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※Ｍakotoさん宛ての２００００ＨＩＴ記念画像に、由樹さんがＳＳを付けてくれたものです。 第１章 勘違い （作：由樹） 「はい、アイリーンさん。 可愛いですよー」 向かうカメラマンがアイリーンに言う。 「あはは 褒めても何にも出ませんよ〜♪」 そう言ってる アイリーンは笑顔。 「でましたよ♪」 「へ？」 「笑顔♪ それだけで、充分ですよ。 ぼかぁ」 「も、もうなに言ってるのよ〜」 ここは、あるプライベートビーチ。 アルバムのジャケット写真を撮る為に先日から泊りこんで居るのは 【若き天才】アイリーン・ノア その人であった…… ―――― 「で、これがそのジャケ写なのね」  アイリーンとフィアッセの部屋で サンプルを見て フィアッセが口を開く。 「そ、あたしの柄じゃないよねー」 さばけた口調で言うのはアイリーン。 もちろん 二人とも母国語である英語で会話をしている （って事にしてください）。 「ふぅ〜ん……」 「な、何よ……」 いやらしいとも言える フィアッセの視線にアイリーンがたじろぐ。 「誰に向かっての笑顔なのかしら？」 にやにやとした笑みを浮かべてフィアッセがアイリーンに詰め寄る。 「な、なんの事かなあ？」 宙を泳ぐ アイリーンの視線。 （こいつ 高町って子と付き合い始めてから 絶対！ 性格 悪くなった！） （私には解る……アイリーンはきっと恋してるのよ ……親友として……同僚として……是非 叶えてあげないと） 「で、誰なの？」 「だから……」 「誰？」 「ねぇ？ フィアッセ？」 「うんうん♪」 （ダメだ……聞いてるようで聞いてない……） 「誰なの？」 「そう ファンの為よ！ ファンの！」 「ふぅん〜……」 フィアッセはいかにも 不満な表情で頷く。 「じゃ、私出かけてくるね」 「は？」 「今夜は泊ってくるから♪」 そう、言ってフィアッセは出て行った…… 「なんなのよ……」 ――高町家―― 「と、言う訳なのよ」 フィアッセは目の前の男――高町恭也にいきさつを伝える。 もちろん、【事実では無く】 アイリーンがジャケット写真撮りのスタッフの誰かに片思いをしている と、言う風にだ。 「……それで 俺にどうしろと？」 まってましたとばかりにフィアッセが近づく。 「そう！ それなのよ！ 恭也 アイリーンを尾行して♪」 「……何故だ？」 「それで相手が解るわ きっと♪」 フィアッセの瞳が輝いている…… 間違いなく……本気だ。 「いや、それは迷惑だろう？ アイリーンさんの性格なら自分でなんとかすると思うし……」 「甘い！」 急に怒り出す フィアッセ。 「恭也は、私がどれだけ 思い悩んだと思う？」 とたんに悲しみに表情を埋め尽す。 「１０年……いいえ、もっと…… 私は……恭也との事ばかり考えていたの……」 頬を染めて ぶつぶつと小声で語りだす。 最早 恭也は眼中に無い。 「そう……瞳を閉じて毎日会うのが楽しみだった…… 恭也は 今ごろどうしてる？ とか どんな娘が好み？ とか…… 恭也は……その……どんな風に[したい］のかなんて…… もう、何言わせるのよ♪」 と、フィアッセが突込み用に手の平を出したら…… 「居ない？ 恭也〜 恭也ー きょぅやー」 泣き出しながら捜し始めた…… ぷるるる♪ 電話の音が響く。 「もしもし ノア・クリステラですが？」 電話に出たアイリーンが【英語】でそう言う。 「もしもし、こちら恭ちゃんですが……」 その言葉に【日本語】でアイリーンが答える。 「あー、はいはい。 どうしたの？ フィアッセなら居ないよ？ てっきり……そっちだと思ったんだけど……」 「それがですね……」 「うん？」 