定石ですから（＾＾；」 珊瑚「思い切り投げやがったな…ななか…（＾＾；」 ななか「そう言う珊瑚さんは浮かんだんですか〜？」（￣ー￣#） 珊瑚「え、えと…美少女退魔師…？（＾＾；」 ななか「はい、美少女退魔師…何です、その続きは？」 珊瑚「うっ……うわぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん！！ そんなスキル無い事知ってるくせにななかがいぢめるよ〜〜〜〜〜ε=ε=(ﾉД｀)」 ななか「あら…逝っちゃった…折角名付け親になる絶好のチャンスだったのに（＾＾；」 壁|Д｀)＜ななかのバカ〜〜〜〜 ななか「何やってるんですかそんな所で…（＾＾； ほらほら、もういいですから戻ってきてくださいよ…（；＾＾）ﾉｼ」 壁|дT)＜ﾀﾞｯﾃ…ﾅﾏｴｳｶﾊﾞﾅｲﾝﾀﾞﾓﾝ… ななか「もういいですよ、そんなの……（＾＾；」 茜屋「いけぇ〜〜！！」 神無「えと、神無、行きます」 茜屋「そのまんまだが仕方がない。ラブリー神無とか、プリティ神無とかそのうち愛称も付くだろう」 神無「ぜっったい、お断りします」 アカネヤ「ふっふっふ、小娘の分際で我に歯向かうと申すか……」 夕凪「変態がなんかいっとるで」 真緒「とりあえず、いまのうちに小学校の児童を避難させましょう」 壁|-ﾟ)＜やはり我々が… ななか「決まるまでソコに居るつもりですか？（＾＾；」 壁|-ﾟ)＜任されている気がするのだが？ ななか「でも、プリティも、ラブリーも、マジカルも使い古されてますからね…（＾＾；」 壁|дT)＜ ど う す れ ば い い ん だ ？ ！ ＿|￣|○ ゆうひ「……」 トシヤ「どうした？」 ゆうひ「アカネヤのほうが思いついてしもーた…」（ぇ トシヤ「ふむ…ちなみにどんなん？」 ゆうひ「『無敵変態 アカネヤー』……」 トシヤ「………」（絶句 ・ ・ ・ 謎の声(笑）すんませんラブリーやらプリティやらを使い古している奴です。 とりあえずラブ美緒未採用集からひとつ。 縞パン隊長さんのコメントも参考にして 夢幻バスター えんじぇる神無 「貴方の煩悩祓います♪ 」 変身後は水色の縞パン決定。 ・ ・ ・ アカネヤ「え、えんじぇる神無……！」 突如現れた敵に、動揺を隠せない無敵変態アカネヤー。 茜屋「よしっ！ 敵はひるんだ。行くんだ『夢幻バスターえんじぇる神無』！！」 神無「あの〜、恥ずかしいんですが……」 茜屋「なにを言うか！ 一生懸命考えて下さった珊瑚さんや、トシヤさん、名付け親の謎の声さんに申し訳ないと思わないのか！」 神無「ううううう」 夕凪「夢幻バスターえんじぇる神無……」 真緒「……彼女には頑張って欲しいものです」 夕凪「ね、ね、うちだったらどんなかな？」 真緒「え？」 奈緒「ハリセンチョッパー優☆ＹＯＵ夕凪」 夕凪「夕月かまぼこみたい……」 珊瑚「謎の人、ついにｷﾀ━━━」ヽ(∀ﾟ )人(ﾟ∀ﾟ)人( ﾟ∀)人(∀ﾟ )人(ﾟ∀ﾟ)人( ﾟ∀)ノ━━━!!!!! しかも『変身後は水色の縞パン決定。』 ｷｬ*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:*･゜Σ(ﾟ∀ﾟ*)ﾟ･*:.｡. .｡.:*･゜ﾟ･*!!!!! ななか「あ…壊れた…（＾＾；」 珊瑚「『壊れた』？ふっ…知らなかった様だな、ななか…これは縞パンによって呼び起こされる別人格…場所によっては『縞パン司令』と呼 ばれる実力を秘めているのだよ（￣ー￣）」 ななか「この非常時にまた厄介なのが…（＾＾；」 珊瑚「ふっ…何とでも言うが良い…しかし、私の実力を目の当りにすれば、その様な口も聞けなくなるぞ…そ〜〜ら、美緒美緒団の皆様に縞 パンをプレゼント〜〜虹と同じ七色取り揃えてみました〜〜（*´Д｀）ノ▽▽▽▽▽▽▽」 ななか「何くだらない事やってんですかっ！！」(# ｀□´)＝0))Д｀）･∵. 珊瑚「ふふふ…今の私にそんなパンチが通用すると思ったのかねななか君？ 心配せずともななかにも…『さくらさんとお揃い、ピンクの縞々』（*´Д｀）ノ▽」 ななか「あの…珊瑚さん…」 ななかはクルリと背を向けその背中を珊瑚の胸に預ける… 珊瑚「ん？ななか、観念した…って？！この体勢はっ？！」 『 鉄 山 靠 ッ ！ ！ 』 ……〓■●＿〜□○0 ななか「あ…まだ息がある…もう少し痛めつけておきましょう…」 そのままストンピングに移行するななか… ななか「よし…このくらいかな？何事も程々が一番です（＾＾*」 傍目にはとんでもない事をしているのだが、アッサリと爽やかにそんな事を言うななか… 一方、神無に詰め寄られた茜屋は、意外や意外、冷や汗を垂らしていた。 アカネヤ「ううううう、なんという萌え力だ。幼女でもないのにこの圧力はいったい……！？」 神無「えっと、変態さん」 アカネヤ「ぐはッ！ クラリス・スキルまで刺激しやがる……！」 神無「茜屋さんの身体から出て行ってください」 アカネヤ「そ、その台詞、言い方を変えてもう一度……ﾊｱﾊｱ」 神無「言い方？」 アカネヤ「『お兄ちゃんから出て行けー』」 神無「………言ったら出て行ってくれるんですか？」 アカネヤ「そ、それは出来ん。この世界での依り代がなければ我は活動できん」 神無「それでは、結局、強制執行しかないのですね」 神無はアカネヤから少し間合いをとった。 茜屋「行け！ えんじぇる神無、鬼道冥哭、バン、ウン、タラク、キリク、アク！！」 白むくの放つ呪言にのって、矢の様な形のものが空中に現れた。 神無は髪を１本抜く。またたくまに髪は弓の形になり、現れた矢をきりりと引き絞る。 アカネヤ「ま、待て……！ 弓道少女は萌えだが……」 神無「時間もないし、一気に行きます」 真緒「なんか、凄い……」 潮騒「主役、取られちゃったね」 珊瑚「ををっ？！クライマックス！Σ(ﾟ∀ﾟ*)」 ななか「うわ…もう復活した…(-_-；)」 珊瑚「ゆけ！えんじぇる神無！茜屋さんの身体を取り戻すのだ！ｸﾞｯ!!ｑ(ﾟ∀ﾟ*)」 ななか｢いけ〜…正義の味方は殺人を犯しても罪には問われないぞ〜(-_-；)｣ 珊瑚「それ、応援じゃないだろななか…（＾＾；」 ななか「つっこむ理性が有るなら無駄にボケないで下さいよ…楽じゃないんですよ？珊瑚さんにつっこむの…(-_-；)」 珊瑚「も、もしかして…怒ってる？（＾＾；」 ななか「……さあ……？(-_-#)」 そうこうしているうちにも、戦いは激化していく。 アカネヤーの防御力はラスボス級だが、神無の矢はじわりじわりと体力を削っていく。次第に額に汗が滲み始める。 一方、珊瑚とななかは、壁に隠れて様子を探る。 壁|_-).｡oO（ま、我々は見ている以外出来ないな…） 壁|-ﾟ).｡oO（で、何故壁際なんですか？） 壁|_-).｡oO（考えたら負けだ） 壁|-ﾟ).｡oO（何に負けるんですか…（＾＾；） 壁|_-).｡oO（それは無論魂的な何かだ） 神無の勝利か……？ それは目前に見えた。しかし、その油断が戦局を一変させる。 倒さなければいけなかった。一気に倒さなければいけなかったのだ。倒せる―――そんな安堵が隙を作った。 アカネヤ「なんの！ 万物の理を歪めせしめる我が秘法！！ 