『Lost somewhere !?』

『　Lost somewhere !?　』　（作：ｍａｎａｂｅｌｌ）

海鳴市にある国守山山中――――――

一帯の私有地のオーナーが経営する女子寮がここにあり、

周囲にはほかに住宅もなく、閑静な午後の空気に―――――――――

ガタタ、ゴトン！
｢っくぁー！ど、っこ、行、ったぁ～～～～～！！！｣
ガターン！

一部を除いて、包まれていた・・・・・・・・

『　Lost somewhere !?　』

「っかしぃなー・・・どーこやっちまったんだ・・・？」

腕組みをしつつ女性―――仁村真雪は、周囲を見ながらボヤキを漏らす

視線の先には、明らかに普段着ではない洋服、仕事道具でもある筆やら定規、白紙、スケッチブック、等などナド・・・・

それどころか、ヒット作を生み出した仕事机の上からは、物が全て退かされ、幾年かぶりに天板をさらけ出しているし

とある問題から入れ替えられたベッドからは、シーツどころかマットまではがされている始末である

普段から整頓されているとはいえない状況の彼女の部屋ではあるが、それすらも遥かに超える混沌で、床を為している

ここまでの所要時間、約１５分

オソルベシ、真雪パワー。宇宙の法則すらも凌駕するといえよう

事の発端は夕べのベランダ・・・・・・

大学を無事(？)卒業し、漫画化一本に絞り込み、ようやく新しい生活にも慣れてきた・・・

といった矢先、増刊読み切りの話が飛び込んできた。ミッションは４８ページ。月１連載の約倍量にあたる量。その上刊中カラーの大役であった。

その申し出に喜びもつかの間、それの裏打ちする事実に戦慄が走る。

Ⅹデーは月末、月刊の締め切りは第２週、そして隔週刊の納稿は第１・３週。毎日(曜日)が締切日、である。

担当は、ほかの連載を休んでも良い、と告げたが、読者を愛する作者としてはそれだけは許されなかった。許さなかった。

自然、３本の締め切り、実質４本文のページを書き込むという、苦難の幕開けと相成ったのである。

それは・・・さざなみの住人を巻き込んで（主に管理人の青年が被害をこうむった）地獄の様相を呈した。

が、本人の希望により割愛する。一言だけ、残すならば、

「・・・・コピー○ボットって、どっか売ってねぇのか？」

であったという。

さまざまな犠牲（生贄？）の甲斐あって、一本も落とすことなく、納稿することができた。

リミット、プラス１ＤＡＹ。感涙を浮かべつつ、原稿を受け取った担当が帰った後、さざなみではいつもの喧騒がうそのように静かだった翌日。

ベランダで燃え尽きたように一人タバコを吸っている影ひとつ。さざなみのセクハラ大魔お・・・とと、草薙まゆ子ａｓ真雪の姿があった。

「・・・・・・あ゛ー・・・疲れた・・・・・ぁ」

吸うでもなく、燃えるに任せていたタバコを灰皿へ据えつつ、手すりにおいてあった水割りのグラスを手に取る

「なーんでー、もう終わっちまってやがら・・・・」

未練がましく、解けた氷で大分薄まった雫をなめ、グラスを手すりに戻す・・・と、そこに新たなグラスが置かれる。

「お疲れ様っス。真雪さん」

大柄な人の影が廊下からの光をさえぎり、男性の声がかかる。振り返らずとも、声の持ち主が誰だか分かる。

ここは“女子寮”。例外を除いて、住人はすべて女性なのだから。そして彼はその例外で、ここの管理人の―――――

「おー。あんがとさん・・・・こーすけも、お疲れーさね」

姓は槙原、名は耕介。問うさざなみ寮のオーナーである槙原愛のいとこで、真雪の愛妹（本人は甚く恥ずかしがるが）の義兄もある。

二年前、先代管理人のピンチヒッターとしてきた当初は、「女子寮に男性管理人代理」ということで、かなりの風当たりがあったのだが、

勤勉さ、誠実さ、時には餌付け（笑）で以って、それらを跳ね飛ばし、今では寮生みんなのおっかさん＆兄貴的存在となりえている。

真雪に渡したのとは、逆の手に持っていたロックのグラスにひとたび口をつけ、笑みを浮かべながら、

「いやー、なになに。これも仕事の一環ですし」

そこでいったん口を止め。

「まゆに一人で無茶してほしくなったし、ね」

不器用なウインクを飛ばし、二度グラスを傾ける。

浮かべそうになった不満を先読みされ、二人きりの時だけの呼び名で優しい言葉を不意打ちで掛けられ、思わずにやつきそうになってしまう。

が、そんなことをおくびにも出さず、半眼で耕介をにらむ。

「おめー、いっちょ前に年上をからかいやがって。」
「なにゆってんスか。いつもいつもからかわれてばっかりじゃないっスよ？」
「ほっほー・・・ここんところ忙しかったからな。苛められたいんだよな？うり、うりうり」
「ちょ、わ、何するんスかっ！・・・ひっ、冷たっ！」

