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（作：いにしゃるでぇ）
志貴 「はぁ……」 夏の休日。昼時の繁華街。辺りを見渡すと人々は皆、たまの休みをいかにして過ごすか、と期待に満ちた表情をしていた。 そんな中、「俺」こと、遠野志貴は先程のこれまで幾度も繰り返されてきた、眩暈の起こりそうな光景を思い出し溜め息をついていた。 アルクェイド 「どうしたの、志貴？身体の調子でも悪いの？」 そんな俺の顔を、隣を歩く純白の吸血姫は心底心配そうな表情で覗き込んできた。コイツが自分のことを心配してくれている。 その事は本当に嬉しい。嬉しいのだが…… 志貴 「……オマエがそれを聞くか？」 今の俺のブルーな状態を生み出した一端を担っているコイツに言われると、どうにも語気が荒くなってしまう。 アルクェイド 「えー、なにそれー？どういう意味ー？」 どうやらこのお姫様は本当に分かっていないらしい。俺がどうしてそんなことを言うのか分からない、といった感じで聞いて来た。 当然、その整った顔に不満の色を浮べながら。 志貴 「……」 コイツは俺が休日になると、決まって朝早くから遠野のお屋敷（まぁ要するに俺の家なのだが）に「志貴〜、遊ぼ〜♪」などと言って乗り込んでくるのだ。 かと言ってその事自体に問題があるわけではない。俺自身としてもコイツと居られるのは嬉しいのでむしろ歓迎すべき事だ。…唯一つの問題を除いては。 志貴 「……オマエまた秋葉とやりあったろ？」 そうコイツ、アルクェイド・ブリュンスタッドと我が妹、遠野秋葉は何故か相性が最悪なのだ。顔を付き合わせるたびに、とてつもなく険悪な空気を辺りに漂わせている。それこそ、放っておけばそのまま殺し合いでも始めそうなほどに。 で、そうなる前に俺がコイツを外に連れ出すことになるのだ。 しかし、そうした所で秋葉の気が収まる訳もなく、いつも帰宅した俺が秋葉にいたぶられる役目を負うという訳だ。 アルクェイド 「わたし悪くないわよー。突っかかってくるの、いつも妹の方じゃない。」 俺の言葉を受け、そう返すアルクェイド。コイツの言う通り仕掛けるのは大概秋葉の方なので、コイツとしては売られた喧嘩を買っているに過ぎないと言えない事も無いのだが…… 志貴 「それにしたって、オマエもまともに受けなくてもいいだろうに……」 アルクェイド 「ぶー、そんな事もういいじゃない。せっかく遊びに来たんだから楽しもうよー。」 俺の気も知らず、このアーパー吸血姫は俺の手を引いて呑気に歩き出した。その表情からは既に周囲の人々と同様の感情しか読み取れない。 志貴 （まぁ、いいか。どうせ家に帰ったら秋葉に責められるんだ。だったら今は楽しまなきゃ損だよな。） 俺もコイツの顔を見ていたら悩んでいるのが馬鹿らしくなり、今日は思いっきり楽しもうと決心をした。 志貴 「それじゃ、どうする？とりあえず食事にでもするか？」 昼時という事で腹が空いてきていたため、アルクェイドにそう訊ねる。 アルクェイド 「うん、そしたらさぁ、あそこ行こあそこ♪」 嬉々として返事をしてくるアルクェイド。 志貴 「あそこって……」 「どこ？」と続けようとして言葉を切る。すぐに何処のことを言っているのか見当がついたからだ。コイツがあそこと言ったらあの場所しかないだろう。 そんなことを考えている俺の視界に予想通りの光景が入ってきた。 志貴 （やっぱり……） １年前、コイツと出会ったばかりの頃に連れて行ってやったハンバーガー屋だ。あれ以来コイツは妙にあそこを気に入ってしまい、コイツと食事というと大抵はあそこになってしまう。懐に優しいという点ではありがたいのだが、たまには他の所へもいってみたいと思うのが人情というものだろう。そこで俺はアルクェイドに声を掛けることにした。 志貴 「なぁ、アルク……」 声を掛けようとしたところでアルクェイドの足が止まる。 志貴 「どうした、何か忘れ物でもしたのか？」 そう言いながらアルクェイドの隣に並びその顔を覗き込む。 志貴 「！？」 