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美由希は、朝早くに目が覚めた。 いつもと同じ時間。 いつもと同じ日常……でも今日は違う。 「………クリスマスかぁ…」 こういう行事の日は、修行が無い。 ついでに今年は去年の様なチャリィコンサートも無い。 だから、家でのんびり………してる場合じゃなかった。 ちらり、と机の上に目をやると、編み掛けのセーターが置いてある。 一つ、ため息をついてから、布団から出てキッチンへと向かった。 すでに翠屋に行ったのか、桃子の姿は無く 代りに、なのはがちょこんと椅子に座って朝ごはんを食べている。 ついでに席には恭也が居り、珍しい事に、3兄妹の朝御飯になった。 「おはよう、二人とも……うちの料理番は？」 「翠屋に手伝いに行ったよ」 と、兄がそっけなく言う。 「なのはは、今日はお留守番？」 「ん〜ん〜、今日はフェイトちゃん達と一緒にお出掛け」 「ううぅ、いいなぁ……お姉ちゃんだけ独り身だよぅ」 いいこ、いいこ、となのはは美由希の頭を撫でた。 「あ、そうだ恭ちゃん、今日一緒にどっか行かない？」 「んー……午前中はちょっと用事があるから 午後から、翠屋のいつものパーティの間まででもいいなら」 「あはは……丁度いい時間かな」 そう答えて、美由希は朝御飯を済ませて自室へと戻った。 編み掛けのセーターを見るなり、苦渋の笑みを浮かべる。 あと少しで完成ではあるものの、剣術以外は不作法な自分の才能を恨んだ。 ヒーターをつけて椅子に腰掛け、昨日止めた場所から再開し始めた。 昼頃には何とか完成し、それを綺麗に包容紙に入れる。 待ち合わせ場所は海鳴駅前、午後５時に集合。 ちょっと早い気もするが、ベンチに座って待っていよう。 バタバタとしていると、廊下で桃子が尋ねる。 「……どうしたの？そんなに慌てて」 「あ、お母さんお帰り……えっと、ちょっと恭ちゃんと出かけてくるよ」 「……それってデート？」 「そんな大層なもんじゃないと……思ってると思うな恭ちゃんは」 恋愛不感症超ウルトラ鈍感男こと、高町恭也は他人の視線にとかくうとい。 だからきっと、デートのつもりで今日一日を過ごすつもりではない事 くらいは分かっている。それでも、今日という日を一緒に過ごせる２人だけの 時間がある、それだけで満足してしまう自分もやはり恋愛の出来ない女なの かもしれない。誰かさんみたく押しが強い性格であれば…… 「どうしたの？そんな目でこっち見ちゃって」 「んー……母さんの押しの強い性格をちょっと分けて貰いたいなって思っただけ」 「それならいくらでも分けてあげられるけど、どーせなら服にしときなさい♪ そんないつもと変わらない様な服装でデートだなんて、母さん許さないわよ♪」 「いやだから、恭ちゃんは……」 （今母さんに何言っても無駄だな〜多分） 着せ替え人形にされる事一時間弱………根本的な事について尋ねる。 「母さん、翠屋はいいの？」 「いっけなーい！！すっかり忘れていたわ、ごめんもう行くわね。 ちゃんと時間になったら翠屋に来るのよ〜でも帰って来ないならそれはそれで〜」 と、手を振りつつバタバタと慌しく桃子は去っていく。 自分も手伝いにいけば良かったかもしれない。 「……そこまで進展はしないかと〜」 でも今宵はクリスマス、奇跡が起きても不思議じゃないか。 そんな淡い期待を抱いて、まだ余った時間を何に使おうか模索し始める美由希だった。 一方その頃……恭也は街のカラオケBOXの中に居た。 赤星と赤星の大学の剣道部の部員、マネージャー…… こっちは自分と、忍だけだったが、カラオケで盛り上がっているうちに打ち解けていった。 剣道部の部員の中に忍にアタックを掛けた輩も続出したものの、忍はそれを全て粉砕。 