真雪は耕介の頭を右脇に抱え込むと、左手でグラスの中に残っていた氷をつまみ出すと、耕介の顔・耳元・首筋にそれを滑らせる。

「けけけ。あたしをおちょくった罰だ」
「もー、酷いんスから・・・まだ、顔、赤いっスよ」
「な、えっ・・・！？」

いつもの雰囲気に、と油断しかけていたところに、思わぬ反撃を受け、一瞬硬直してしまう。

それを見逃す管理人ではなかった。

その一瞬でホールドをとき、押し付けられていた真雪の左手を自分の右手で押さえ込むと、相手の正面に回りこむのと同時に伸び上がる。

あ、という間に視線の高さは逆転し、その距離の近さに面食らった真雪が動き出す前に・・・二人の距離をゼロにする。

「・・・ふ・・・ん・・・んぅ」
「あ、ふぁ・・・ちゅ・・・はっ」

久しぶりのアルコールの所為か、
久しぶりの接触の所為か、

いつに無く熱のこもった唾液の交換に、時間の流れを忘れる。

お互いの口の中と、接点で生まれた熱が、体中に広がる前に、耕介の方から離れた。

胸の内に物足りなさを感じた真雪だが、濡れた唇を撫でた微風に己を取り戻しす。

そんな風に思った自分を恥ずかしく思うがそれを極力見せぬよう、目の前の相手を睨み上げる。

「おめー、そりゃー、反則だ・・・」
「ははは。ま、お疲れでしょうから今夜はここまでにして・・・明日、ぱーっと外へ打ち上げにいきませんか」
「いや、まあ、それは構わないけど・・・別に、ここでだってできんじゃねーの？」
「お恥ずかしい話ですが、おれもちょっと疲れ気味で。
　丁度お休みも貰ったことですし、たまには後片付けなんかを気にせず楽しみたいな、と」
「あ～・・・それは、まあ、分からんでもないな」
「でしょ？・・・まあ、一ヶ月ぶりに、二人だけで、デートにも行きたいな・・・と♪」
「・・・・・っち」

普段は、１９０ｃｍの体格もあって、頼れる兄貴然とした耕介だが、こういうときの笑顔は、少年のように純粋で愛嬌がある。

それを至近距離で見てしまった真雪は、一瞬見惚れた後、舌打ちしつつ顔を逸らしてしまった。

「どうでしょう？おでかけ、しませんか？」
「あー、もー、ったく。分かった、わぁーったよ。
　んで、どこに行くんだ？タカんとこにでも行くのか？」
「ＦＯＬＸも雰囲気は好きなんですけどね。できれば、二次会にまわしたい所ですね。
　今回はちょっと気分を変えて、いつもと違うところ行こうかと。」
「そうだな。そういうのも偶には良いかもな」
「そう言ってもらえて助かりました。実は、すでにホテルのディナーを予約しちゃってるので」
「なっ・・・おい、確信犯かよ」
「まあまあ・・・夫婦は似てくるって言、うぶふっ」
「それ以上ぬかしやがったら・・・コロすぞ」
「じゅ、じゅーぶんしにそーっス・・・・」