瞬間、息が止まった。 この１年、こいつと一緒に行動してきて色々と厄介事に巻き込まれてきた。だが、それでもコイツのこんなに鬼気迫る顔を見たことは無かった。アルクェイドは周囲に人がいるのにも関わらず、殺気を撒き散らしている。人々は、その自分達とは全く次元の違う殺気をその身に受け、先程までの浮ついた気分は何処に行ったのやら恐怖に身を凍らせていた。 かく言う俺も、それが自分に向けられているものでは無いという事は分かっているのだが、それでも身動きが取れなかった。 志貴 「お、おいアルクェイド……？」 カラカラに乾いた喉からそれだけをどうにか絞り出す。 アルクェイド 「……志貴、気付かない？」 剥き出しの殺気はそのままにアルクェイドはそう口にした。 志貴 「えっ？」 アルクェイド 「視られてるわ。」 間の抜けた返事をする俺にアルクェイドは短く告げた。「視られている」アルクェイドは確かにそう言った。コイツがそう言うのならまず間違いは無いだろう。そして俺も意識を周囲に向ける。幸か不幸か（多分不幸な事なのだと思うが）この１年で自分に向けられている、視線や殺気というものには随分敏感になったと思う。 志貴 「３人か？」 アルクェイド 「えぇ。」 明らかにこちらを視ている人物が３人。それに気付く。 志貴 「どうする？」 アルクェイドに行動の指示を仰ぐ。 アルクェイド 「さすがにここじゃマズイでしょ。路地裏にでも入りましょう。」 志貴 「そうだな。」 頷き、懐に手をやる。そしていつものものがそこにあることを確認する。いつでもこういう事態に対処できるように常に持ち歩く事にしているのだ。そんな自分自身の用心深さに感謝すると同時に思わず苦笑いを浮べる。 アルクェイド 「志貴？」 志貴 「いや、何でもない。それよりついて来てるか？」 普通こんな状況で笑みなど浮べたら誰だって訝しむだろう。当然の反応をするアルクェイドに俺は軽く返し、敵（そう言って間違いないだろう）の動向を訊ねる。 アルクェイド 「えぇ、ちゃんとついて来てるわ。っと、ここら辺でいいわね。」 志貴 「そうだな……」 アルクェイドに同意し、周囲に視線をやる。この場所は自分にとって何かと因縁のある場所だ。殺したはずの相手に追い詰められた場所。その相手の圧倒的な力を目にした場所。そして……「苦しい、助けて」と悲痛に訴える、クラスメートを塵へと変えた場所…… アルクェイド 「いい加減に姿を見せたらどう？遠くからずっと眺めてるなんてお世辞にもいい趣味とは言えないわよ。」 アルクェイドの声で思いに耽っていた意識を現実に戻される。そうだった、今は余計な事を考えている場合ではない。まずは俺達を付回す相手を確認し、その上で必要であれば退ける。その事が先決だ。 ？？？ 「さすが真祖の姫君、こうも簡単に感知されるとは思わなかったぞ。」 俺が結論を出すのとほぼ同時に、背後から声が聞こえた。その声に反応し振り返る、同時に右手は懐に、左手は眼鏡へと持っていっている。なかなかいいスピードだ。振り返るとそこにはこのような場所には全く不釣合いな漆黒のドレスを身に纏った黒髪の女が男二人を引き連れて立っていた。 アルクェイド 「何を言っているのよ。簡単に感知されるとは思わなかった？あの程度人間でも少し勘働きがよければ気付くわ。馬鹿にしてるの、アルトルージュ？」  「アルトルージュ」、アルクェイドはあの女のことをそう呼んだ。そう言えば以前アルクェイドから聞いた事がある。死徒２７祖を束ねる真祖と死徒の混血がいると。その名前が確かアルトルージュだった筈だ。そしてその護衛に「黒騎士シュトラウト」、「白騎士ヴラド」と呼ばれる死徒がいるとも聞いていた。あの二人の男がそうであると見て間違いないだろう。 アルクェイド 「それでアルトルージュ、こんな極東の島国まで一体何の用？まさか観光だなんて言わないわよね？」 アルトルージュ 「まさか、我がこのようなところまでわざわざ赴いたのは他でもない。真祖の姫君、貴殿を消し去るためだ。」 アルクェイド 「わたしを消す？