「ごめんねぇ」 「「「ううううううぅぅぅ……飲むぞ！」」」 「いや、まだ昼間だろ思い切り」 恭也が呟くと、忍がべったりとくっついている本人に言われて野郎共は殺気をみなぎらせる。 赤星はそれを、皆仲が良いなぁ……ははははと、微笑ましく見ていた。 気づけ赤星と、マネージャーが突っ込みを胸うちでやったものの、当然彼に伝わる事は無かった。 午後３時頃になると、恭也は用がある、と伝えて忍と共に早々と合コン？をきり抜けた。 自分達の支払いは赤星に渡して、カラオケBOXから外へ出る。 「翠屋、９時からだっけ？」 「ああ、忍も良かったらうちに来てくれ」 「絶対行くよ、それより……今から何の用事？」 「美由希とこれからどこか行くと約束してる。良かったら一緒に行くか？」 「嬉しいけど、そういう鈍感なとこ、ちょっと嫌いだな」 「ど……」 「うん、恭也が美由希ちゃんにこれから先恨まれてもいいなら、一緒に行こうかな？」 「……すまない、今回は遠慮してくれ」 「あはは、賢明な判断だけど、ちょっと残念。 んじゃ、私は先にびっくりドッキリプレゼントを用意する為に一旦家帰るね。それじゃ、またね恭也」 ウィンクして、忍はノエルの車に乗って帰って行った。 まだ待ち合わせの時間までには時間がある…… （今のうちに、あいつにプレゼントでも買っていこうかな？） とはいえ、一体何を上げれば喜ぶだろうか…… ブランド物には興味が無いし、あんまり兄妹揃って趣味が無いもんだから こういうプレゼントを選ぶ時には困る。 街の外で出店をしていたのを見つけて、アクセサリーに目を通す。 自分の手持ちで買える範囲内で、美由希が欲しそうな物を探していると 店の主人から声が掛かる。 「兄ちゃん、恋人に上げるんなら……こういうのどう？」 一見すると、全然こういう出店をする様には見えない女性だった。 黒いコートの下に白いセーターを羽織っており、顔立ちはとても綺麗で 高町家の面々にも居ない、独特のある顔だった。 というか……どことなく、顔立ちに見覚えがある様な気がするが。 そんな違和感を覚えながら、恭也は女性を見る。 女性はひょいっと、横にくるなり一つの指輪を見せる。 銀色に輝いた指輪には、恐らく偽者だろうが宝石の様な石が埋め込まれてある。 「……綺麗だとは思いますが」 「今なら、アンタの手持ち半分でいいよ。今の私は気分が良いからね」 「………ちなみに値段を聞いていいですか？」 「んー……残念だけど、これは売り物じゃないんだ」 意味が分からない。 「つまりこういう事、これは私にとってとても大切な物で普段は売ったりしない。 でも今日は気分がいいから、あんたの財布の中身半分で売ってもいい。 どうせ、デートにお金使うんでしょう？それくらいは察してやるわよ。 別にアンタの財布の中身が小銭でも構いはしないしね。 大金が入っているなら、それはそれで私にしたら嬉しいし？」 恭也はその指輪を手に取る。 どこかで、見覚えがあるような気がした。 （………どっかで見覚えがあるような気がする） 恭也は財布の中身を確認する。 中には２万円が入っていた。 SPの仕事を何回かしたおかげで実はかなりお金を持っているのだが 全て貯金して、いつでも使える様にはしてある。 それに学費やら何やらで、溜まっていたお金も随分減った方だろう。 高校卒業と同時にSPの資格を取得し、何度か護衛についた事もあったが 桃子が本分は学生なのだから、卒業するまでSPの仕事は止めなさいと言われてしまって 以来、仕事の依頼はあるものの、全て断っている。 「……じゃあ、これにします」 「……詐欺だとは思わない訳？」 「貴方も気まぐれなら、俺も気まぐれです。 