左手は封じられたままだったので、右手の親指の付け根で以って、耕介の左腎臓を的確に殴打する。

見事な急所攻めである。よいこのみんなは真似しないように。

「そ、そういうわけなんで、また明日の夕方ぐらいに部屋の方に声掛けに行きますね。
　一応、コースなんで、それらしい服装を選んでおいてください・・・・・おー痛て」

これ見よがしにわき腹を押さえつつ、そう言い残し耕介は会談へ向かう。

「はぁ～・・・しゃーねえな～。適当に見繕うかね・・・・」

頭を掻き掻きこぼすと、二杯目のグラスを一息に空にして、自室へと戻っていった。

しかし、この言葉は履行されなかった。一月の疲れに久々のアルコールが助けをして、直後にベッドへと沈められてしまった。

締め切り明けではいつもどおり、昼過ぎに目を覚ました真雪は、あわててクローゼットを漁り、戦利品を広げていた。

部屋の主が腕を組み、その前には２着の洋服と、１着の和服が抜け殻よろしく並べられている。

「うーん・・・どれにすっかなー」

それらはすでに厳しい選考から選ばれ、悲しくも選ばれなかった服たちは見るも無残に、ベッドの端にまとめて丸められていた。

視線を左に移す。第１のコース。ツーピーススーツ選手。

シックなオリーブ色をしたそれは、ブラウスやワンポイント、着崩し方であらゆる状況に対応のできる、なかなかに有能なやつである。

これなら、「お高い」レストランで優雅なディナーと洒落込めるのも高得点。

次に視線を正面に。第２コース。ワンピースドレス選手。

上品な夜色をしていおり、大きく開いた胸元を飾るレース細工。よく見るとスリーブにも細かなレースをあしらってある。

これであのふにゃふにゃ顔が真っ赤になっているところを想像すると・・・・うれし恥ずかしい。

最後に右へ。第３コース。振袖選手。大穴である。

ねずみ色というより銀に近い、大人しめの色使い。だが、袖裾には満開の朱牡丹が染め抜かれ、えもいわれぬ色気が匂い立つ。

実家で着付けを仕込まれはしたが、面倒だから、の一言で着せる事はあっても着たところを見たものはいない。

料亭の奥座敷なんかで注しつ注されつ・・・・なんて、ちょっといい雰囲気に。まあ、今回はホテルなので、座敷はまた次回。

「・・・・・へへ・・・・ぉっと」

別に誰に見られているわけでもないのに、思わず緩みそうになった頬を、照れ隠しに撫で付ける。

（しかしまぁ・・・急なんだか急じゃないんだか。丁度良いっちゃぁ、丁度良いんだが・・・うーむ）

もともと今回の話も、真雪でも考えていたのだが、耕介に一歩先回りされていたらしい。

（ふう・・・まっ、いーさね。
　んー。そういうこったなら、あまり派手なのも着られないね・・・と、こいつでいいか）

結局、当たり障りの無いスーツにしたようだ。

（ま、久しぶりにコンタクトも入れて。あ、でも、そうなると一晩中は辛いな）
「・・・・って、何考えてんだあたしゃ！？」

普段策士な分、先の事まで考えてしまう性格が、ここに来て裏目に出てしまったようだ。

「・・・おお、そうだそうだ。そうなりゃこいつを・・・」

そういって、シャツの首元に左の指をかけ、右手を突っ込み、そこにあるべきものを・・・

「・・・・嘘だろ」

取り出せなかった。

そこにあるべきものは、鈍感だが気が利いて、対人に分別がつく割に八方美人で、寮生に（主に真雪に）扱き使われながらもそれが幸せだと感じてしまう、

さざなみ寮管理人兼全自動お助けマシーン兼雑用係、またの名を槙原耕介が、

今まで守られるだけだった妹が、自分の生きる道を見つけ、ここを卒業して行った春に、

『給料３か月分』までの意味合いは無くとも、初めて『真雪だけに』プレゼントした指輪。

普段は嵌めているが、仕事中はさすがに支障が出るのと、むくれる指に辛いため、

一緒に渡されたシルバーのチェーンに通してネックレス状にしていつも身につけている指輪。

その心遣いに、照れながらも、心満たされた、大事な指輪。

「待て・・・落ち着け、ワタシ。少なくとも夕べまではあったんだ・・・」

呟きながら、首元を探り、胸元を覗き込み、シャツをめくり、その場で小ジャンプなどを繰り返すも、それらしきものの影も形も見当たらない。

だんだんと焦燥が募る。

「あー、いつだ？最後に見たのは・・・・・・・・・・あ」

それは、夕べのこと。ベランダで・・・いや、その後この部屋で見た。というか手に取ったはずだった。

「そうだ、寝る前は、確かに、あったんだ・・・・・」

ここにいたって、何とか動揺を力技的に押さえつけることに成功すると、持ち前の作戦能力が発揮しだす。

無意識にどこかに置いた？・・・・・・それは無い。いつも肌身離さず持っていたし、無意識なら以前にもあったろうがそれも無い。