『時の車輪』！！」 神無「うっ！」 神無の手が止まった。汗がつうと落ちる。 言霊の圧力は神無の動きを止めた。ばらばらと番えられていた矢が落ちていく。 アカネヤの両手がぐるぐると弧を描く。掌の五本の指が交わっては離れ、格子を形作り、網の目となり、無数の残像を生じさせては消えて いく。 目眩ましだ。 神無「こ、こんな幻術など……」 茜屋「いかん、神無！ 奴を見るな！！」 すでに術に囚われていた。 強がりを見せてはいたが、抗えるのもほんの数分。術者として、自分の身体に他者からの強制割込みが起こっているのは理解した。すでに 、あらゆる改竄が行われ、それを防ぐ手立てはなかった。 身体の根幹が揺さぶられる。 神無「あ、あ、あ、あ、あ」 声にならない音が喉から漏れた。 アカネヤ「精神は肉体を駆逐し、想い出へと還る……」 なにも考えられない。 あるのは、ただ安らぎ。羊水にたゆたうような浮遊感。 神無「あ……あーーーーーー……」 死ではない。 これは、始まりの感覚。 恐れはない。不安もない。 夢を見ている………永い永い夢を見ている……… ワ・タ・シ・ハ・・・・ナ・ニ・ヲ・サ・レ・タ・ノ・カ・・・・・・？ 瞼が堕ちる―――― 真緒「そんな……神無ちゃん……」 そこには、ぶかぶかの改造巫女服を羽織った３歳程度の幼女が座り込んでいた。 アカネヤの妖術は、神無を幼生退化させたのだ！ アカネヤ「幼女は我が魂の糧……そのまま食ろうてくれようか。くっくっく」 ゆうひ「た、食べるって…」 トシヤ「もしかしてそっちの『食べる』か？」（マテ 壁|_-).｡oO（…流石に三歳児を”食べ”はしないだろう…（汗） 壁|-ﾟ).｡oO（でも自ら『幼女変態』と名乗るヤツですよ？） 壁|_-).｡oO（たとえ変態でもソレをやっちまったらこの『世界』に殺されるぞ？） 壁|-ﾟ).｡oO（なら『えんじぇる神無』を取り込んでパワーアップとか…） 壁|_-).｡oO（なんでこの状況で敵に強くなってもらわなきゃいかんのだ…） 壁|-ﾟ).｡oO（何にしろ今の『えんじぇる神無』は無防備ですヤツから離さないと危険ですよね？） 壁|_-).｡oO（確かに…では行こうかななか、援護を方は頼んだぞ） 壁|▽ﾟ).｡oO（ガッテン承知ノ助です！） 壁|_-).｡oO（やっぱり何かをするとなると俄然張り切るな、ななかは…） えんじぇる神無と小さくて白くてむくむくなのを助けようと動き出す…！ 神無「あう？」 幼年化してなにも分からなくなったえんじぇる神無と、白むくの茜屋の前に、ふたりの人影が現れた。 アカネヤとの間に割って入る。 アカネヤ「おのれ、何奴！？」 とっさのことで対処できず、右往左往する無敵変態。 その隙に二人は、３歳児と白むくを抱えて走り出した。 茜屋「珊瑚さん！ ななかちゃん！！」 神無「だぁ……？」 茜屋「た、助かった。そのまま逃げ切って……」 アカネヤ「幼い娘はいねがーーーーッ！！」 茜屋「わぁ！ 来た！！」 珊瑚「えと……もしかして、茜屋さん？」 茜屋「いかにも」 ななか「なんとも……情けな可愛い姿に……」 茜屋「とにかく！ 神無がこれでは勝ち目はない」 珊瑚「どうするんだ？」 茜屋「神無に送っていた魔法パワーをななかちゃんに送る！」 ななか「えええええ！？」 茜屋「君は『夢幻バスターえんじぇるななか』となって戦うのだ！」 ななか「そ、そんなの無理ですよ…私にあんなのの相手なんて…」 珊瑚「ななかのバカーーーーーーーーー！！(# ｀□´)＝0))-ﾟ）･∵.」 ななか「なっ…何をするんですかッ！！」 珊瑚「茜屋さんの親心が解らないのか？ ここで『えんじぇる神無』を助け『えんじぇるななか』としてヤツを倒せば間違いなくななかが主役！ そうすれば『えんじぇるななか』が茜屋さんのＨＰのＴｏｐを飾るは必然！！ 解るか？！お前か頂点に立つ時が来たんだッ！！」 ななか「やります！バッチリ任せてください（＞▽＜）ｂﾋﾞｯｯ!!!! さあ！茜屋さん！私に魔法パワーをッ！！」 （行動力＋ヤル気＋魔法パワー）によって無敵の魔法少女（？）が生まれようとしていた… 珊瑚(；-_-).｡oO（ま、話の始まりや流れからしてこの話が表に出る事なんて無いだろうがな…）（※注：出ました。（笑）） 茜屋「おおう、素晴らしい。思った以上にななかくんはえんじぇる属性がありそうだ」 真緒「無責任極まりない発言ですね。茜屋さん」 茜屋「おわ！ ま、ままま、真緒！」 真緒「人に心配させておいて……神無と乳繰り合っていたんですね？」 茜屋「待て！ それは誤解だ。俺は何者かに金属バットで殴られて昏倒して……って、あれ？」 真緒「………」 茜屋「殴ったのお前じゃなかったっけ？」 真緒「茜屋さん！ そんなこと言ってる場合じゃありません！ ななかちゃんが変身しました！！」 光の洪水。 物理法則を無視した綺羅星たちの群。背後にしゃらんらなＢＧＭも従えて、ななかは宙を踊っている。 恍惚とした表情。 一瞬、身を縮ませたかと思うと、緩やかに身体を開いていく。服が粒子単位に飛散して再構成される。むろん、光の渦の中、見えそうで見 えないギリギリの境界で、ななかはその肢体を惜しげもなく晒している。 ああ……なんという感動的な光景だろう。 僕らの夢を叶えてくれる正義の天使の誕生だ！ ななか「えんじぇるななか〜〜、爆誕！」 真緒「珊瑚さんがなにか吹き込んだみたいですね」 茜屋「なんかいろいろ間違っている気もするが本人がやる気ならいいことだ」 真緒「いいんですか？」 茜屋「う〜ん、まぁ、このデータ最初っから取ってあるし、『美緒美緒団５』としてまとめることも出来なくはない。そしたら、ななかちゃ んをＴＯＰにしてもいいな」 真緒「またそういう出来もしないことを……」 茜屋「とにかく！ 今年もあと１日しかないんだ。ななかちゃん宜しく！！」（※注：12月30日でした。（笑）） ゆうひ「終るんか…これ…？」 トシヤ「知るかいな」ｗ ななか「さあ、無敵変態 アカネヤー！！」 ビシッと無敵変態を指差すえんじぇるななか ななか「私が来た以上これ以上彼方の好きにはさせません！ 少女といえばピュアの象徴！その少女を汚そうとする彼方に、初日の出を拝ませる訳にはいきません！！（ｗ この『夢幻バスターえんじぇるななか』が… 貴 方 の 煩 悩 祓 い ま す ♪ 」 決まった*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:*･゜Σ(ﾟ∀ﾟ*)ﾟ･*:.｡. .｡.:*･゜ﾟ･*!!!!! えんじぇるななかがバッと手を振るうとその手にはお払い棒の様な物が… そして無敵変態へと襲い掛かる（？） 闘志に火がついたえんじぇるななかは無敵変態を圧倒してゆく… アカネヤ「なっ、何故こんな年増に私が圧倒されねばならんのだ？！」 ななか「…だ〜〜れ〜〜が〜〜……年増だーーーーーーーッッ！！！！」 怒りのパワーによって魔法パワーがオーラとなって具現化する… それが拳に集まり更に輝きを増す… アカネヤ「こっ、この力はまさかっ？！貴様が？そんな筈は…」 ななか「ゴチャゴチャうるさーーーーーーーいっ！！」 まさに渾身の力が篭ったアッパーが無敵変態を吹き飛ばす。 