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〜〜はじめに〜〜 時代設定としては、Ｔ３那美ＥＮＤの一年後です♪ 筆者独自の設定があり、読者方々の知り得る内容と異なる部分が多々あるかと思います。 また、このＳＳは会話を主体として作製したＳＳです。 そのようなことをあまり気にしないという方はご覧下さい。 「今年の桜も綺麗ですね」 「はい、そうですね〜♪」 「これで、もっと落ち着いてお花見が出来ればいう事ないんですが……」 「そ、そうですね…… で、でも、皆さん楽しそうでいいじゃないですか♪」 「確かにそうですが……、うちとさざなみ寮の方々が集まると何か良からぬ事が起きそうで…」 「うう……、実は私もそう思ってました……」 「何事も無く終わってくれればいいのですが……」 「はい〜……」 そして、二人は溜息を吐きながら周囲を見回す。 そこには、去年のお花見の時のメンバー＆さざなみ寮の面々、さらにはフィリスや薫の姿まである。 何故こうなったか…… 簡単である。今年も那美さんに、ここ桜台のお花見場を借りられるよう寮のオーナーである槙原愛 に頼むよう話すと、丁度同じ日にさざなみ寮もここでお花見をすると言った為、ならば一緒にと美 由希、晶、レンが言ったからである。 （取り敢えず、仁村さんやリスティさんみたいな要注意人物に捕まらなければ何とかなるかな？） 恭也はそう考えながら冷たいお茶を啜る。 「それにしても、ここの桜は毎年綺麗ですね♪」 那美は紙コップの中の甘酒を『コクコク』と飲みながら話す。 恭也は『はい』と答えながら、那美が作ったという料理に箸を伸ばし、口に放り込む。 その様子を見た那美が、顔を赤くしながら恭也の顔を覗くように恐る恐る聞いてくる。 「あ、あの〜、いかがでしょう？」 （か、かわいい……） 「恭也さん？」 「あ、はい、美味しいです。 那美さん、また腕を上げられたんじゃないですか？」 「そ、そんなことないです〜、耕介さんの教え方が上手だからですよ〜♪」 「いえ、那美さんが頑張ったからですよ」 「わ、私は、恭也さんに美味しいものを食べてもらいたいって思って、耕介さんに言われた通りに 作っただけですから、ゴニョゴニョ……」 「それでも自分は、那美さんの料理の腕は上がっていると思いますよ。 どこかのバカ弟子にも見習ってもらいたいです……」 「あ、あはははは……」 「ねえ、真雪」 「ん、あんだよ？」 「何か、あっちの方から熱い空気が流れてくるんだけど……」 真雪はリスティが指差す方を見ると、そこには恭也と那美の姿が…… 「ほうほうほう……、こりゃあ酒にやられる前に、あの熱さでやられちまうな……」 「だろ？」 「その前に一つ遊んでおくか？」 「勿論♪」 「じゃあな……、こゆうのはどうだ？」 真雪はリスティに耳打ちし、自分の考えを教える。 「真雪、それマジで実行するの？」 「お前は他にいい案があるのか？」 「いや、ないけど……、やばくない？」 「あとでガンガン酒飲ませれば忘れちまうんじゃないか？」 「相変わらずだね……」 「で、やらないのか？」 「勿論やるさ♪」 「じゃあ手始めに、ボーズは那美、あたしは高町兄からだ。その後に入れ替えて遊ぶぞ」 「で、最後に………、って事だね♪」 「そうゆう事だ♪」 「でも二人だけだと大変じゃない？」 「そうだな……、じゃあ、ボーズは猫と舞を言いくるめな、あの二人なら乗ってくるだろ？」 「真雪は一人で大丈夫なの？」 「そうだな……、あたしは一人でもいいかな。