着替えたときに絡まった？・・・・・・それも無い。愚妹・バ神咲・管理人に小言を言われるだろうが、夕べは墜落睡眠をしたせいで、今の今まで着替えてない。

寝ている間に自ら外した？・・・・・・多分、無い。貰って間もない頃、細いうなじをくすぐる銀鎖に慣れず寝ながら引きちぎっていたが、

肝心の指輪は大事に握ったままだった。

誰かが悪戯で持ち逃げた？・・・・・・絶対に無い。夏休みで寮に居た美緒が、普段の仕返しか何か興味を覚えたか、指輪を寝ている間に持ち逃げたことがあった。

しかし、その後目を赤く腫らし、悪鬼も斯くやという形相の真雪に逮捕された美緒は、

懲役（耕介と真雪のお手伝い）２週間＆執行猶予（愛の監督の元お勉強）２週間の、

刑罰計１ヶ月の判決を受け、その上、保釈金（半年お小遣いＤＯＷＮ）まで払わせた。

最後は、二人きりの図書室で「次は無い。」と、口と目と殺気で釘を刺した。さすがにあれは堪えた様子だったので、もうしないと確信している。

「じゃあ・・・いや・・・でも・・・まさか・・・うぅ」

大なり小なり、思いつく限りの選択肢を浮かべるが、どれもありえないか確率的に不十分だった。

「だぁー！もー！ど・こ・い・っ・たー！」

シナリオ６２まで考えたところでパンクした真雪が叫ぶと、

「もう、お姉ちゃん、さっきからどうしたのー？」

ギゴカチャ、と、とある事情で立て付けの多少悪くなった「寮内家族用ドア」を開け、顔を覗かせたのは

「悪り・・・んで、知佳は？宿題と勉強、すんだのか」
「あははは・・・はっ、これより作戦に戻ります」

誤魔化すようにおどけて小さく敬礼をすると、すごすごと自分の部屋に戻っていく、仁村妹こと知佳であった。

そのドアに、ため息に混ぜて、小さく微笑むと、

「しかし・・・この部屋の中にあるのは、間違いないはず・・・」

そういって、自らも戦場へと踏み出すのであった。

――――――――――そして時は現在に戻る。

「なんだよ・・・どこいったんだぁ・・・？」

敗戦続きの戦況に、どこか鼻声で呟くも、目標はいまだ見つからず。

ざ、っと見まわす。積み上げられた物、切り開かれた場所。普段以上に騒然としているが、その様は普段と逆転している。

このままだと、次の仕事も出来ないだろう。

すい、と見上げる。時刻は、約束まで１時間ほど。今から片付けても間に合わないだろうことが分かる。

そもそも、それどころか、肝心のリングが見つかっていない。

ふ、とドアを見る。そこにかかっているのは、激戦を勝ち抜けた、スーツ＆スカートのツーピース。

きっと、自分を労ってくれる為に誘ってくれたのだろう。もちろん、言ってることにうそは無いことも、分かる。

これを着て、楽しそうにグラスを傾ける二人。一緒に笑いあい、語り合える、幸せ。

耕介も同じように感じてくれているだろう。単純だ、とは思わない。なぜなら、それが彼だから。

そう感じてもらえて、それに自分も幸せを感じて。

それを繰り返し、繰り返し・・・どこまでも「幸福の空間」

結果、酔い、叫び、二日酔いの頭痛に襲われても、二人には「いつものこと」

彼は笑って許してくれるかもしれない。

しかし、リングを失ったことは、「それ」も失ってしまうような気がして・・・・

「曹長殿、任務完了しま・・・うわわっ、どうしたの？！これー！」

黒くなりかけた思考を断ち切ったのは、先ほどと同様、見つめていた服のかかっているドアを開け、覗き込んできた知佳だった。

「・・・・・・知ぃ佳ぁ～」
「ど、どしたの、おねーちゃん！？何があったの・・・？」
「や・・・な、なんでも」
「なんでもないなんて状況じゃないでしょ？」
「っ・・・・あー、まあ、そのだな」

明らかに普段と違う―漫画のアシを頼む時ですら居丈高な―姉の様子を見てとりたたみ掛け、

「じーーー」
「う・・・・・・」

最後は言葉と一緒に、姉を睨み上げる。

その視線に怯んだように、自分の視線を合わせられない真雪。それだけでも十分に、普段の彼女ではありえない、異常事態であった。

出入り口、知佳の喉元、部屋の隅、足元、ツイツイ視線をさ迷わせ、

「・・・・・・どっかいっちまった。」
「え？」
「だからぁ・・・指輪、どっかいっちまった」
「はあ、指輪・・・ってー！」
「うぐ・・・」
「おにーちゃんがくれたって、すごい喜んでて、お風呂の時もずっとつけたままで、ワタシもちょっと羨ましいなーって思った、
　あの、指輪ーーー！？！」
「あぐ・・・・・・」
「どうして？！何で、どっかいっちゃうの！？
　おにーちゃんに『まだ、本命を二個渡してない』って言われたのに、『何個増えようが、この最初のも大事だ』ーって、
　いろんな意味で寂しかったけど、幸せそうなおねーちゃん見てて、私も良かったーって、
　それを、失くしちゃったの！？！」
「えぐ・・・うるせー！うるせー！！
　どっかいっちゃったもんは、どっかいっちまったんだ！！」