何とか着地したものの苦しそうに膝を付く無敵変態… 無敵変態を睨みつけるえんじぇるななか。そして… ななか「これで決めます！茜屋さん、あれを！」 茜屋「これで決める！ 成敗！！」 白むくの茜屋の周囲に風のようにオーラが纏わり付く。 熱く燃える茜屋の周りには渦巻きのごとくオーラの風が吹きすさぶ。 茜屋「ななかぁ！！ 俺を撃てぇーーーーッ！！」 いままさに茜屋はエネルギーの塊！ 高密度にして、いつ臨界点を越えてもおかしくない状態だ。 ななか「はいッ、茜屋さん！ はあぁぁぁーーーーーッッッ！！！」 茜屋「超級！」 ななか「魔王！！！」 茜屋＆ななか「幻影弾ッ！！！」 ななかから放たれた魔力が、茜屋に注ぎこまれる。 エネルギーの塊となっていた茜屋の身体は、激しく震動する魔力砲となって真っ直ぐ無敵変態に向かっていった。 アカネヤ「な……なにィ！！！」 どごがあぁぁぁぁぁああああああんんんん！！！ 激しい爆発と激震。 爆風だけで周囲の家々は瓦礫と化し、アカネヤーを中心として衝撃波が広がっていく。 ななか「か……勝った……？」 そう！ 夢幻バスターえんじぇるななかは勝った。 強敵、無敵変態アカネヤーに対して正々堂々と勝ち抜いたのである！！ 茜屋「よくやった！ ななかくん。これで地球も平和になる！」 白むくの身体で、晴れやかに空を眺める茜屋。 ななか「あの……でも、茜屋さんの身体、吹き飛ばしちゃったんですけど……」 真緒「あーー……」 夕凪「あとかたも残ってへんねー」 茜屋「………」 潮騒「それに、神無さんが三歳児のままです」 茜屋「ま、まぁ、なんとかなるだろう。とりあえず、グッドだ。は、ははは、ははははは……」 無敵変態の正体はなんだったのか？ 三歳児の神無ちゃんは元に戻れるのか？ 茜屋は白くてむくむくしてる謎の小動物のままでこれからどうするのか。 残された謎は計り知れない……。 だが、諸君！ くじけてはいけない。 愛と正義を信じる心がある限り、未来はきっと君を待っている！ 夕凪「某○英社の漫画雑誌の十週打ち切りみたいやねー」 奈緒「とりあえず、今年もご苦労様でした〜♪」 〜第三部「雪解けの朝に」〜 白い―――雪は、白い。 庭は一面の銀世界。窓から身を乗り出した少女は眩しさに目を背けながら、しかし、なけなしの勇気を光の洪水のなかに飛ばした。 眩しい！ 眩しい！ 自然界に存在する色――その基礎となる三原色を混ぜ合わせるとどうなるかご存知だろうか。色材である絵の具の場合、真っ黒になってし まうが、光の場合は真っ白になるのだ。これを、色の加法混色という。 混ぜられることで明るくなる。 エネルギーを集めて作られる神秘の色が『白』なのだ。 目の前の一面の白は、いかなるエネルギーの集合体だろう。本来、冬の冷たさの象徴であり、死をも感じさせる雪の白。 だが、それが朝日に照らされてビロードのような輝きで目を焼いている。 美しい。 このなにもない白い輝きが美しい。 ああ、なによりも――― 夕凪「汚いものを覆い隠してくれるから、美しいんやろなー」 背後から情け容赦ない声が響いた。 真緒「夕凪ちゃん……」 夕凪「おはよーさん、真緒ちー。あかんでー、雪景色を見てため息をついとるやなんて、現実逃避もええとこやでー」 真緒「だって……アタマも痛くもなるよ……」 神無は三歳児のままだし、茜屋は小動物だし、奈緒は奈緒でいっそう怪しくなっているし…… 夕凪「最後んは、今に始まったことやないけどな」 真緒「……活き活きしてるんだよ？ 奈緒。おそらく、この状態を一番楽しんでるのはあの娘ね」 はぁっと、また深いため息をつく。 ああ、ああああああ、いっそ、この雪のようになにもかも覆い隠して、消してしまえたらいいのに。 くるりと後ろを振り向いた。 話題の三歳児が、泣きそうな表情でちょこんと立っている。 神無「………まおちゃん、むくちゃん、うごかない……」 茜屋「……ｱｰｰｰｰｰｰｰ……」 だぶだぶの綿入れ半纏に身を包み、白くてむくむくの謎小動物を抱きしめた三歳児。 上目遣いに潤んだ瞳が愛らしい。 抱きしめられた縫いぐるみ然とした小動物は、なんだか瀕死のようだが。 真緒「―――って、茜屋さんどうしたの！？」 ぐったりしている白むくの茜屋はどうやら生きている。 茜屋「ｱｰｰｰｰｰｰｰｰｰま、お……？ な、おが……おが……」 真緒「男鹿半島？」 茜屋「――むつかしいボケをかますな、真緒。さては貴様秋田出身か？」 けっこう余裕がある。 真緒「いったいどうしたんですか茜屋さん。顔が真っ青ですよ」 神無「えと、奈緒ちゃんの薬飲んだらこうなった」 真緒「奈緒の？」 ぎぃぃィィィ…… 扉が軋みながら開いた。ここは、かつて美王がなけなしの軍資金で借りた美緒美緒団本部の一軒家。築十年は下らないので、ドアが軋む こともあるにはあるのだが、この音は禍々しすぎる。 奈緒「白むくはいね〜が〜〜〜ッ！！」 茜屋「わぁーーーーっっっ！！ なまはげが来た！！」 真緒「きゃぁあああああああああ！！」 茜屋「真緒のせいだ！ 秋田県ネタなんてかますから！」 真緒「きゃあーーーっ、きゃああーーーーッッ！！」 神無「……ふたりとも、しちゅれい……」 真緒「茜屋さんの魔法力を高めようとした？」 奈緒「そぉーーです。昨年の事件で茜屋さんはこんな姿になりました。神無ちゃんやななかさんが魔法少女化したのも、遡れば茜屋さんから の魔法力によるものです。ならば、茜屋さんの魔法力を解析して、増幅することが出来れば、失われた身体を再生できるかもしれません」 真緒「奈緒……あなた…」 楽しんでるだけじゃなかったのね、と言葉を繋げようとする。 奈緒「――という建前で、好き勝手に茜屋さんを調べられるんです♪ もぉーーっ、楽しいったら、照れくさいったら♪♪」 頬を赤らめて恥らっている。 真緒は頭をかかえた。いまだにこの自分とほぼ同じ容姿を有し、ひとつの細胞から分裂したはずの妹の思考回路が分からない。 茜屋「まぁ、建前でもなんでも元に戻れるなら、薬くらい飲むが……さっきのは死ぬほど不味かったぞ。いったいなにが入ってたんだ」 奈緒「乙女の秘密です☆」 茜屋「いや、ふざけてないで」 奈緒「ふざけてなんかないですよぅ。ホントにちょっと口に出すのは恥ずかしいような材料が入ってるんです。だいたい、茜屋さんの白むく の身体を分析した結果ですね、その身体を構成する要素がわかったんですよ」 真緒「構成する要素って？」 奈緒「人間の身体はだいたい水とタンパク質で出来ています。茜屋さんは、そもそも存在力だけで出来ている身体ですからそれがない。具現 化した魂を構成する成分は、現存する物質ではあり得ないんです」 真緒「じゃ、じゃあ、なんでできてるの？」 ひょいと茜屋を抱き上げて、首を傾げる真緒。 なんだか、布切れと綿で出来ているような気がしてくる。 奈緒「しいて言えばですね……“愛”です（////）」 茜屋＆真緒『は？』 奈緒「ほら！ そういう顔する！！ そんなにわたしが愛とか言うと不自然ですか！」 真緒「いや、だって……」 茜屋「なぁ……」 奈緒「とにかくですね、現在の茜屋さんは“意味”だけの存在なんです。“意味”には大きさと方向性が必要です。その概念が“愛”なんで すよう！」 