もしかしたら途中で誰かを巻き込むかもしれんが」 「ＯＫ♪ じゃ、僕はあっちで美緒と舞いに話してくるよ♪」 「じゃあ、あたしは那美が離れたら高町兄を呼ぶ」 そういうと、真雪は再び酒に手を伸ばし『グビグビ』と飲み始める。 恭也は那美の手料理を食べ始めてから暫くすると、リスティが那美を連れて行ってしまったために、 いまは一人でお茶を啜りつつ花見を堪能していた。 「よぉ〜う、高町兄♪ 調子はどうだ？」 「に、仁村さん……」 「あんだよ、その嫌そうな顔は？ あたしみたいな酒飲みの相手はしたくないっていうのか？」 「い、いえ、そんな事は……」 「じゃ、ちょっくら横を借りるよ……っと」 真雪は恭也の隣に腰を下ろすと持って来たコップに酒を注ぐ。そして、一杯に満たすと持っている 一升瓶の口を恭也に向ける。 「ほれ……」 「あの、自分は下戸なんで……」 恭也は酒を断ろうとして、真雪に声を掛けるが一向に瓶を下ろさない。 「下戸なんですが……」 下ろさない…… 「あの、仁村さん？」 下ろさない…… 「その……」 下ろさない…… その後、同じ事を５回ほど繰り返すが、一向に瓶を引かない真雪に対し、恭也が仕方無いといった 感じで折れ、コップに残ったお茶を飲み干し、それに酒を注いでもらう。 真雪は満足そうな顔になると、酒を美味そうに飲む。対して恭也は、舐めるように飲み始める。 （不味い……、しかもこの酒、なんか強くないか？） 恭也は、舌が痺れるような感覚を感じ、コップを置く。 既に飲み干してしまった真雪は再びコップに酒を注ぐと恭也に話しかける。 「那美とはどうだ？」 「……？」 「うまくやってるかって事だよ？」 「あ、はい。 お蔭様で」 予想外の落ち着いた会話に、恭也は少し驚きながらも再び酒を口に運ぶ。 「で、那美の具合はどうだった？」 「ぶっ！！」 「あいつは神咲姉みたいに引き締まってはねぇ〜かもしんねぇが、なかなかいい体だったろ♪」 「ゲホッ！ ゲホッ！ に、仁村さん、突然何を……」 「あん？ 酒の席にこういった話はつき物だろ♪ で、どうだった？」 「ど、どうって……」 「ん〜？やるこたぁ〜やってんだろ？」 「…………」 「気にすんな、気にすんな♪ あのかってぇ〜神咲姉も風高時代にゃ耕介の野郎とやるこたぁあ〜 やってたんだからよ♪」 「薫さんと耕介さんが……、ですか？」 「ああ、もぉ〜うるさくって敵わなかったぞ♪」 「というか、何故仁村さんはその事を知ってらっしゃるんです？」 「漫画家にゃあ夜も昼もなくってねぇ〜♪」 真雪は『ケケケッ』と笑いながら再びコップの酒を飲み干す。 「あの分じゃあ、那美の奴も結構な大声なんじゃねぇのか？」 「いや、それほどでは……って、何を言わせるんです！？」 「ほほぉ〜う、そうか、そうか♪ 那美はあんまり声は大きくねえのか♪ で、胸はどうだ？あたしが揉んだ限りじゃあ、神咲姉の方が今も昔も勝ってるみたいなんだが？」 真雪の言葉に恭也は『チラッ』とだけ、耕介と差し向かいで飲んでいる薫に眼を向ける。 （確かに、那美さんよりも薫さんの方が……） 「ケケケ、那美より、神咲姉の方が大きいってツラだな♪」 「な、なにを言ってるんですか、そんな事は考えていません……」 「ほほぉ〜う、じゃあ何でさっき神咲姉の方を見たんだ？ 胸の大きさを確認するためだろ？」 「い、いや、別にそういった意味で薫さんを見た訳では……」 「なんだ、やっぱり見たのか？」 「ぐっ……、見たのを知ってたんじゃないんですか？」 「鎌かけてみただけだよ、ケケケ」 一方、リスティ、美緒、舞に囲まれている那美は……… 「で、恭也とはどうなんだい？」 