自分の感情を交えて続けざまに非難をする妹に、姉が逆ギレを起こしたように叫び返す。少し、目元を赤くしながら。

「あ・・・ごめん」
「いや・・・大声出して、あたしも悪かった」

その声にはっとし、追求が止み、それに応じて反撃の手も止む。

お互いに視線を相手も顔から下ろす。

残響音が止み、身じろぎする音も無いと、この山の中にある静かな寮では、自然の音以外は無くなる。

やがて、二人の間にいたたまれなくなるような空気が生じてき出した頃、

「・・・ね、お姉ちゃん、私も手伝うからさ、もう一回探してみようよ？」
「・・・ああ、助かる。でもな・・・」

助力を申し出てきた妹をさえぎり、机から窓際に移動された、黒い置き時計に目をやる真雪。

先ほど見たときからさらに時間が進んで、もう残り４０分を切るかという頃だった。

その視線を追って、知佳も気付いた。

「今日、お兄ちゃんとお出かけするんだ？」
「ああ・・・でも、もう時間がほとんど無ぇ」
「そっ・・・・か・・・・」
「情けねぇ・・・し、悔し・・・いなぁ」

唇を食いしばり、ぎゅっと目を瞑る姉。涙をこらえ、叫びそうなのをこらえるように。

始めてみる姉に、思わず気が逸れる。が、すぐに気を取り戻し、き、っと表情を引き締める。

それも一瞬のことで、すぐにふにゃっと表情を緩めると、

「じゃあ、今こそ私の出番だねっ」
「なん・・・」
「私の“力”で、指輪ちゃんを探すんだよ」
「おい・・・」

知佳の“力”。その単語に反応して、真雪の雰囲気も引き絞られる。

それは異能で、異質で、異常な力。普通の少女を、唯一、普通でいられなくしている力。

未だ原因も、発症源もはっきりしていないそれの、副作用である数々のＥＳＰは、大きな力の代償に保有者の体にも多大な負担を生じる。

最大の弊害は、それは、社会から大きく外れる異常性。マスコミ・数多の裏表の研究機関にとっては、格好の餌になるであろう。

が、そこに人権は、無い。

だからこそ、厳しくなる。普通一般から爪弾かれる、そんな寂しい思いはさせられない、させてやらない。

制止の声を上げようとした真雪をさえぎり、知佳が続ける。

「大丈夫。ここなら他に誰もいないし。“探索”なら、負担なんてほとんどないし、ね。
　ただ、あんまり慣れてないから、失敗しちゃうかもしれないことの方が、心配かなー？ってね」
「でもな」
「それに、時間ないんでしょ？
　私のことなら心配ないから。むしろ、普段の勉強と特訓の成果をちゃんと見届けて欲しいんだ。
　他の誰でもない、おにーちゃんでも無く、私の、お姉ちゃんに」
「知佳・・・・・・」
「ね？お願い・・・」
「・・・馬っ鹿、お願いするのはお姉ちゃんの方だよ。
　じゃ、頼む。失敗するんじゃんねーぞ？」
「うんっ」

これだ、と思った。

この、さざなみ寮につれてきたのは、正解だった。間違いなくそう思う。

実家の、お手伝い以外家族の誰も近付かない、うらびれた離れで、一人寂しく本を読んでいた知佳は、

ここに来て、その本来の姿であろう性格に、正しく、やさしく育った。

もちろん、当初はそれなりの反発はあった。が、愛や神奈、耕介の性格や人柄に触れて、こんなに大きく育ってくれた。

そして、すでに思っていた以上に育った。

去年の夏、隠せといっていた“力”を使い、少年を助け、それは間違っていないと強く信じ、自分に反発してきた。

今では力を使う場面に躊躇わず、望み、必要とされる所にたどり着くために努力をしている。

それは、ささやかな反抗で、これ以上無い孝行だった。

「え、と。まずはイメージ・・・
　指輪ちゃんって、シルバーの、こう、つながった二重のわっかのだよね？」
「・・・ああ、そうだ、交差が上になってて、石とか乗ってない、シンプルなシルバーリングのな」
「うんうん、大分イメージ出来てきた・・・」
「っていうか、さんざっぱら、『いいなー、いいなー』って、弄繰り回してただろうがよ」
「だってー。ホントに羨ましかったんだもん、いいじゃない少しくらい？」
「ダメだね、やんない、ケケケ。
　とか言って、その後耕介に新しい服ねだっただろ？」
「うぐ・・・ああー、もー、イメージするのの邪魔だから、静かにしてて！」
「・・・そっちが最初に聞いてきたんじゃなかったか？」