どこかの委員長（いいんちょ）みたいに両手を振り回して説明している。 とかく彼女は説明が下手だ。 真緒「ええと、それで、なんだかよく分からないけど、茜屋さんは元に戻れるの？」 根本的な問題である。 奈緒「存在力を凝縮して、“意味”を“概念”に、“概念”を“想念”に押し上げます。それには、エントロピーのポンポコナーを、トカイ のハエに……」 茜屋「……まぁ、なんとかしてくれ。凄く嫌だがお前だけが頼りだしな」 奈緒「なんか引っかかる言い方ですね」 茜屋「いや……なんというかな、今回の事件、最初から最後までなんだかある種の方向性を感じるんだよ」 真緒「方向性ですか？」 茜屋「誰かの意思が働いてるんじゃないか、とか……」 茜屋は、顎に手をあてて視線を斜めに泳がせた。 白むくの身体では様にならないが、探偵物憂げに真相を直感する、のポーズである。 珊瑚「ちょぉっと待ったぁ！！」 ななか「それは、今回の事件には黒幕がいるってことですか！！」 突然、部屋に闖入者。 窓からずいずいと男女二人が入ってくる。 神無「ここ２階……」 珊瑚「気にしない！」 ななか「そう! 細かいことは珊瑚さんのせいにしていいです！」 珊瑚「酷い！」 トシヤ「お前ら、夫婦漫才しに来たんかい……」 ゆうひ「それはうちらの専売特許や〜♪」 今度は押入れが開いて、闖入者。 真緒「みなさん……いったい……」 珊瑚「なにを隠そう、我々は今回の事件の謎を解くべく、独自に立ち上がっていたりしたのです」 茜屋「面白半分に覗き見してたようにも見えるが……」 トシヤ「まぁ、そういうなや、茜屋っち？ ななかちゃんは自分が茜屋っちの身体吹き飛ばしたって、ずいぶん悩んでたんやで？」 茜屋「あ……」 そうだった。 実際、無敵変態アカネヤーと化した茜屋の身体を吹き飛ばしたのはななかである。 それが止むを得ない状況であったとしても彼女は自分を責めていたのだ。 彼女はそういう娘だった。茜屋はそれを忘れていた。 茜屋「すまない……」 ななか「あ、いや、私が吹き飛ばしちゃったのは本当なんですし――」 茜屋「いや、僕はちゃんと元に戻る。だから安心してくれ」 かつてないほどの真剣な顔――をしているつもりの茜屋。 その実態は白くてむくむくでふわふわの小動物であるが。 ゆうひ「で、黒幕は誰なん？」 珊瑚「そうだ、それが重要ですよ」 茜屋「それなんだが、奈緒の言い方を借りれば、事件を構成する要素というか、キーワードがある人物を指し示しているように思えてならな い」 真緒「キーワード……」 トシヤ「んーー、『愛』とか？」 ゆうひ「うちは『変態』やと思う」 ななか「あの、『魔法』ってのも……」 珊瑚「愛、変態、魔法………」 皆の視線が、ある人物に集中する。 奈緒「………そんなに見つめられると照れちゃいます♪（////）」 沈黙が部屋に落ちる。 雪明かりに照らされているはずの室内が、唐突に暗く感じられる。 全員が同じ結論に至った事実が、その推論の正しさを物語っているようで、誰もが嘔吐にも似た感覚を避けられないでいた。 否定――誰か否定してくれ、そう思った。 何故なら、誰もが彼女がそんな人間ではないことを知っていたから。いくら、彼女がそういうことを起こしえる人格と能力を持っていたと しても、そういうことを決してしない人間だということも知っていたから。 そして、沈黙は、破られた。「だが――」 茜屋「だが、奈緒が黒幕なんてことはあり得ない」 トシヤ「まぁ、そうやな」 ほっとした様に、発言が続く。 真緒「ずっと一緒にいたし、いわば奈緒も舞台の内側の人間ですしね……」 茜屋「そうだ、彼女は役者であって、舞台監督ではない」 ななか「すると、どこかに奈緒さんと同じような人がいるってことですか？」 珊瑚「それこそあり得ないだろう……こんなデンジャラスな人がそうそういるはずが………いや……まさか」 ひとつのことが否定されたために、推論は恐ろしい方向へと向かっていくようだった。 奈緒「……なんだか、わたし、酷い扱いうけてません？」 とりあえず、その日は皆は美緒美緒団本部の借家に泊まる事となった。 事件の解明が完全でない以上、関係者はひとところにいたほうが良いとの判断である。 茜屋「それはそうと、質問が途中だったが、結局、薬の正体はなんなんだ？」 奈緒「あ、あれですか〜〜？ 言っちゃっていいのかな、えへへ……（////）」 茜屋と奈緒は、実験室で二人きりである。 奈緒「本当に知りたいですか〜？」 赤らんだ顔が、ほのかに色っぽい。 奈緒「えへへ……実は……媚薬です♪」 茜屋「なっ……媚薬！？」 奈緒「茜屋さんのぉ……愛の本能をもっと高めれば、愛に依存した存在力が増すかと思いましてぇ……」 しなしなと腰をくねらせる。 茜屋「意味のないことを……しかし、ま、失敗だったんだな。俺はなんともないし」 奈緒「そう思います？」 茜屋「え？」 奈緒「実はあの媚薬は効果が出るまでにかなり時間がかかるんですよぉ♪ そうですね、そろそろ効いてくるかなぁ〜〜〜？」 艶っぽい声が――潤んだ瞳が―― 茜屋「う………」 さっきから、いやに奈緒の身体ばかり見ていることに気づいた。 この娘のすることはいつだって理解不能だ――その感情がここちよいものに思えてくる。 胸の奥から突き上げてくる欲情――抑えがたい愛憎。 ひと、それを、情念と呼ぶ――――― 白むくの身体に変化が訪れた。 白い毛が抜け落ち、身体がみるみる大きくなっていく。 脚が！ 腕が！ 太く、力強く変形していく。 それはもう、謎の小動物ではない。この世で最も特殊化した種の形状――人間のそれである。 茜屋「あ、あ、あ、あ、あ……」 愛を求める情欲が、茜屋を人間に変化させているのだ！ 奈緒「やりました！ って、あれ？」 茜屋の変化は止まらない。 茜屋「な〜〜〜〜〜お〜〜〜〜〜」 すでに人間を通り越してはいないか。 奈緒「あれ？ あれ？」 茜屋「ふしゅるるる……奈緒、新しい世界を見たくはないか……」 目が血走り、口は半開きに開かれている。 これは情欲に支配されたケモノ――― 奈緒「あ、はは、は、媚薬がちょおっと多すぎた……かな」 小走りに地下室を這いずって逃げる奈緒。 それをゆっくりとした動作で茜屋は追っていく。 茜屋「うっくっく、とうとう追い詰めたぞ奈緒」 奈緒「うわー、茜屋さん、目が怖いですよー」 茜屋「さぁ、素直になるんだ。新しい世界が開けるぞ」 奈緒「……本当ですか？」 茜屋「そうだとも、世界が常に同一なんてのは退屈者の妄想だ。世界はちょっとした変化でころころと動くのだ」 奈緒「わたし……そういう経験はないから」 茜屋「安心しろ。誰でも最初は初心者だ」 奈緒「あん♪」 壁|-ﾟ).｡oO（珊瑚「ま、えてぃのは回避だろうな…」） 壁|-ﾟ).｡oO（ななか「珊瑚さんと違って、茜屋さんですからね…」） 壁|-T).｡oO（珊瑚「素敵なオチに期待だ」）（ﾏﾃ 壁際では、さっきから成り行きを見守っているギャラリーの姿もあったりする。 ゆうひ「まあまともかはともかくえてぃのはないやろと…」 真緒「………」 結局、二人きりにしたと見せかけて、全員いたのだ。（笑） と、突然、奈緒がにやっと笑った。視線は、皆の方――真緒を見ている？ 