アルトルージュ、しばらく会わないうちに随分と冗談が上手くなったものね。」 アルクェイドはアルトルージュの答えに対し下らないジョークはウンザリといった感じで返した。 アルトルージュ 「冗談でこの様は事は言わん。我は本気で貴殿を消しにここまで来たのだ。」 アルクェイド 「ふん、真祖であるわたしを消せるなんて本気で思っているの？」 アルトルージュ 「今ならな。」 アルクェイド 「へぇ、随分と強気じゃない。」 アルトルージュ 「今は昼であるからな。如何に真祖といえども昼ならば死はあるであろう。それに今なら発揮出来るのは本来の力の４割がいい所であろう。」 アルクェイド 「……確かにね。でもアルトルージュ、昼という事はあなたの力も落ちているという事よ。それを分かっているのかしら？」 アルトルージュ 「無論だ。」 そんなやり取りが交わされている中、一方の俺はというと、余りにも予想通りのその答に辟易しながらフゥと一つ小さな溜め息をつくと眼鏡を外し、内ポケットから最早戦友とも言える存在となったナイフを抜き構えた。眼鏡を外した目にはこればっかりは何度見ても見慣れる事の無い落書きがそこかしこに映っていた。 アルトルージュ 「ん、人間よどうするつもりだというのだ？まさか我らには向かおうなどとは考えてはいまいな？悪い事は言わぬ、ここから立ち去れ、そうすればそなたには手出しはしないと誓おう。」 俺の様子を見咎めたアルトルージュがこちらへ話し掛けてきた。俺は返事をする代わりにナイフをそのまま構え続ける。 アルトルージュ 「ほう。それが答えという訳か。」 アルトルージュは無視し続け、アルクェイドに訊ねる。 志貴 「なぁ、あっちの二人ってネロの奴より強いのか？」 言いながら姿を現してから、ただの一言たりとも発していないアルトルージュの護衛達を顎で指し示す。 アルクェイド 「まさか、前にも言わなかったかしら？ネロ、あいつはほんとに別格よ。それに較べたらあの二人のレベルは落ちるわ。と言ってもそれなりに力は持っているけどね。」 志貴 「そっか、それを聞いて安心したよ。アルクェイド、あっちの二人は俺が相手するからさ、オマエはアルトルージュだっけ？そっちを頼むよ。あいつ、強いんだろ？」 アルクェイドは一瞬驚いたような表情を浮べたが、すぐにもとの表情に戻ると口を開いた。 アルクェイド 「志貴、大丈夫なの？」 志貴 「死なない程度には何とかなるさ。」 アルクェイドは暫し考え込んでいたようだが、どうにか納得してくれたようだ。 アルクェイド 「そう、それじゃ志貴お願いね。」 決断するとアルクェイドは速かった。次の瞬間には俺の隣から、優に５ｍは離れていたアルトルージュの懐に飛び込み攻撃を繰り出していた。 白と黒の騎士はというと、俺たちの会話は聞こえていた筈であるが、俺の存在など目に入っていないかのように、彼らの主の助太刀に入ろうとしていた。 志貴 （ま、普通はそうだよな。） 彼らの眼には俺などそこら辺を歩いている彼らの餌と同じにしか映っていないのだろう。だがその事は俺にしてみればむしろ好都合だ。ひ弱な人間だと思っている俺が何をしたところで、彼らは無視を決め込むだろう。それならば彼らの身体中に走っている線をなぞる事など簡単だ。いや、彼らの「死」その物である点を突く事だって出来るだろう。 やるべき事は決まった。俺はアルトルージュの護衛達へ向かって駆け出していた。 志貴 「おぉぉぉぉぉぉぉ！」 雄叫びを上げながらナイフを点に向かって突き出す。 トン 無防備な男の点にナイフを突き立ててやった。白い方だか黒い方だか分からないが、その男は自分の身に何が起こったのか理解する間も無く塵へと変っていった。 男 「………」 つい先刻まで隣にいた片割れの姿が一瞬のうちに消えた事に、残っていた男の顔色が変わった。俺の事をただの人間ではないと判断したか、アルクェイドに向けられていた殺気をこちらへ向けてきた。 アルトルージュ 「！？」 アルクェイドと戦っていたアルトルージュも信じられない光景に足を止め呆然とこちらを見ていた。 アルトルージュ 「なっ、我らを滅ぼせるほどの概念武装だと？」 