二人とも普段の調子を取り戻してきたのか、軽いやり取りをするのもそこまでで、

知佳は“探索”の前準備である“特定”のためのイメージを確かにする為、目を閉じさらに集中する。

それから秒針が３/４ほど回る頃、軽い吐息とともに目を開ける。

「まずはこんなもんかな」
「で、分かったのか？」
「まだ、これからだってば。
　・・・じゃ、サーチっ」

そういって知佳は、いつも身につけている抑制装置であるピアスのコントローラーをポケットから取り出し、スライドスイッチを動かして能力を開放していく。

それに釣られて、知佳の背後で光が集まり・・・純白の翼が一対生まれる。

能力者に共通の、だが知佳だけのリアーフィン、「ＴＥ－０１／エンジェルブレス」

本来３対なのだが今は限定解除のためか１対だけ現れた、「天子の祝福」と名づけられたそれは、まさに知佳をそれらしく見せている。

それと同時に、微かに、鍛えた鋼を想像させるような金属音が響いた。

“探索”が始まったのだろう。

知佳本人の意識も、あちらこちらに動いているのか、「うむむむ・・」と唸りつつ、注意があちこちに移る。

真雪も、まんじりとして、その様子をじっと見ている。

ゴキュ。と、知らずの内に、生唾を飲む。

どれくらいそうしていたか。５分？１０分？

「おい・・・」
「あ、見つけた・・・・！」
「なっ・・・マジか！」

待ちきれなくなって声をかけようとした真雪をさえぎって、知佳が発見の報告をした。

それを聞いた真雪の反応の、余りの声の大きさに、一瞬イメージを手放しそうになる。

心を落ち着け、相対的な位置から、大体の所在地を割り出そうとする。

「うん・・・結構・・・近いみたい・・・」
「そ、それでっ、何処にあるんだ・・・っ？」
「これは・・・二階？・・・の廊下、かな」
「っ！」

それを聞くや否や、真雪はドアへと向かう。

「うん？・・・移動してる？」

部屋に積みあがった荷物を避けながらドアに駆け寄る真雪。

自分が歩くより、少し速めの速度で移動する指輪。

そしてもう一つ。この部屋に近付いてくる、足音は、いつも聞いてる・・・・・・

「お、おねーちゃんドアの前っ！・・・・・・・・あっ」
「見失ってたまるっ・・・！・・・・・・・・・・な！」
「そろそろ時間ですよー、真ゆーきさ・・・・・・え？」

集まったパーツを組み立て、姉に告げようとした知佳の見聞きしたものは、

指輪のことしか頭に無い姉が、飛び出そうとドアを勢いよく開ける姿と、

出発の時間が近付いてるのを知らせに来た義兄が、廊下からドア越しに掛けてくる声。

次の瞬間発生する、『ボグん！』盛大な衝突音。続いて、『ドタッ』大柄な人物の倒れる音。

「あ・・・悪りぃ・・・・・・」
「グハ・・・・・・あがが、か、顔が・・・腹が・・・・・・」
「おっ・・おにいちゃーーーーーん！？」

真雪を追って廊下に飛び出した（文字通り、宙を飛んで）知佳が見たものは、

ドアノブに手をかけたまま、苦笑いで立ちすくむ姉と、

倒れた格好で、顔を左手で覆い、右手は下腹部のちょっと危ないところを押さえて唸る義兄の姿だった。

知佳はその後、決まりの悪さから動かない真雪を促し、力で持ち上がらせた耕介を一先ず部屋の中に運び込んだ。

剥ぎ取られたソフトマットを、これも力で元の位置に戻すと、そこに耕介を横たわらせる。

「お兄ちゃん、大丈夫？」
「ああ、知佳、ありがとなー。もう、ほとんど大丈夫だから」

顔を強く打ったため、心配する妹を見上げる目は潤んでいたが、見た目に酷い外傷はなさそうだ。

「もう・・・事故だからしょうがないけど、お姉ちゃんも黙ってないでちゃんと謝らないと」
「ああ・・・悪かった、ゴメン。痛かったか？」

言って、真雪が耕介の額、ぶつけたであろう箇所に触れる。

「いつっ！」
「あっ、ご、ごめっ！あたしって、何でこうがさつっつぅか、突っ走っちまうんだか・・・」
「なーんて。いや、ホントに大丈夫っスから。確かにまだ痛みますが、もうそれほどじゃないんで。
　そんな、しょげた顔しないでくださいよ」
「・・・ゴメン」
「はぁ。お兄ちゃんもこう言ってくれたんだから、もう終わりにしよ？
　お姉ちゃん、今日はそれでなくてもらしくないんだから
　・・・って、そうだ、指輪！」
「あぁ！忘れちまうとこだった！知佳、指輪の反応はどうなってる？！」

直前まで、何をしていたかを思い出した二人が声を上げるが、そこに

「・・・らしくないって言えば、この部屋どうしたんです？」

実際、最初から気付いてたのだろうが、今になって耕介が周りを見ながら尋ねる。

「・・・・・・っ」
「あ、あははは・・・あのね、お兄ちゃん、実は・・・」
「いい、知佳は黙ってろ。あたしからちゃんと・・・言うから」
「お姉ちゃん・・・」
「何かあったんスか？」
「あの、あのな・・・実は・・・その、指輪を・・・な？」
「ああ、やっぱり・・・これのことっスね」

と、ひよこ柄のエプロンについているポケットから、綺麗に４つ折にされたハンドタオルを取り出し、

それを知佳と真雪に差し出しつつ、開いてゆく。

「「・・・・・！！」」
「今朝、洗濯物を受け取りに回ってたんですが、真雪さん寝てたんで。
　起こすのも悪いかなーと、勝手に入らせてもらって、脱いだ後の汚れ物を勝手にもってっちゃったんです。
　そしたら、その、下着にこれが絡まってて」

差し出された指輪に、声も無く真雪は手を伸ばすと、まず鎖に指を絡ませ、巻き取るように手繰り、最後に指輪をしっかりと握る。

指輪を握った右手を、さらに左手で覆い、差し出したときと同じようにゆっくり、ゆっくり胸に抱く。

「いやー、さっきまで寮のことでここの物音が聞こえなかったんっすが、さっき大声上げたでしょ？
　起きたんだと思って、探してたら・・・・真雪さん？」
「う、っく・・・ふうぅぅ・・・うああぁぁあ！」
「まゆ・・・ど、どうしたん・・・」
「お、お兄ちゃん！もうそろそろ時間なんでしょ？お姉ちゃんの支度はわたしが手伝うから、お兄ちゃんも部屋言って支度しておいて！」
「え、あ、ちょっと、おいっ・・・」