「どうって、仲良くさせてもらってますよ♪」 「そんなマトモな意見は聞いてないのだ！」 「そうですよ、那美さん！ボクの今後の為にも色々教えて下さい！」 「ま、舞ちゃん、今後のためって……、彼氏できたの？」 「う……、そこを突かれると痛いんですけど……、こ、この先、彼氏が出来た時のためにです！」 「じゃ、ボクはオーナーの娘として、寮生の生活を把握するためだな♪」 「あちしは寮の先住民としてなのだ♪」 「オ、オーナーの娘も先住民っていうのも、あまり関係がないのでは……？」 「それは、舞には言えても、ボクや美緒には言えないって事かい？」 「ズルイのだ！えこひいきなのだ！」 「あ、あのあの、そうゆう訳では……」 「じゃ、言うんだね♪」 「え？ え？ え？」 「じゃ、話してもらうのだ！」 「まずは馴れ初めからですかね？」 「う〜ん、その程度だったら……」 そして、那美は恭也との馴れ初めを語ってしまう。 「へぇ〜、神社で会ったのは知ってたけど、そんな昔に会ってたなんて初めて知った……」 「リスティも知らなかったの？」 「はぁ〜、ロマンチックですね〜♪」 「それじゃあ、そろそろ本題の方にはいろうっか♪」 「ラジャッタのだ♪」 「うう〜、ドキドキする〜♪」 「え、え〜と、これで終わりじゃないんですか？」 「そんな事ある訳ないのだ♪」 「そうですよ、那美さん♪」 「あう〜〜」 「じゃ、じゃあその、那美さんは、初めてってどこでしたんですか！？」 「おっ！？ 舞ぃ〜、なかなかいい質問するじゃないか♪」 「えへへ、そうですか♪」 「じゃ、早速話してもらうのだ♪」 「ちょ、ちょっと待ってください！な、何でそんな事まで聞かれなきゃいけないんですかぁ〜！」 「なんだ、那美は人に言えないような所で恭也としたのか？」 「ど、どこでしちゃったんですか、那美さん！？も、もしかして、学校とか！？」 「まさか、寮に誰も居ない時を見計ってミユキチ兄を連れ込んだとか！？」 「違います！違います！そんな所じゃ、まだしてません！」 「まだって、これからはするつもりなのかい♪」 「ち、違います！そんなんじゃなくって……、と、とにかく、言えません！」 那美は『プイッ』と横を向いて膨れっ面をする。 「那美、そんな事言わないで、こっち向けよ♪」 リスティがそう言いながら肩を掴み強引に正面を向かせようとする。 「ちょ、リスティさん、やめてください〜」 那美はリスティに抗議の声を上げ、振り向く。 「あ……」 「え？」 「へぇ〜♪ そんなところで恭也としてたんだ♪」 そういうと、リスティはニヤニヤしながら那美を離し、美緒と舞の三人で肩を組むようにしてヒソ ヒソと話す。すると……、 「な、那美さん、そんな所でしたんですか！？」 「那美、凄いのだ！！」 突然、美緒と舞の二人が驚きの声をあげ、興味津々といった感じで那美の顔を覗く。 「リ、リスティさん、ひょっとして、読んだんですか？」 リスティは那美の問いに答える代わりにコップに注いであった酒を一口飲む。そして…… 「いや〜、ボクも那美がそんな所でしたとは思わなかったよ♪」 それを聞いた那美は心を読まれたと思い、顔を赤くする。 そして、三人は口々に『そんな所で〜』やら『あんな所で〜』と囃し立てる。 「も、もういい加減にしてください！別に神社でしたっていいじゃないですか！！」 「えっ！？」 「おっ！？」 「おおっ！？」 那美の言葉に三人は驚きの声をあげると、顔を見合わせハイタッチをしてみせる。 「やったのだ♪ リスティの言った通りなのだ♪」 「す、凄いです、リスティさん！