それに、今他の物を見ても、どうしてもこの指輪がいいって思ってしまいますし」 「へぇ、目利きは良い方だね少年」 にやり、と女性は恭也に微笑んだ。 「何となく、色んな思いがこもっている、そんな気がするんです。 他の指輪は、綺麗ですけど、それだけな気がして」 「……君それ、素で言ってる？まっさか生涯のうちにそんな歯の浮く台詞を吐く奴に２人も会えるとはねぇ」 「はぁ……………………」 次にぼそっと女性が呟いた言葉は、恭也には聞こえ無かった。 ただ女性は呆れた顔つきで、恭也の顔じっと見つめていた。 『……まぎれもなくあんたあいつの血引いてるわ』 プレゼントが用意出来、時間もそろそろとなって 駅前に向かおうと思った矢先に、背後に気配を感じて後ろを振り向く。 ふにょん、という聞こえるならそんな擬音と共に、大きな声で自分の名前を叫ぶ。 「恭也〜〜！！久しぶりー！元気だった？」 現れたのは良く知っている人物だった。 綺麗な容姿に、豊満な胸を背中に押し付けながら抱きついてくる。 「フィアッセ……どうして？ツアー中じゃあ……」 世界を回ってツアー中のシンガーであるフィアッセは、当然有名人であり…… パパラッチも居たりして……今もカメラの音が煩い。 「私の出番があるコンサートは明日なの、今日は海鳴でアイリーンメインのディナーショーがあるけどね」 「貴方、フィアッセさんとはどういう関係で？」 ずい、と割って入るパパラッチ。 ２人は顔を見合わせて、タクシーの中に避難した。 美由希は少し早くに、家を出た。 駅前に着いたのは４時半頃で、少しばかり暇を持て余す。 ベンチに座っていると、何となく視線が自分に集中している事に気づいた。 （……やっぱり似合わないのかなぁこの服、すっごく恥ずかしい……早く来て恭ちゃん） そんな事を考えていると、２人組の男が現れる。 「ねぇ、君すっごく可愛いね。今暇なら俺達とどっか行かない？」 「……え、ひょっとしてあたし？」 「そうだよ、他に誰が居るんだよ。そんなに目だってるのに、一人で寂しそうに見えたからさ 男待ってるんだったら、もう来ないんじゃないかなぁ？ だから俺達とさ、一緒に行こうよ」 「ええと……ごめんなさい、待ち合わせ５時なんで……」 「ほんと？間違ってない？」 （うわー……もう逃げよう。あんまりしつこいと、条件反射で『やっちゃう』かも） ちょっとした殺意を抱きながらも、声を掛けられて少しだけ嬉しかったり。 ベンチから離れると、駅の中の椅子に座って携帯を取り出す。 『私駅の中で待ってるから、早く来てね恭ちゃん』 「送信っと……」 少し駅の中は寒かった。 こんなどこかのパーティ会場に向かう様な格好をしているのだから 寒くて当然なのだが。 何か羽織れる様な物を持ってくれば良かったと思いながら恭也の到着を待っていると 急に駅前が騒がしくなる。 「あの有名なフィアッセ・クリステラが今駅前に居るんですって！ 急いで写真取って皆に送らなきゃ！」 と、駅の周辺は騒然となった。 美由希もその慌しい中外に出て、２人の行方を目撃する。 手を繋いでカメラや携帯を持っている人達から逃げている様子だった。 そのままタクシーに乗って、その人達を振り切った。 車はすぐに目の届かない所にいってしまって、ただその場の成り行きを見ているしかなかった。 （恭ちゃん……さっきフィアッセと一緒だったのか…） 久しぶりに帰ってきたフィアッセに会えないのは残念ではあるが…… とことん間が悪い自分の運を恨んだ。 辺りを見回すと５時ジャストになり、町は闇に光を照らし始める。 何かあれば、メールが来るはずだろう、そう思って暫くメールを待つ事にした。 １時間、２時間があっという間に過ぎて、時間は７時半になる。 体はとっくに冷えて、手先の感覚が無くなってきた。 何度かメールを打つ。翠屋にも電話を入れたが桃子の話では戻ってきていないらしい。 