奈緒「えい♪ 座標入れ替えの術」 真緒「え？」 奈緒の場所に真緒がいた。空間が湾曲し、二人が入れ替わったのだ。 茜屋「ふくっく、さあー、奈緒覚悟し……あれ？」 真緒「…………」 茜屋「ほわい？ 何故に真緒……」 真緒「あ、あ、あ、あ、あ……」 茜屋「えー……」 真緒「いやーーーーーッッッっ！！！！！」 張り手炸裂。 真緒「はぁはぁはぁ、はぁ……」 茜屋「……は？ 俺はいったいなにを？？？」 奈緒「あらー、茜屋さん、リタイヤですかー？」 真緒「奈緒……あんたって人はあんたってひとは……」 奈緒「きゃ♪ 真緒ちゃん怖い」 真緒「うっ……」 奈緒「あ……」 真緒「うわああああああああああああんんんんんん！！！！！」 神無「あー、泣かせてしまいましたね」 潮騒「奈緒ちゃん、酷い〜」 奈緒「……」 茜屋「……う、う、う、真緒〜〜〜、頼むから泣き止んでくれよーーー」 真緒「う、え、ひっく……」 茜屋「決定的に苦手なんだよなー、こういうの…」 奈緒「……」 奈緒「茜屋さん、真緒ちゃん……ごめんなさい」 夕凪「奈緒ちゃん……」 真緒「ひく……」 奈緒「悪ふざけが過ぎました。……反省しています」 茜屋「奈緒……」 奈緒「茜屋さん、真緒ちゃんをお願いします。……わたしは……ちょっと出ていますね」 茜屋「……」 数時間後―― 潮騒「奈緒ちゃんが海を眺めている……」 神無「なにか哀愁が漂っています」 夕凪「黒い人が自分の黒さに気づいてしもーたんや。こりゃあ、ちょっと立ち直れへん」 茜屋「いや、違う」 潮騒「え？」 茜屋「奈緒はこれしきのことで落ち込むタマではない」 夕凪「いや、奈緒ちゃんかて、女の子なんやし……」 茜屋「いくぞ、真緒」 真緒「はい」 夕凪「どうなるんや？」 潮騒「真緒ちゃん、いつのまにか泣き止んでるし」 壁|-ﾟ).｡oO（珊瑚「これは見守るしか…」） 壁|-ﾟ).｡oO（ななか「そ〜ですね…」） 壁|_||ﾟ|.｡oO（真雪「これは撮りのがせん…」） 壁|-ﾟ).｡oO（ゆうひ「そ〜やね…」） 海岸にながく伸びる影―――その影は海辺に蹲る少女の姿に重なった。 振り向く奈緒。 夕日を背に、人間の身体に戻った茜屋がそこにいた。 茜屋「奈緒ぉ！」 奈緒「！」 茜屋「お前は間違っている〜〜〜ッ！！！」 ばきぃッ！！ 茜屋の平手が炸裂！ 奈緒は５００Ｐのダメージを負った！ 奈緒「なッ…！！」 茜屋「真剣勝負から逃げ、あろうことか真緒を犠牲にし、さらにうじうじと膝を丸めるなどと……うっ、うっ、う、う、う･･････」 奈緒「は、反省したんですよッ！ 人間は反省して成長するんです！」 茜屋「奈緒は反省なんかしないッ！！」 奈緒「なっ……！！」 どぐわしゃあーーッ！！！ 奈緒、怒りの波動拳！！ 茜屋は２９００００Ｐのダメージを負った！ 夕凪「……茜屋さん、よく死なへんね……」 神無「いえ……危険かと」 壁|;ﾟ-ﾟ).｡oO（珊瑚「スパルタ＆バイオレンスな人だったのか…」） 壁|-ﾟ).｡oO（ななか「そ〜みたいですね…」） 壁|;ﾟ-ﾟ).｡oO（珊瑚「…ななか…手抜いてないか…？」） 壁|-ﾟ).｡oO（ななか「気のせいですよ…」） ゆうひ「そしてなぜか背景（バック）は夕焼けの海岸になってるし…」 トシヤ「でもまあ、こういうシーンではお約束だしなぁ…」 奈緒「う、う、う、うわわあぁあぁぁぁ〜〜〜んん！！！！」 真緒「な、奈緒……！？」 奈緒「あああああああああああああああ」 茜屋「そうだ……奈緒、思い切り泣き喚くのだ！」 奈緒「ああああああああーーーーーっはっはっは、ははははは」 真緒「………」 奈緒「あはははははははははははーーッ！！！」 茜屋「わはははははははははっははーーッ！！」 恐ろしすぎる光景が、夕焼け海岸に現出。 潮騒「思いっきり異様な光景ですが、さわやかにも見えるのは何故でしょう？」 夕凪「ああいう人なんやなーーー、やっぱ」 奈緒「甘い！ あまあまですよ、茜屋さん！ こんなくらいでわたしが復活したと思ったら大間違いです！」 茜屋「なにぃッ！！！」 奈緒「私は落ち込むときは、とことん落ち込むんです。もぉーーー、戻って来れないくらいです」 茜屋「奈緒は落ち込んだりしない！」 奈緒「するの！！！！」 茜屋「う」 奈緒「するんです！！ してるんです！！！ しっぱなしなの！！」 茜屋「･･････」 奈緒「ねっ！？」 茜屋「……わかった…奈緒は落ち込んでる」 奈緒「宜しい！！」 壁|；ﾟ-ﾟ).｡oO（珊瑚「思い切り復調してる気がするのだが…」） 壁|；ﾟ-ﾟ).｡oO（ななか「本人がそう言ってますし…」） ゆうひ「そして落ち込んでる奈緒ちゃんを茜屋っちの愛で復活させると…」 トシヤ「ま、ある意味王道だな」 茜屋「で？ 俺はどうすればいい？」 奈緒「トシヤさんがいうように愛の力でなんとかならないですか」 茜屋「俺にそんなスキルはない」 奈緒「そうですねー。ヘタレの甲斐性ナシですもんねー」 真緒「そこまで言わなくても……」 奈緒「よし、こうしましょう。明日、１日わたしに付き合うということでどうですか？」 茜屋「えー」 奈緒「なんです、その嫌そうな声は」 茜屋「だってなぁ……」 奈緒「だいたい私は、茜屋さんをちゃんと元に戻したんですよ？ 方法はどうあれ、結果は評価されて然るべきじゃないですか？」 茜屋「う……ま、そうだ。それには礼を言わねばならん。人として。ありがとう、奈緒」 奈緒「誠意は態度で示してください」 茜屋「わかった、奈緒。明日付き合おう」 奈緒「宜しい♪」 壁|∀ﾟ).｡oO（珊瑚「デートかっ！」） 壁|∀ﾟ).｡oO（ななか「ですねっ！」） そして、夜―― 茜屋「……」 真緒「茜屋さん、何してるんですか」 茜屋「なにって、明日の用意だ」 真緒「明日は奈緒とデートでしょう？」 茜屋「無論。そのための仕度だが」 真緒「デートに何故、サブマシンガンや防弾チョッキがいるんですか」 茜屋「いるだろう」 真緒「………いるかもしれないですね」 壁|-ﾟ;).｡oO（ゆうひ「あの二人のデートってのはどっかに殴り込みにでも行くことなんか？」） 壁|-ﾟ;).｡oO（トシヤ「言うな…もう何も言うな…」） 壁|-ﾟ).｡oO（珊瑚「恐らく妨害が酷いのだろう…」） 壁|-ﾟ).｡oO（ななか「モテモテですね、茜屋さん…」） 奈緒「そんなものはいりません。没収です」 茜屋「あああ！」 奈緒「デートの予定は、映画見て、遊園地行って、夜景の見えるホテルで食事、です」 真緒「ホ、ホテル……！？」 茜屋「で？ どこで敵を迎え撃つんだ？」 奈緒「敵はいません」 真緒「………いるかもしれませんよ」 そして、夜は更けていく。 神無「………」 そして、すっかり、三歳児のまま忘れられている娘もいたりする。 朝――― 昨日の雪はすっかり溶けて路面に水溜りをつくっている。 ところどころ雪が残っているが、それも昼ごろには溶けるだろう。空はさわやかに晴れ渡り、きんと冷えた空気にもほのかに温かさが感じ られる。 茜屋（待ち合わせは駅前に８：００か……早く来すぎたかな） ・ ・・・ ・・・・ 奈緒「お待たせしました〜〜〜」 茜屋「……」 奈緒「茜屋さん？ あれ、わたし遅刻しちゃった？」 