まさか本当に成功するなんて思わなかったですよ、ボク♪」 「いやぁ〜、ボクもこれほど上手くいくとは思わなかったよ♪」 「え？ え？ え？ ひょ、ひょっとして読んでなかったんですか！？」 「ああ♪ だって両手を那美の肩に乗せてたら能力制御のリモコンなんか操れないじゃないか♪」 「あ……」 「那美はあいかわらずおっちょこちょいなのだ♪」 「でも、神社って事は巫女服でしちゃったんですか！？ はぁ〜、那美さん凄いなぁ〜♪」 三人はニヤニヤと赤面する那美の顔を覗きこむように見ている。 「それじゃあ、次は、恭也の体はどうだったか聞かせてもらおうか♪」 「か、体って……（ボッ）」 三人は、真っ赤になり、既に半思考停止状態の那美の顔をニヤニヤと見る。 「おおっ！？ トマトみたいに赤くなったのだ♪」 「恭也さんの裸を想像しちゃったみたいだね〜♪」 「う〜ん、この感じだと特に、部分的に想像したようだな♪」 「ぶ、部分的にって、私そんなところ想像してません！！」 三人の言葉に我に返った那美が声を荒げ、リスティ達がさらにニヤニヤした顔つきで言う。 「おいおい那美、そんな所って、どんな所だい？」 「そうなのだ、どんな所なのだ？」 「ど、ど、ど、どんな所なんですか？」 「ど、どんな所って………（ボンッ）」 「ありゃ……、ショートしちったのだ」 「ま、また同じ所を想像しちゃったんですね……」 「しかも、今回はさっきよりも、さらにリアルにだな……」 「で、これ（那美）はどうするのだ？」 「う〜ん……、取り敢えず、真雪に聞いてくる……」 「ラジャッタのだ♪」 「わっかりましたぁ〜♪」 そして、リスティは真雪にどうしたものかと問う。 「そうか……、仕方無い。後は高町兄にだけをしぼるか……」 「じゃあ、美緒と舞はどうする？連れてくる？」 「………そうだな、あいつらも参加させるか♪」 「ＯＫ じゃ、二人とも呼んでくるよ♪ で、那美はどうする？」 「あん？」 「復活しないんだよね……」 「ふむ……、ま、この時期ならそこら辺に置いといても大丈夫だろ？ そこに捨てとけよ♪」 「ＯＫ♪ じゃあ、美緒と舞を連れてくるよ♪」 「じゃ、あたしはその間、高町兄でまた遊んでるか♪」 そして、恭也はその後一時間以上にわたって真雪、リスティ、美緒、舞のひやかしやからかいとい った口撃に曝され続けた…… 四人の口撃から解放された恭也は、那美がいまだ呆けたままであることに気が付き近づいた。 「那美さん、大丈夫ですか？」 「あ……、恭也さん……」 「何か飲み物でも持ってきましょうか？」 「あ、はい。 お願いします……」 恭也は、近くにあったお茶のボトルを取り寄せ、空いているコップに注ぐと、それを那美に渡した。 「どうぞ……」 「ありがとうございます♪」 那美は、恭也から冷たいお茶をもらい『コクコク』と喉を鳴らしながら飲む。 「そういえば、恭也さんは真雪さんとお話されてたと思うんですけど、大丈夫だったんですか？」 「はぁ……、なんと言いましょうか、色々と聞かれました……」 「うう……、すみません、うちの関係者が……」 那美は恭也に謝ろうとしたが、よろけて恭也に抱きつくような格好になってしまった。 「な、那美さん！？」 「す、すみません！ さっき、リスティさん達とお話してるときに、色々と飲まされてしまったも ので……」 「……それでは、……少し横になりますか？」 そう言うと、恭也は胡坐をかいている膝を『ポンポン』と叩く。 「え？ でも、そんな事したら、真雪さん達にまた何か言われるんじゃないでしょうか？」 