突然泣き始める真雪に慌てる耕介を、知佳は追い出す。

しばらく廊下で立ち尽くした耕介だったが、時間が時間なので頭をボリボリ掻きながら、自分も支度のために一回の自室へと戻っていく。

その足音を聞いて「ふう」と息をついた知佳は、声も上げずに泣いている姉の背中を見やり、

「良かったね、お姉ちゃん」
「・・・っ！・・・っ・・！」

頷く姉の背中をさすり、優しく声をかけながら、

（さて、着替えはどこだろう？）

今だ荒れ模様の部屋を見回し、途方にくれるのだった。

「・・・・・・って言うのが、今回の顛末だよ」
「ぷっ・・・い、いや、笑っちゃ悪いな。でも・・・」

今、耕介と真雪の二人が居るのは、とあるホテルの７５階にあるショットバーであった。

あの後、表面上だけでも落ち着いた真雪を手伝って、知佳は何とか支度を終えさせた。

幸い、着替えに選んでいたスーツはドアにかけっぱなしだったので、あの混乱には巻き込まれず無事であった。

それから後は早かった。といっても、女性の身支度にはそれ相応の時間がかかるのだが。

化粧を終え、ハンドバッグを持たせると、知佳も玄関まで見送りについていった。

そこにはすでに耕介が待っており、こちらもいつも見慣れたトレーナー姿ではなく、

落ち着いた感じのするダークブラウンのスーツパンツに、インナーは蜂蜜色したポロシャツと、

ずいぶんめかしこんでいる。

「お待たせ、お兄ちゃん。それじゃあ、お姉ちゃんをよろしくねー」
「おーぅ。任せとき。知佳も、ちゃんとご飯食べるんだぞ。
　片付けは帰ってからするから。なんだったら外に頼んでもいいからな」
「あはははー、大丈夫だよー。外だと、みなみちゃんが怖いことになりそうだし」
「うっ・・・それは確かに」
「へー。後でみなみちゃんに言っちゃおっかなー？」
「おいおい、勘弁してくれよ・・・・大体、言い出したのは知佳じゃないか？」
「なんちゃって、ね。まあ、気にしないで、楽しんできてね。お姉ちゃんと一緒に」
「分かってるよ、ありがとな」

軽くやり取りをし、最後に聞き分けのいい義妹の頭を撫でる。

「・・・っじゃ、行くとしますかっ」
「・・・おう」

まだぎこちない真雪を促し、耕介は寮の横に止めてある真雪の車へ歩み寄っていった。

それについて玄関を出た真雪が振り返ると、知佳が笑顔で手を振り送り出してくれていた。

それに向かって、自分も手を振り替えすと、先に行ってしまった耕介にキーを渡すため車に駆け寄っていった。

その後、大いに料理を楽しみ、今回の修羅場について語り、一通りの料理が運ばれる頃には、真雪も落ち着いていた。

ひとしきり喋り、笑った後、上階へと移ったのだった。

「いやー、そこまで大事にされてるなら、こっちも嬉しいというか、
　指輪に嫉妬しちゃいそうというか」
「何馬鹿なこと言ってんだよ」
「いえいえ、結構本気っスよ？」
「・・・馬っ鹿、おめー、良くそんなセリフ、恥ずかしげも無く言えるな？」
「だって、酔ってますもん。じゃなきゃ、こんなこと口に出せやしませんって」
「ぷっ・・・それもそうだな」
「・・・ま、口に出さないだけで、心じゃ真雪さんのことで一杯っスけどね」
「！・・・こふっ、て、てめー、やっぱ酔っ払ってるだろ？」
「だから言ってるじゃないですか。酔っ払ってるって」
「・・・なんつーたちの悪い・・・」
「お酒と・・・まゆにね」
「わ、笑えねー冗談だ」
「あ、酷いなー。本気の本心ですよー。
　疑ってるんですか？」
「さぁなー。ちゃーんと、証明してくれたら、分かってやらなくもないが、な」
「あー、えと、うーん・・・一晩丸ごとあけるのって、やばくないっスかね。
　いや、そういってもらえることは、正直飛び跳ねそうなくらい嬉しいんですが」
「じゃあ、良いじゃねーか。今夜くらい・・・あたしのことだけ考えて、一緒に居てくれよ・・・」