茜屋「…………」 奈緒「なんだ、ぴったしじゃないですか、時間」 茜屋「……何者だ、貴様」 奈緒「はい？」 茜屋「奈緒は白い清楚なワンピースなど持っていない」 奈緒「持ってたんです！」 茜屋「奈緒はそんなに可愛く笑わない」 奈緒「茜屋さん、わたしをなんだと思ってたんですか」 潮騒「あ、腕組んで歩いていくよっ！」 夕凪「え〜雰囲気やねー。邪魔するの悪いんちゃう」 真緒「あの程度なら許容範囲です。一線を越えそうになったら総攻撃です」 夕凪「なー、どっちが先に手ぇ出すか賭けへん？」 真緒「夕凪さん！！！」 壁|-ﾟ).｡oO（ゆうひ「ところで…みんなして非生産的なことしとるなぁ…とか思わん？」） 壁|-ﾟ).｡oO（トシヤ「それは言わない約束ですよ、椎名さん…」） 壁|-ﾟ).｡oO（珊瑚「白い清楚なワンピース…かわいいな…」） 壁|-ﾟ).｡oO（ななか「ですね…」） 壁|-ﾟ).｡oO（珊瑚「ななかも着てみないか、ワンピース」） 壁|-//).｡oO（ななか「や、似合いませんから…」） 壁|-ﾟ).｡oO（珊瑚「…そんな事は無いと思うが…」） 茜屋「さて、映画だが……」 奈緒「茜屋さんっ！ これッ！ これにしましょう！！」 茜屋「『Ｄｒ．ドレイクの優雅な生活』？ マッドサイエンティストもの？」 奈緒「面白そうです〜〜♪」 ☆ 茜屋「……」（映画を見ている） 奈緒「……」（映画を見ている） 茜屋「……」（ちらりと横を向く） 奈緒「……」（映画を見ている） 茜屋（目が輝いている……っていうか、なんでメモを取っているんだ？） 珊瑚「では我々も…」 ななか「珊瑚さんと暗がりになんてまっぴらごめんです」 珊瑚「……では、向かいの喫茶店で出てくるのを待つか……（；T-T）」 トシヤ「俺たちも入るか？」 ゆうひ「奢ってくれるん♪」 トシヤ「それくらいはな」 ゆうひ「じゃ、行こか♪」（ ⌒▽⌒）ﾉシ（喫茶店の二人に手を振るｗ） ☆ 奈緒「さて、次は遊園地です♪」 茜屋「異様にはりきってるなぁ」 真緒「……」 夕凪「真緒ちゃん、顔色悪いで」 潮騒「……」 夕凪「潮騒も？」 潮騒「ああいう映画、駄目です。ホラーだなんて知ってたら入らなかったのに…」 真緒「なんで、奈緒はああいうのが好きなのかしら」 珊瑚「ふむ…方向からすると次は遊園地か…」 ななか「ジェットコースターは外せませんよねッ！！（*＞▽＜）ｂﾋﾞｯ!!!!」 珊瑚「ななか…趣旨がずれて来てないか？（＾＾；」 ななか「解ってますよ、尾行でしょ〜♪」 珊瑚「…絶対解ってない…（＾＾；」 奈緒「ここが遊園地です〜〜♪」 茜屋「『フライング・ドラッグ・アンバー・ブルーム』？ 変な名前の遊園地だな」 奈緒「アトラクションが素敵なんですよー」 茜屋「………なんか、地下室っぽいアトラクションばっかしなんだが…」 奈緒「さあー、どれから乗りましょう♪」 潮騒「わたし、ここで待ってる……」 夕凪「うちも」 真緒「……わたしは行きます！」 珊瑚「『フライング・ドラッグ・アンバー・ブルーム』……ななか……」 ななか「……潜入取材はゆうひさんにお任せしましょう……（＾＾；」 ゆうひ「うちらはこれからＡＲＣＯでお買い物やで？」（ぇ トシヤ「誰に向かって言ってるんだ…」 奈緒「これに乗りましょう！」 茜屋「ジェットコースターか……。円形のカプセルに乗って、赤や青のルートを疾走するのか」 奈緒「その名も『静脈注射』です♪」 茜屋「……」 珊瑚「で、肝心のゆうひたんは？」 ななか「あれ？居ませんね…如何しましょう？」 珊瑚「我々で潜入取材を行うしかないのか…」 ななか「や〜…この中って進んじゃダメだと本能が拒否してるんですけど…（＾＾；」 珊瑚「オレもなんだよ…」 『あはは〜そんな事言うとオシオキですよ〜♪』 珊瑚「な、何だ今の声はっ？！(ﾟДﾟ；≡；ﾟдﾟ)」 ななか「私も聞こえましたよっ？！」(￣▽￣；≡；￣▽￣) しかし、声のするほうを降り返っても、そこには誰もいない。 悪寒。 例えようもない悪寒。 珊瑚「………と、とりあえず、行こう」 ななか「う、うん」 茜屋「で、定番のお化け屋敷か……」 奈緒「楽しみですねえ」 茜屋「辞退していいか？」 奈緒「もちろん不許可です〜」 珊瑚「ん〜…雰囲気は妖しげだが特に如何って事は無いか？」 ななか「でも妙な感じは拭い切れませんね…」 珊瑚「此処では飲み食いとかはしたくないな…」 ななか「怪しいですもんね〜……ん？ 『胸が大きくなるドリンク、まききゅ〜ＸＰ』？」ふらふら〜 〜〜（*ﾟ∀ﾟ）ノ 薬局のような売店に引き寄せられるななか。 珊瑚「ななかっ！気をしっかり持つんだっ！！(；￣▽￣)つ ｶﾞｼｯ!!!!」 茜屋（思ったほど、怖くはないな……） 奈緒「♪♪♪」 茜屋「奈緒、『きゃあ〜〜』とか言ってしがみ付くとかいうオプションはないのか？」 奈緒「う〜〜ん、残念ながら私のキャラじゃないですねぇー」 茜屋「なんだ、つまらん」 奈緒「『きゃあ〜〜』とか言わないでもしがみつくことは出来ます♪」（むにゅ） 茜屋「………」 奈緒「へへへ……」 茜屋「お前……案外可愛かったんだな」 奈緒「今頃わかったんですか？」 珊瑚「駄目だっ！ここは我々には濃すぎる！」 ななか「早急に退避する事をオススメします…（＾＾；」 珊瑚「うむ！意見が一致したなら迷う事は無いっ！逝くぞっ！」 『あらあら、逝っちゃうんですか〜♪』 二人の前に立ちはだかる影が一つ。 ななか「だっ、誰ですかっ！」 珊瑚「な…貴様はっ！！何故ここに居るッ！」 『うふふふふ♪何故でしょうね〜♪』 奈緒「――！」 茜屋「どうした、奈緒？」 奈緒「なにか……背筋がぞくっと……」 茜屋「なんだ、奈緒も怖がってるんだ」 奈緒「そんなんじゃありません！ なんていうか、遺伝子レベルで……」 茜屋「……それは…」 奈緒が苦しげに蹲りながら手をある方向に差し出した。 茜屋はその方向に目を向ける。 そこには、珊瑚さんとななかちゃんと―――黒いマントを纏った女性の姿があった。 珊瑚「…マジカルアンバー……何故此処に…」 二人の前に立ちはだかった人物の名を漏らす珊瑚… 自分で口にしながらもソレが目の前に存在している事を信じる事が出来ない…。 アンバー『さあ、如何してでしょうね〜♪その理由はそちらのお嬢さんの方がご存知なんじゃありません？』 ”ピッ”っと竹箒の先でななかを指すマジカルアンバー。 珊瑚「ななかが……？はっ！まさかっ？！」 顔を伏せ震えているななか…様子がおかしい… ななか「ふふふふふ…そうですか…そうだったんですか…」 珊瑚「お、おい、ななか…まさか…」 顔を上げたななかの目には普段とは違う光が宿っていた。 さっきまでのななかではない。決意と、自信に満ち満ちた瞳。 ななか「この異様な高鳴り…貴女だったんですね……貴女が私の閉じられた力の扉を開く鍵だったんですねっ！！」 アンバー『ふふふ…力有る者はたとえ別次元に存在しようとも引かれ合うのですよ… そうですよね、井上ななかさん…いえ！夢幻バスターえんじぇるななか！！』 ななか「呼びましたねっ！その名をっ！！！！」 力を込めた腕を振りぬくと、その手にはあの時のお払い棒が！ それを引き金にななかに魔力が集まる！