「大丈夫ですよ、真雪さんとリスティさんは薫さんや耕介さん、愛さん、それにうちのかあさんや フィアッセ達と飲んでいますし、美緒さんと我那覇さんはうちの連中と話していますからね。 隅っこの方でなら目立たずに済むでしょう」 恭也の言葉に那美は少し考え、顔を赤らめながら恭也に言う。 「あ、あの……、それじゃあ少しだけいいでしょうか？」 「はい、どうぞ」 恭也は隅の方に移動し木に背を凭れさせると、胡坐を組み、そこに那美が横たわる。 「はぁ〜、何か気持ちいいです〜♪」 「そうですか、それは良かったです」 恭也は、自分の膝に横になった那美に微笑みかけ、那美の顔にかかった髪をそっと梳く。 「ありがとうございます♪」 「はい。 それと、このまま寝てしまっても構いませんよ、終わる頃には起こししますから」 「はい、ありがとうございます♪」 そして、那美は恭也の言われるまま、微かな寝息を発てながら寝入ってしまった………  〜〜３０分後〜〜 那美は一瞬、恭也の足が強張ったような感じがしたので、眼を覚ました。 「恭也さん？ どうかしたんですか？」 眼を擦りながら、那美は恭也の顔を見ると、少し緊張しているのが見て取れた。 「恭也さん？」 「な、那美さん！？ すみません、起こしてしまいましたか？」 「あ、はい、起きちゃいました♪ でも、とっても気持ち良かったです♪」 「は、はい、それは自分としても大変嬉しいんですが……」 「どうかしたんですか？」 「えっと、その、なんと言いましょうか……」 那美は、恭也がチラチラと正面、那美の背の方を見ているので、頭を恭也の膝に預けたままの状態 で反対側を向いた。 「！？」 振り向いた瞬間、那美は『ガバッ』っという音を発てながら跳ね起きる。 「か、薫ちゃん！？ いつからそこに居たの！？」 「ついさっきからじゃが…… 何か、見られちゃマズか事でもしとったのか、那美？」 「そ、そんな事はないんだけど……、薫ちゃん、何か怒ってない……？」 「あ、あげな事を身内以外の者から聞けば、誰でも怒りよるのは当たり前の事じゃ……」 「？」 怒りを堪え『プルプル』としながら言う薫の言葉に、那美は何の事を言っているのか分からないと いう様に、首をかしげる。 そして、それを見た恭也が、そっと那美に耳打ちする。 「那美さん、どうやら先ほどの会話を真雪さんやリスティさんが、薫さんの目の前で口を滑らせて しまったらしいんです……」 「さっきの会話って…… も、もしかして、リスティさんが神社でしちゃった事、薫ちゃんに言っちゃったんですかっ！？」 「な、那美さん声が……」 恭也の言葉に、那美は驚き周囲の者が聞き逃しはしないような大声を上げてしまった。 「そ、そげな事を、大声で言うもんじゃなか！！」 薫は咄嗟に那美の口を押さえ、恭也についてくるように言うと、周囲の者が見守る中、そのまま那 美を引き摺って、皆から離れて行った。 「じゃ、仁村さんやリスティが言ってた事は本当の事なんだね？」 「はい」 「う、うん……」 「まったく、よりによって仁村さんやリスティにバレるとは……」 「うう〜、ごめんなさい、薫ちゃん……」 「まぁ、那美と恭也君がそうゆう事しとるくらいの事は初めて会った時からわかっちょった事じゃ が……」 「え！？ そんなに前から知ってたの！？」 「当たり前じゃ、あんなに慌てて説明したら和真や北斗でも分かる」 「あう〜……」 「で、こげな事が皆にバレたんじゃから、責任は取ってくれるんじゃろうね、恭也君？」 「せ、責任というと、やはり『結婚』という事でしょうか？」 「えっ！？」 『結婚』という恭也の言葉に那美は驚き、恭也の顔を見る。 