それを何回か繰り返しても、返事は返って来なかった。 携帯を所持していない可能性も考えられる。 でもそれなら、約束通りにここに来てもいいはずだ。 何度も、寒い中でベンチの前と、駅の中を往復する。 通り過ぎる人はカップルで溢れていた。 その中で一人待っている自分は、良く目立っているだろう。 （何か……あったのかなぁ） 待つのも辛くなってきた。 ひょっとしたら、恭也の事だからフィアッセと一緒に楽しいディナーでも楽しんでいるかもしれない。 「んー…それならそれでメールは来ると思うんだよねぇ」 例え、２人で楽しんでいても、別に何の不思議も無い。 去年のクリスマスを思い浮かべる。大変だったが、色んな嬉しい事が起きた一日だった。 たった一日で、今までの人生とは大きく変わってしまったと言っていい。 でも、変わらないのは……自分の中での恋心。 ずっと好きだった。今でも、そうなればいいと思っている。 去年、恭也はフィアッセとそういう仲になるものだと思っていた。 （……恭ちゃんは、一体誰が好きなんだろう？） ずっと、彼の背中を追いかけてきた。 ずっと、彼の事だけを見続けてきた。 思いの強さと年月なら、誰にも負けない。 （もし今日までに、恭ちゃんが来たら……変わらないこの思いを、伝えよう） そう決意して、美由希はメールを握りしめた。 一方、恭也は海鳴にあるホテルの一室に居た。 タクシーで今までずっとパパラッチを振り切っていたのだ。 有名人も楽じゃないな、そう思いながら……フィアッセを見つめようと視線を泳がせる。 「あれ、居ないのか……しかし参ったなぁ」 どこかに携帯を落としたらしく、美由希と連絡が取れない。 約束を大きく破ってしまった、まだ待ってくれているかもしれない。 急いで向かわないと……そう思っていると ドアにノックがあり、警戒しながらドアの前に立つ。 （どうやら、大丈夫みたいだな） ドアを開けて、ホテルのルームサービスを受け入れる。 豪華な食事が並んであり、クリスマスに相応しいツリーの飾りもある。 ワイングラスが夜景にぴったりで、雰囲気は最高だった。 暫くして、フィアッセが……浴槽から現れた。 思わず恭也はすっとんきょうな声を上げる。 「フィアッセ！？」 「あはは〜どう、綺麗？」 いつもの何倍も綺麗に見えるのは錯覚では無い。 「……綺麗だ、フィアッセ」 そう口から零しても、何の疑問も出てこない。 本当に綺麗なのだから…… 「ありがと恭也〜♪それよりその袋は何？」 「ああ、これは……」 何の連絡も取っていないものだから、美由希が今どうしているか心配になってきた。 電話の受話器を取って、翠屋に連絡を入れる。 恐らく、今はパーティが始まる頃合だろう。 「はい、もしもし〜♪」 「あ、母さん？……俺だけど、美由希はそっちに居る？」 「あっ……あんたこそ一体どこに居るの？ 美由希、何回かこっちに連絡があって、随分心配してたわよ！？ ひょっとして、まだ美由希と連絡取れてないの？」 「ああ、実は……―――――――――――って訳で、今フィアッセとホテルの中に居るよ」 「ねぇ、恭也はフィアッセが好き？」 「それは勿論……」 「一人の女の子として？」 「いや、それは………」 「じゃあ、恭也は誰が好きなの？……誰と、クリスマスを過ごしたいの？」 「……………………………………………………」 「お節介かもしれないけど、ずっとこのままって訳にはいかないでしょう？ いいかげん今日決めちゃいなさい、恭也……誰を選んでも誰も恨みゃしないわよ」 「……俺は、あいつの所に行かなきゃ。多分、馬鹿だからまだ待ってるだろうし」 「ずっと待ってるわよ、あの子は……小さい頃から貴方しか見てなかったからね♪ んじゃ急ぎなさい、そこから駅前まで時間掛かるんでしょう？ それじゃ頑張りなさい、応援してるからね〜恭也」 それだけ言って、桃子は受話器を置いた。 すでにパーティの準備は万端、人数も集まったし そろそろ開始してもいいだろう。 「んじゃ、今から……クリスマス＆、恭也と美由希恋人になりました記念いってみようかー！」 『お〜〜〜〜〜〜って……ぇえええええええええええええええええええええええええええええ！！』 会場はそれはもう大騒ぎになったそうな♪ 吐く息が白くなる。 体温が、下がっているのも、分かる。 でも、今日一日……待っていたい。 もう人気も無くなった駅前で、歩く音が聞こえる。 女性だった。温かい缶コーヒーを自分の前に差し出す。 「……寒いっしょ？」 「あ……はい、すみません」 そう言われて、コーヒーを手にとって飲んだ。 「温かい〜コーヒーってこんなに美味しいんですね」 「それだけ、喉が渇いてたって事でしょーよ」 そう言って、女性は一気にコーヒーを飲み干した。 「しっかし、男は何やってんだろうね、こんな良い女放ってさ」 「あはは……きっと、フィアッセっていうすごく綺麗な女の子と一緒にホテルで綺麗な夜景見ながら美味しい物食べてると思います」 それを聞いて、女性は目を細めて言った。 「……あんた、馬鹿でしょう？」 「……そうかもしれません。でも、心の片隅で信じてるんです、きっと来てくれるって」 「そういう女は嫌いじゃないな、女放ったらかしてどこぞで楽しんでる男よりは遥かに良い」 「へっくし！！……何だろう、悪寒が……」 タクシーの中から夜空を見上げると、恭也は目的地に早く着く事を祈った。 「はぁ……これ貸すよ」 そう言って、女性はコートを美由希に羽織らせる。 寒そうにしながら、黒いジーンズのポケットから、携帯を取り出す。 「あ、恭ちゃんの携帯……どうして、これを貴方が？」 「それは秘密、でも一つだけ言える事は……馬鹿だけど、きっとくるから最後まであの子を信じてあげてね」 「はい♪」 「ほんと、馬鹿にゃ勿体無いくらい良い子だわ」 そう言って、女性は姿を消した。 時間は……もう、今日という日が終わるまでに時間はそう無かった。 もう来ないかもしれない。 カウントダウンまで……後１０分。 ９分、８分、７分、６分………５分、４分、３分、２分、１分…… 「６０秒……」 「美由希！！」 声がする。 聞きなれた声 自分が愛する人の声が、今聞こえた。 後ろを振り返る。 「すまん、遅れた」 「遅れすぎ………寒いよ馬鹿兄」 近寄ると、お互い緊張して何を言おうか迷った。 さっきまで凍えるかと思うくらい寒かったのに、今はもう体が熱いくらいだった。 『ゴーン』 近くの教会の鐘が鳴った。 何度かそれが響いた後、静寂になった所で美由希は言った。 「私……恭ちゃんの事が好き。ずっと……ずっと好きだった」 言ってしまった物を取り返す事なんか出来ないものの、恥ずかしさで死にそうだった。 恭也は何も言わなかった。 やっぱり駄目か、そう思った時……恭也が自分の左指に指輪をはめる。  「これ……恭ちゃん？」 「まぁ……その、なんだ……こういう事だ」 ずるい人だ……ちゃんと口にしてくれないなんて 顔を近づけて口付けを交わす。 夜景の光が２人を照らし続けた。 「ベリーメリークリスマス、お二人さん」 二人を遠くから眺める女性が拍手を送る。 「しっかし、あいつも恋愛ドラマ野郎だねぇ……絶対あたし似じゃないな、馬鹿息子 にしても……あいつから貰った指輪もちったぁ役に立ったじゃないか。」 そう苦笑しながら、女性は二人を祝福した。 はい、人を裏切り続けて早何年？ いや、ごめんなさい。 ごめんよー！まじで orz こんな恋愛ドラマ野郎な話ですがご勘弁をｗ ではｗ あーそうそう、ちょこっと、書き加えるかもｗ |