魔力が衣装を分解、再構築する…そして… ななか「世を乱す闇を払う『夢幻バスターえんじぇるななか』呼ばれ無くったって参上ですッ！！」 ホントにｷﾀ━Σ(ﾟДﾟ (ﾟ∀ﾟ(･ω･ (ﾟ□ﾟ (･∀･)━ッ!!!! アンバー『そう……あなたは白むくの従者などいなくても存在できるんです、えんじぇるななか』 珊瑚「あぁ…またトンデモナイ事に…（＾＾；」 そんな珊瑚はほったらかしで話は進んで行く…。 ななか「今なら解ります…あの『無敵変態アカネヤー』の素となったのは……貴女の魔力ですねマジカルアンバー！！」 アンバー『ええ、今更隠し立てする心算など有りませんよ？』 あの時――無敵変態アカネヤーが誕生したのも、茜屋が白むくの小動物になったのも、すべてある方向性のもとに起きたことだった。 愛、変態、魔法―――魔法！ 魔法で構築された空間が、常識では考えられない事象を起こしている。 珊瑚「茜屋さんに取り付いた物が琥ｈ…じゃなくてマジカルアンバーの魔力…？なんでそんな事に…」 アンバー『正確には私が作った魔法生命体です♪』 それがどれだけの迷惑を振りまいたのかなどお構い無しに、何の悪びれもなく言ってのける…流石だ…。 アンバー『アレは失敗作だったんですけどね〜…』 ”ん〜〜”と思い出すように空を仰ぐ。 アンバー『魔力で産み出された物は魔力によって活動するんですよ…』 なにやら話が逸れている気がするが、まじめな話のようなので聞いてみる。 アンバー『ですから最も魔力を持つ私の元から離れるだなんて思いもしませんでした……ましてや次元を越えるだなんて事も……もっともア レは越えた時に体を失いましたが…』 ななか「でも丁度いい具合に替わりになる体を見つけた…」 珊瑚「臨死中の茜屋さんか…」 アンバー『はい♪そして身体を乗っ取り、邪魔な理性を封じ、本能のままに生きる”無敵変態アカネヤー”にレベルアップしたんです♪ あそこまで力を付けるとは思いませんでしたけどね〜…（＾＾；』 珊瑚「つまり以前起こった事は事故だと言いたいのか…」 要するにこういうことだ。 マジカルアンバーが存在する次元――仮に暗黒型月時空とでも呼んでおこう――で、彼女は魔法実験を行っていた。その際に魔力生命体が 生み出される。 魔法生命体は、主人の魔力をもって活動する。この魔法生命体もそのはずだった。 だが、ここでアクシデントが発生する。 実験の失敗――あるいは予期せぬ成功と言ってもいいかもしれない。この生命は魔力の常時供給を必要としなかったのだ。 さらには、明らかな意思をもって、主人の元を脱しようと試みる。 魔法生命体は飢えていた。――しかし、失敗作であるがゆえに主人の元に帰りたくないと願っていた。いや、帰れば消去されることを知っ ていたのかもしれない。 己が持つものは最後に残された魔力だけ。 その最後の武器に望みを託し、彼は次元跳躍を試みた。 生憎、跳躍の際に身体を失ってしまったが、そこには、都合のいい空の肉体があった――― アンバー『まぁ、どんなに力を付けても大元である私に如何にも出来ない事は無いんですけど… 流石にあれは面倒だな〜…とか思ってるうちにアレを倒しちゃったのが…』 珊瑚「ななかって訳だ…」 その時ななかは身じろぎ一つせず、相手からの殺気を正面から受けていた。 アンバー『でも正直妬けちゃいました…だって私の力をアッサリ消し去ってくれるんですもの… その時の頭の中がどんな風になってたか…あぁ…思い出したくもないです…』 ”よよよ”とふらつき頭を抱える。本当なのか芝居なのか相変わらず真意が読めない。 珊瑚「威力で言えばななかは同等の力を持ってるって事なのか？」 ななか「それは力の使い方によります。作る事と壊す事では比較は出来ません」 奈緒「茜屋……さん」 茜屋「奈緒、あれに近づいちゃいけない」 奈緒「でも……」 茜屋「あれはお前じゃない。……お前の人格の元となった割烹着の少女でもない。前に『Ｍｒ．Ａ愛の迷宮』事件で出会ったＢ耕介と同じだ 。あれは次元の違う存在だ。あらゆるものが邪悪を伴って存在する、黒い次元の魔物だ」 そして、突然、あることを思い出す。 白むくの小動物に変身したときの高揚感。心に響いた謎の声―― 『 魔 法 少 女 の 従 者 と し て 生 き ろ 』 あの、現場に、彼女もいたのだ……… 魔法生命体を追ってきたマジカルアンバーは、状況を認めるや否や、そこを新しい実験の舞台とすることにした。 神無やななかに力を与え、魔法少女劇を演出した。 それは享楽を糧とする彼女にとって、またとない楽しい舞台だったろう。 茶番を必死で演じる我々を見て、ほくそえんでいたに違いない。 しかし、彼女にも誤算があった。 マジカルアンバーは茜屋を通じ、ななかに魔法力を注ぎ込んだ。それは神無と同じように、魔法生命体を消去する手段として、一時的に魔 法少女を演じてもらうためだった。もちろん、適当に死闘を演じながら。 そう、それが誤算だった。 彼女が注ぎ込んだ魔法力によって、ななかの隠された属性が開かれてしまったのだ。 彼女は実は――生まれながらにして魔法少女の因子を持っていたのだ！ アンバー『さて、私がここに居る理由ですが…』 淀みの無い進行…素敵ですマジカルアンバー… アンバー『先ほど”作る事と壊す事では比較は出来ません”って言いましたよね？』 ななか「ええ…言いましたけど…それが何か？」 そんな受け答えをしながらも身構えているななか… 既に身体はオーラに包まれている…。 アンバー『なら今、比較しましょうか♪破壊する力同士なら簡単に結果が出ますからね♪（＾＾*』 マジカルアンバーの身体もオーラに包まれる…。 アンバー『少なくとも私の予想を超えて成長したアレを壊せるのは、その組成を知る私と、馬鹿力のアルクェイドさんぐらいじゃないでしょ うか……なにしろ小学校という”無敵変態アカネヤー”のホームグラウンドでアレを消滅させたんですから…』 珊瑚「それってメチャメチャ強いってことじゃん？！Σ（￣□￣；）」 アンバー『強いんですよ、珊瑚さん。彼女は強いんです。この私が壊したいと思うほどにね♪』 ななか「どうしても勝負すると言うんですか？」 アンバー『ええ、此方には強力かどうかは解りませんが味方も居ますしね♪』 珊瑚＆茜屋「「はい？」」 誰の事を指しているのか解らずはもって聞き返す。 アンバー『珊瑚さん、協力してくださいますよね♪』 珊瑚「何で俺がっ？！そんな事したらななかに殺されちまうっ！！Σ（￣□￣；）」 それは間違いないだろうな…。 アンバー『ですが私に味方した方が得ですよ〜？ 私は志貴さまと翡翠ちゃんが居てくれればそれで構いませんから、他の人達は珊瑚さんのお好きなように♪』 珊瑚「そ、それって…」 アンバー『ええ♪ハーレムってヤツですね〜♪ そしてペットは私にとって一番邪魔な秋葉さまを飼って戴ければ♪』 珊瑚「あ、秋葉様を…飼う…ﾌﾗﾌﾗ〜〜(//▽//)」 茜屋「駄目だ、珊瑚さん！ 彼女の甘言にのっちゃ……」 「 滅 殺 ッ ！ ！ 」 ななかの一撃！ 珊瑚「ぐはっ……〓■●＿〜□○0」 ばたりと倒れる珊瑚。 アンバー『あらあら〜大変ですよ〜♪』 ななか「大変ですね…味方をする人が居なくなったんですから…」 アンバー『はい？より強力な味方が生まれようとしてますよ〜？』 