「フィアッセが……」 「うんうん」 「アイリーンさんが片思いしてると暴走してます」 かたん…… アイリーンは受話器を落した…… 「もしもし？ もしもし！？ アイリーンさん？！！」 「あー ごめんごめん…… そっか……逝っちゃってたか……」 「本当だったんですね…… 解りました フィアッセは当分 こちらで預かります！ 邪魔はさせませんので ご安心ください では！」 ぷーぷー「まって！ 切れてる…… この……似た者カップルがぁぁぁ！！」 叫んでも誰も聞こえないマンションの一室…… アイリーンは激しく後悔した…… 同居人に…… 「恭也……何所？」 泣きつかれたのかベッドでうずくまってる フィアッセ…… 「ごめん……」 恭也はその頭を優しく撫でる…… 「ううん……いいの…… じゃ、アイリーンの恋のために……」 笑顔。 「その事なんだけど……」 「うん？ 何♪」 凄く凄く嬉しそうに。 「ここは黙って見守った方が……」 「どうして……そんな事いうの？」 悲しげにうったえる。 「いや、他人がどうこう出切るもんじゃ……」 「だからって！ 自分で何とかできる事？」 「それは……」 恭也には答えられない……口説いた事がないから…… 「私はね……幸せだよ…… 恭也が居てくれて……」 突然の言葉に恭也の頬が染まる。 「だからね…… アイリーンにも幸せになって欲しいの……」 泣いた……恭也は泣いた。 そのフィアッセの笑顔が本当に幸せそうだったから…… 否 その親友を思う心に。 「解った 俺も手伝う！」 恭也は固く決意した！ もう怖い物なんて無い 二人でアイリーン（さん）の恋を叶えよう そう、固く手と手を握り見詰め合った…… そのムードのまま……口付けを交わす…… 「……ん……恭也……（はぁと）」 二人は身も心も一つになって行った…… ――翌朝。 「で、俺はやっぱり尾行か？」 「うん、相手が解らない事にはどうしようもないし……」 「だが、俺は相手が誰だか見分けられんぞ？」 「ふふ……抜かり無しよ！ ジャジャーン ビデオカメラぁ♪ これはね 「……知ってる」 あはは そうだよね♪」 本気でストーカー化するつもりの二人だった…… ――アイリーンは思う―― おかしい 大人し過ぎる？ いったい 何を企んでる？ そう、思っても何も解らない…… 怖くて 高町さんに家に連絡など取れない…… そうして……数日が過ぎた…… ――高町家―― 「解ったわ 恭也！」 「解ったのか！」 「うん。 これこれ これ見てよ。 Ｍａｋｏｔｏさんよ！」 そう言ってフィアッセが画面のＣＤアルバムを指差す。 「Ｍａｋｏｔｏさんへ なんて、【あのアイリーンが】書くはずないもの これは絶対ね♪」 「そう言うものか……」 「うん♪」 「で、誰か解るか？」 「アイリーンが出してる アルバムのアイリーン担当の人…… だったかな？」 「はっきりしないな」 「あはは、でもこれで相手は解ったわ。 １度 アイリーンの家に行って来る！ あの娘におしゃれの一つも教えないと…… インディアンスタイルじゃ、 男性に受けは悪いって事も含めて」 もう、帰るって事にすらなって無い。 「頑張れ フィアッセ」 「うん♪」 極上の笑顔で答えて行った…… ……………… ………… …… その後…… アイリーンが泣いて泣いて 泣きまくって否定した結果。 フィアッセが折れた…… 「もう……恥かしがらなくても良いのに……」 と、最後も言ってたのがアイリーンを不安にさせたままだけど…… そして……あのビデオテープはと言うと…… 「あれ？ これ何のテープ？」 「あ？ なんだろ？」 月村忍と高町なのは 二人 そろってビデオテープのお披露目をしていた。 体育祭や文化祭など…… なのはがデッキを買い変えた為 ついで と、言う事らしい…… 「うわ アイリーンさんだぁ♪」 忍の嬉しそうな声が響いた…… どうやら この騒動はまだ続くようで…… |