何だか何処かで聞いたような台詞を口にしている。俺が「直死の魔眼」なんてアルクェイドをして、化物と言わしめた物を持っているなんてことは露ほどにも思っていない筈であるから、そう反応するのは当然の反応であるとは思うが。 アルクェイド 「ボーっとしている余裕なんてあるの？」 アルトルージュ 「しまっ……！？」 その隙は致命的だった。アルクェイドは隙を見せたアルトルージュに対して全力での一撃を叩き込んだ。吹き飛ぶアルトルージュ。彼女は２，３０ｍ後方の壁にぶつかりようやく停止した。 アルトルージュ 「ぐ、ぐふっ……」 よろよろと立ち上がるアルトルージュをアルクェイドはつまらなそうに眺めていた。 アルクェイド 「ふん、やっぱり昼間だとダメね。今ので殺す気だったんだけどね。」 あっちはもう殆ど決着は着いたようだ。あとはこっちだけだ。アルトルージュへ駆け寄ろうとする男の前に立ち塞がる。そんな俺に対して男は全く容赦のない一撃を振るってきた。 かなり速い。普通の人間であれば、視ることすら出来ずバラされているだろう。 ……だが、生憎と俺は普通の人間じゃない。視る事は出来なくても、軌道の予測は出来る。俺は攻撃を回避すると、俺の脇を通り過ぎ壁に突き刺さった男の右腕の先をなぞってやり、それを殺してやった。 男 「がっ！」 初めて男が言葉を発した。だが、そんなことは俺にとってはどうでもいいことなので、ナイフを男の点に向かって突き出した。男は危険を感じ取り、身を捩ってナイフを避けると俺から距離をとった。 アルトルージュ 「リィゾ！」 アルトルージュが男の名を叫ぶ、どうやらこっちが黒騎士の方だったらしい。叫ぶアルトルージュの顔には誰が見ても明らかな狼狽の色が映っていた。 アルクェイド 「……終わりね、アルトルージュ。これでやっと、髪を奪われた借りが返せるわ。」 ツカツカとアルトルージュへ歩み寄るアルクェイド。 アルトルージュ 「まさか、このような事態に陥るとは。ここは一旦退いた方がよさそうだな。リイゾ、退くぞ。」 アルトルージュは黒騎士に撤退を促した アルクェイド 「逃げられると思っているの？」 立っているのすらやっとのアルトルージュの目の前に立ちアルクェイドは冷徹に言い放った。 アルトルージュ 「逃げるくらいはな。」 言うとアルトルージュは「ヒューイ」と一つ口笛を鳴らした。 アルクェイド 「何のつもり？……！！」 何かに気付いたアルクェイドがアルトルージュから距離をとる。だが一瞬遅く、アルトルージュのドレスから飛び出した黒い物体に肩を噛み切られた。それにより態勢を崩すアルクェイド。 志貴 「なっ！？」 俺もそれに気を取られて黒騎士から注意を切ってしまう。その隙に黒騎士はアルトルージュの元へ駆け寄り、彼女の肩を支える立ちあがらせた。 アルトルージュ 「この場は退く。だが、真祖の姫君そしてその護り手よ、必ず狩る。覚えておくがいい。」 アルトルージュはそれだけ言い残すと黒騎士に支えられ消え去っていった。 いつも通りの静けさを取り戻した路地裏には俺とアルクェイドだけが残されていた。 アルクェイド 「志貴、怪我はない？」 今までの殺気立った雰囲気は何処へ行ったのやらアルクェイドは普段の軽い調子で俺に聞いてきた。 志貴 「あ、あぁ。俺は大丈夫だけど、オマエの方が怪我してるじゃないか。」 アルクェイド 「あぁ、これ？これくらいの傷夜にでもなればすぐ意に治るわよ。」 そう言えばそうだった。とは言ってもコイツが怪我をしているのを見るのは正直気持ちのいいものじゃない。俺はポケットからハンカチを取り出し、服を噛み切られて剥き出しになっている肩の傷口へ巻きつけ止血してやる事にした。 アルクェイド 「あ、大丈夫だよ志貴。ハンカチ汚れちゃうよ？」 何だかゴチャゴチャ言っているアルクェイド無視して傷の手当てをしてやる。そこで一つ思い出した。 志貴 「なぁ、さっきの黒いのなんだったんだ？」 「俺にはドレスから飛び出したように見えたんだが」と続ける。そんな俺にアルクェイドは忌々しげに答えた。 