それを聞いた耕介は、少しだけ驚いたような表情をしたが、すぐに笑みを浮かべ、

隣のスツールに座っていた真雪の肩を抱き寄せると、一緒に立ち上がりエレベーターホールの方へと歩いていった。

その頃のさざなみ寮。

「でねー・・・・ということになったの」
「へぇ・・・あの真雪がねぇ」

知佳は今、自分の部屋に居なかった。

いつも、真雪と耕介のデートがあった日は、真雪の隣にある自室ではなく、他の寮生の部屋に泊まりに行く。

理由は、寂しいのと、恋人の邪魔をしたくないのと、少々居づらいのがそれぞれ１／３。

だが、今夜はいつもと少し違った。

これまでのお泊り先は、同年齢のみなみの部屋だったが、今夜に限ってリスティの部屋に来ていた。

唐突なお願いに、リスティは嫌がることなく受け入れた。

そして、１１時とそれなりに遅い時間になり、ともにベッドに入って、眠りに落ちるまでの間のパジャマトークをしているのだった。

「まあ、でもさ、あれだよ」
「なに？」
「二人の恋路を邪魔するやつは・・・って、ちょっと違うな」
「なにそれー」

いい言い回しを唸りながら考えるリスティに、あははと笑いかける知佳。

保護者と、被保護者。よく似た立場の二人が、掛け布団の下の薄闇で笑いあう。

「結局は、なるようにしかならなかった、ってところかな」
「だねー。でも、あんなおねえちゃん、初めて見たよー」
「そうか。Ｓｈｉｔ、ちょっと見てみたかったな・・・いつものお返しの材料に」

そういったが、実はリスティは事件の全貌を知っていた。

あの時部屋に居た彼女は、真雪の部屋の異変を察知するとすぐさま寮全体とその周辺を“スキャン”した。

不審者の不在を調べるとき、真雪の表層意識も読み取り、彼女なりに“サーチ”をして探し物の場所も割り出していた。

誰が持っているのかもすぐに分かり、後は事の成り行きを、気づかぬ振りをして終始見続けていたのだ。

「もう、悪戯に力を使っちゃだめだよ？リスティ。それと、言葉遣いも女の子らしく、ね」
「ハイハイ・・・知佳は融通が利かないな。愛か耕介みたいだ」
「なーに、リスティ？」
「Ｎｏ　Ｐｒｏｂｌｅｍ．なんでもないよ。遅いからそろそろ寝よう」
「そうだね。お休み、リスティ・・・」
［Ｇｏｏｄ　Ｎｉｇｈｔ．オヤスミ、知佳・・・」

正直、どうなるか気になっていたが、手出しは出来ないと思っていた。

指輪に執着する真雪の気持ちは分かるが、それに縛られて肝心の耕介に気後れしてしまい、ギクシャクするのは間違ってるとも思った。

（まあ、それでも何とかしちゃうんだろうけどね、耕介なら）

結局、事態は落着し、デートも問題なく進んだようだ。ほっ、と安堵する。

（「なるようにしかならない」なんて、達観してたつもりでも、どこかで願ってたのかもね）

『世界は優しくなんて無い』

そう、自分は言った。確かに、この世の中、欺瞞と偽善で満ちている。だが、それでもそれ以外の、正反対もちゃんと世界にあるのを知っている。

それを教えてくれたのは、ここと、ここの皆だ。

あれは、自分に向けて言われた言葉ではない。でも、それはリスティの心にも響いた。

『一生笑って暮らそうや！』

（そうだ。いつだって世界はそこにあるだけで、何も与えてはくれない。なら、自分で笑顔を手に入れないとね。）

一人、胸の中で語る。薄く目を開けると、もう知佳は安らかな寝息を立てていた。

クスッ、と息を潜ませ微笑むと、自分も夢路へ旅立つために、枕の位置を修正する。

（だよね・・・○○・・・）

そう、心の中で誰かに語りかけ、自らも安らかな眠りへと落ちるのだった・・・

なお、翌日。

「一体どうやったら、ここまで散らかす・・・いや、片付けか？
　ま、良いや・・・ここまで出来るんスか・・・？」
「だぁー、もぉー、喋ってないで、黙って手伝え！」

積み上げられたものを前に、悪戦苦闘する恋人たちが居ましたとさ。

―――　Ｔｈｅ　ｌｉｆｅ　ｆｏｒ　ＨＡＰＰＹ　ｔｏ　ｂｅ　ｃｏｎｔｉｎｕｅ　？　―――

※後書きという名の懺悔

書き手としては始めまして、ｍａｎａｂｅｌｌ（マナベル）です

いかがだったでしょうか？　聞くまでも無く、まだまだですが

これには元になった曲があって

「どっかいっちゃった！？／東京少年」

なんですが、何分古いバンド＆曲なので、誰も知らないじゃないかと・・・（あ、そこ、人の年を追及しない（笑）

初とらハＳＳということですが、ちゃんと「さざなみ」っぽく出来ていたらいいな、と

（無事公開にこぎつけたなら）場所を提供させてもらった茜屋さん、ならびに「不完全真空地帯」管理人様方に深くお礼を

それではー

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