ななか「何を言って…珊瑚さんはぴくりとも…」 アンバー『”無敵変態アカネヤー”は如何やって生まれたんでしたっけ〜♪』 ななか「…？…あれは茜屋さんに魔力生命体の精神が…しまったっ！！それが狙いですかっ！！」 アンバー『ふふふふふ〜〜〜♪貴女を倒せばハーレムマスターになれるんですから、その力は”無敵変態アカネヤー”を遥かに凌ぐでしょう ね〜♪ さあ！目覚めなさいっ！”超絶変態 こ〜らる”♪』 マジカルアンバーは手に持った箒を振り上げた。 禍々しくも美しい小さな星が気絶した珊瑚の身体に降りかかる。 ななか「くっ！目を覚ました直前なら何とかっ！」 魔力を注がれ不自然な体勢で起き上がりつつある珊瑚に向かって駆け出す。 アンバー『あはは〜♪背中ががら空きですよ〜♪』 ななかの背にマジカルアンバーの抜刀術が炸裂するその瞬間！ それを阻むようにマジカルアンバーに襲い来る影がっ！ 『 ガ キ ン ッ ！！ 』 目標を変えその影を叩き落すマジカルアンバー …それは何処から放たれたのか弓矢であった…。 アンバー『そう言えば貴女のような人も居たんでしたね…私とした事が…失策です…』 神無「私があんな目に遭わされたのが貴女の所為だというのなら、その借り返さなくてはなりません…”えんじぇる神無”も呼ばれなくても 参上です！」 茜屋「おお！ 神無！」 弓を番えた神無が高いところから見下ろしている。その姿はさきほどまでの三歳児の姿ではなかった。 ななかを再びえんじぇるななかへと変身させたアジカルアンバーの魔力は、神無にも影響を与えていた。 ななかほど魔法少女属性のない神無でも、アカネヤーから受けた呪いを粉砕し、かつ、再びえんじぇる神無に変身することくらいは出来た のである。 建物の上から弓矢を構え、見得を切るえんじぇる神無は凄く決っていた…が… 潮騒「あーーーーーっ！！神無ちゃんずるーーーーーい！！」 夕凪「目立ちまくりや〜〜うちも変身する〜〜〜〜」 真緒「…出来ませんよ…」 潮騒「じゃあ、奈緒ちゃんの怪しげな薬で…」 奈緒「元に戻れないですけどいいですか？（￣ー￣）ﾆﾔｿ」 真緒「何になるかも分からない物に手を出す人なんて居ませんよ…」 外野は凄く五月蝿かった…（＾＾； ななか「この隙にっ！！滅びろッ！超絶変態 こ〜らる！！」 ななかの祓い棒が珊瑚の身体に振り下ろされる。 今度は、今度こそは―――身体に憑いた魔力だけを浄化させてみせる！！！ 祓い棒から愛のオーラがあふれ出した。 さきほどマジカルアンバーは“破壊する力同士の戦い”と言った。 だが、それは間違っている。 ななかの力は、慈愛の力だ。癒し、育み、再生する。 消去するのではなく、変化させる。それが浄化なのである。 珊瑚の体から邪悪が消え去っていく… アンバー『あらあら〜〜…これは本当に困りましたね〜〜…』 声色はまったく困ったようには聞こえないのだが、状況は間違いなく困った状態だ。 ななか「さあ…如何するんですかマジカルアンバー…」 アンバー『そうですね〜…ここはやっぱり逃げるしかないでしょうね〜♪』 ななか「そんなに簡単に行かせますかッ！」 神無「援護します！」 完全にマジカルアンバーの退路は無い物と思われたが、懐から出した怪しい色のフラスコが地面に落ちると、ピンクの煙と供にその姿は完 全に消え去っていた…。 アンバー『あはは〜、そこまでお馬鹿さんじゃないですよ〜？ 今度来るときはもっと楽しんでいただきますね〜♪』 声が聞こえなくなるとその気配も完全に消えてしまう…。 ななか「二度と来なくてイイですよ…」 珊瑚「いや、まったくだ…」 ななか「無事だったんですか…」 珊瑚「”ななかの愛”故だな♪…って…何か物騒な物言いだな…」 ななか「…気のせいですよ…」 ななかはすご〜〜く疲れていた…… 夕日に赤く染まる遊園地。 もう、そこには邪悪な魔力は存在しない。 ななかも、神無も、もとの普通の恰好に戻っている。 奈緒「あの方が私の遺伝的資質の元となっている方なんですねー」 茜屋「微妙に違うがそうとも言える。なかなかに物騒な御仁だな」 奈緒「う〜ん、ゆうひさんと夕凪ちゃんのように仲良くはなれそうにないですねぇ〜」 茜屋「まぁ、同属嫌悪というのも……モガ？」 奈緒「余計なこと言ってないで、デートの続きですよー。最後はホテルです、ホテル♪」 珊瑚「では我々も帰るか…」 ななか「そうですね……ととっ…」 急激に魔力を消費したので足元がおぼつか無いななか… 珊瑚「大丈夫か……よっと」 そんなななかを軽く抱き上げる珊瑚。 ななか「ちょ、ちょっと何やってんですかっ！！（///）」 珊瑚「え？ななかをお姫様ダッコ♪」 ななか「結構ですから下ろしてくださ……はぅ…目眩が…」 珊瑚「ほらほら、無理すんな。今日ぐらいは甘えなさいっての♪」 ななか「でもせめておぶって貰った方が…」 珊瑚「そうなるとななかの胸が私の背中に当たるわけだが…（￣ー￣）ﾆﾔｿ」 ななか「ダッコでいいです…（///）」 〜エピローグ〜 奈緒「……」 茜屋「夜景が綺麗だなー」 奈緒「ええ……綺麗ですねー」 茜屋「なんか不服そうだな、どうした」 奈緒「夜景の見えるレストラン、窓際の席にたたずむ二人、流れるはショパンの静かな調べ、年代もののワインに少し頬を赤くした少女は、 ゆっくりと彼にしなだれかかって……っていうシチュエーションを考えていたのに、なんですか！ これは」 ところは焼肉レストラン『もりもり』。 潮騒「あははー、奈緒ちゃん、顔が赤い〜〜〜」 夕凪「こら、潮騒、あれは怒ってるんやから挑発しちゃあかんやろ」 真緒「………」 神無「変身するとお腹がすくもので……」（ぱくぱく） 月読「おねーさーん、肉追加〜♪」 奈緒「なんで宴会に……」 茜屋「まーいいだろ。楽しいし」 奈緒「………」 奈緒「まー、そうですね。しっとりなんて、私らしくありませんし」 茜屋「そうそう」 奈緒「やっぱり、私はこういうのが似合ってるのかなぁ」 茜屋「――ちょっとまて、その注射器は……」 奈緒「プランを台無しにした責任は取ってくれるんですよね？」 ☆ さらに、こちらは珊瑚のアパート。 ななか「はぁ〜〜〜〜……疲れました〜〜〜…」 ベッドに横たえられ疲労感を露にしつつも、その心地よさに身をゆだねるななか。 珊瑚「で、ななかは寝る時は服着たままな訳？」 ななか「いえ、もちろん脱ぎますけど…あっ…(///)」 二人きり…ななかはまともに身体を動かす事が出来ない… そして寝る時は脱ぐ…そしてソレを出来るのは… ななか「あ、あのですね珊瑚さん…」 珊瑚「へんな事をすれば後が怖いからな…で、少しくらい役得があればそれでいい…」 言ってななかの服を脱がしにかかる珊瑚。 ななか「あああああのですねっ！(///)」 珊瑚「ん？やっぱブラも外すのか？」 ななか「ええ、それは…って！だからですね！」 珊瑚「さて、時間も無いし後はご想像におまかせしますか…」 ななか「そ、そうですね…(///)」 ☆ トシヤ「そして、今回の話で一番もうけたのは？」 ゆうひ「もちろん、一部始終を撮影したうちやな♪ いや、特撮も顔負けや、永久保存版やな、これは。楽しめるで〜〜♪」 愛――それはいつも儚い……… ＦＩＮ |