アルクェイド 「プライミッツ・マーダー、アルトルージュが持ち主の死徒よ。まさかあんな所から飛び出してくるなんてね。油断した、おかげであいつら逃がしちゃったわ。」 志貴 「まぁ、そいつは別にいいだろ？オマエなら負けないだろ？」 アルクェイド 「う、うん。そうなんだど……」 珍しく歯切れが悪いな。俺がそんなことを考えていると、すまなそうな表情でアルクェイドが俺に謝罪をしてきた。 アルクェイド 「ゴメンネ、志貴。」 志貴 「？」 俺にはアルクェイドがどうして謝るのか理解できなかった。アルクェイドはそんな俺に訳を説明した。 アルクェイド 「だって、アルトルージュ去り際に志貴の事も狙うようなこと言ってたでしょ？わたしがさっさと片付けていればそんな事にはならなかったのに……」 志貴 「はぁ……」 今更コイツは何を言っているのだろう。俺も狙われるなんてこの１年で既に何度もあった事なのに。 何となく腹の立った俺はアルクェイドの頭を拳骨で殴ってやった。 アルクェイド 「痛った〜い、何するのよ志貴〜？」 ウルサイ、オマエが馬鹿なこと言ってるから悪いんだ。ブーたれているアルクェイドに心の中でそう返す。 志貴 「ほら、それよりさっさとこんな所から離れようぜ。」 アルクェイドに背を向けて一人歩きだす。 アルクェイド 「あっ、待ってよ志貴。」 慌てて俺を追いかけてくるアルクェイドに振り返らずに告げる。 志貴 「オマエの敵は俺の敵だから。だから、あいつらが俺の事を狙おうが狙うまいが関係ない。あいつらは俺が排除する。それだけだ。」 言ってて自分の顔が赤くなるのがわかり、つい足が早足になってしまう。アルクェイドは俺の脇に並ぶと腕を組んできて嬉しそうに言った。 アルクェイド 「えへへ〜、そうだよね〜。志貴はわたしの事殺した責任があるんだからね〜、そのぐらい当然だよね〜♪」 志貴 「あぁ、そうだな……」 アルクェイドの笑顔が余りにも綺麗だったため、顔を見ているのが恥ずかしくなってつい顔を逸らしてしまい、空を眺める。空には夏独特の強い陽射しの太陽があった。 志貴 （今年の夏は暑くなりそうだな……） 太陽を眺めながら俺はそんなことを考えていた。 〜あとがき〜 作 「どうも、こんな下らない文章を最後まで読んでいただきありがとうございました。作者のいにしゃるでぇです。」 香里 「アシスタントの美坂香里です。」 作 「……何でおまえなの？」 香里 「さぁ？あなたがサブキャラ好きだからじゃないの？『とらハ２の瞳さん』とか『とらハ３の美沙斗さん』とか好きでしょ？」 作 「いや、まぁそうなんだけどよ……」 香里 「それにしても初ＳＳが月姫物なんてずいぶん強気じゃない？」 作 「おう！なんと言ってもこのＳＳまたの名を『ＴＹＰＥ−ＭＯＯＮ上等！！ＳＳ』だからな。」 香里 「まったく……こんな不出来な物を送りつけるなんていい根性ね。」 作 「うっ！？それを言われると……」 香里 「まぁいいわ。それでこれって設定としてはどういう状況なの？」 作 「一応アルクグッドエンド後って事になってる。」 香里 「あら？でもクラスメート殺したとか志貴君言ってなかった？あれってさっちんの事よね？」 作 「そうだけど？」 香里 「さっちん殺すのって遠野家ルートの場合よね？」 作 「そうだな、アルクグッドエンド後だけど、遠野家関係の話も少し進んでいる状態、あれだな月茶状態とでも思ってくれればいいさ。」 香里 「そう、それならそれはいいわ。それじゃ次ね。志貴君強すぎじゃない？」 作 「物語の１年後ってなってるだろ？その間に志貴も殺人貴としての力を大分扱えるようになったことにでもしておいてくれ。」 香里 「随分適当ね、それじゃ最後に。アルトルージュなんて月姫やっただけじゃ分からないんじゃない？青本の『死徒２７祖』の項目に名前があるくらいじゃない。」 作 「そうなんだけどな。何となく出してみたくなった。性格や言葉遣いなんかかなり適当だけどな。」 香里 「そう分かったわ。それではこんなつまらない物を送りつけてしまって茜屋さん、本当に申し訳ありませんでした。」 |