「ま、そうゆう事じゃね。すぐにとは言わんが、そういった事を考えては欲しいんじゃけど？」 「そうゆう事でしたら、自分は喜んで。というか、将来的にはそうなれたらと考えていましたから、 何もいう事はありません。那美さんがその気なら、自分はいつでも一緒になるつもりでしたから」 『え！？』 恭也の言葉に、今度は那美のみならず、薫も驚く。 そして、その驚き声は恭也達の背後からも聞こえてきた。 「かあさん、それに皆も盗み聞きはいい加減にして、もう出てきたらどうなんだ？」 恭也は背後に感じる気配に見向きもせずに言い、溜息を一つ吐く。 「あ、あはは…、恭也、気が付いてたの？」 「ああ……」 「じゃあ、私達がいるの知ってて、那美ちゃんに、その、プロポーズな感じの言葉を言ったの？」 「え？」 「今、恭也が言ったじゃない、那美ちゃんがその気なら、いつでも一緒になるって♪」 「あ……」 「貴方、今頃気が付いたの？」 「………………」 「そうみたいね……、まぁ、恭也の事は置いといて、那美ちゃんはうちの恭也を貰ってくれるのか しら？」 「………………」 「あら、こっちも固まっちゃってるわね、どうしようかしら……？」 「桃子さん、多分那美も二つ返事でＯＫでしょうから♪」 「あらそう？ じゃあ、二人はこれからは婚約者ということで♪」 「はい♪ では、うちの家族にも後日、うちから報告しておきますんでご心配なく♪」 「そう、ありがとうね、薫さん♪」 「いえ、うちも恭也君みたいな人に那美を娶ってもらえるなら嬉しかですから♪」 「私も、早く孫が抱けそうで嬉しいわ♪」 「そうすると、うちは伯母さんと言われるんでしょうか？」 「うふふ、私は恭也と那美ちゃんに子供が出来たら『大きいお母さん』て、呼ばせるつもりよ♪」 「じゃあ、うちはお姉さんですかね♪」 「そうね、『薫お姉さん』とか『薫お姉ちゃん』でもいいんじゃないかしら♪」 「あ、それも良かですね♪」 「それに、順番的には薫さんの方が先になるんじゃないかしら♪」 「い、いや、うちと耕介さんはまだ子供は……」 「でも、欲しいんでしょ、赤ちゃん♪」 「欲しいか欲しくないかで言えば、勿論、欲しいですけどね♪」 「じゃあ、早目がいいわよ♪ そうすれば、早くに孫も抱けるしね♪」 「そうですね♪」 「真雪、何だか話が凄い方向にずれてきてないかな？」 「だな……、しかも高町兄と那美は婚約者になって、しかも結婚と子供までがすでにあの二人の間 では確定事項らしい……」 「それに、あの薫まで子供作る気になってるよ……」 「まぁ、あたしらには関係ないし……、飲み直すか♪」 「そうだね♪」 「因みに、次の週末も宴会だからな♪」 「宴会？何の？」 「勿論、『高町兄＆那美・婚約記念大宴会！！』だ♪」 「ＯＫ♪ じゃ、来週も休暇申請しとかなきゃ♪」 「あたしは、また耕介や舞を動員して原稿をあげるか♪」 「ボ、ボクは次は手伝わないからね」 「んな事言うない、またいい酒が手に入ったら一緒に飲ませてやるからよ♪」 「そんな事言って、いっつも半分くらいは真雪が飲むじゃないか」 「もともとはあたしの酒なんだから、それくらいは構わんだろ♪」 その後、真雪とリスティは他の皆を引き連れて飲み直し始め、薫と桃子は子育て談義に華を咲かせ、 恭也と那美が復活するのは、花見が終わりかけの頃だったという………… おしまい♪ 〜〜あとがき〜〜 え〜と、最後まで読んで下さった皆さん、ありがとうございました♪ まだまだ拙い文章で、会話主体などという事をやってしましました…… 感想なぞ戴けたらありがたいです♪ |